ホームページのターゲットは属性より『困っている場面』で決める
公開日: 執筆:佐藤
ホームページのターゲットは、年齢や性別を並べて終わりにしません。「何が起きてページを見たのか」「何を判断したいのか」「読後に何をするのか」まで決めます。属性は補助条件です。掲載内容と順序を決める中心は、読者が置かれた場面と、その人が行う作業です。
ターゲットを細かくする目的は、読者をむやみに狭めることではありません。限られたページで、誰の疑問から先に答えるかを決めることです。
二つのターゲット設定を比べる
次の二つは、どちらも説明用の仮例です。
| ターゲットの書き方 | その説明から決められること |
|---|---|
| 首都圏に住む30代から50代の会社員 | 年齢と地域は分かるが、必要な情報は決めにくい |
| 取引先から会社名を聞き、依頼できる業務と連絡方法を確認している担当者 | 業務内容、対応範囲、会社情報、連絡方法を先に示せる |
前者の属性にも使い道はあります。文字の大きさ、用語の説明量、地域情報などを考える材料にはなるでしょう。しかし、同じ年齢と地域の人でも、会社を確認する人、商品を比べる人、仕事を探す人では、読むべき内容が違います。
後者には、ページを見るきっかけと、読者の作業があります。そのため、見出しに何を置き、どこへ案内するかを判断できます。
「買う人」だけがターゲットではない
商品やサービスを使う人、情報を集める人、契約を決める人、連絡する人は、同じ人とは限りません。
会社間の取引では、担当者が候補を調べ、責任者が費用と条件を確認する場合があります。採用情報では、応募を考える本人が仕事内容を読みます。会社情報は、取引前の確認をする人も利用します。
一つのページで、全員の疑問へ同じ強さで答えようとすると、説明の順序が崩れます。まず、そのページで最初に答える相手を一人決めます。ほかの読者には、別のページへの入口を用意します。
年齢より先に、見る理由を書く
読者の場面は、次の四点で表せます。
- きっかけ:なぜ、いまページを見るのか
- 判断:何を選ぶために読んでいるのか
- 判断材料:決める前に何を確かめたいのか
- 次の行動:読後に何をするのか
年齢、地域、職業、知識量は、必要なものだけを後から加えます。たとえば、専門用語への理解度が違えば、説明の詳しさを変えます。地域によって対応範囲が変わるサービスなら、所在地も欠かせません。属性は、内容を選ぶ理由がある場合に使います。
仮例から必要な内容を選ぶ
説明用の仮例として、開業を控えた小規模事業者が、初めて会社のホームページを用意する場合を考えます。
「小規模事業者の経営者」だけでは、何を急いでいるのか分かりません。次のように場面を加えます。
開業日が決まり、会社情報を示すホームページが必要になった事業者。必要なページ、準備する資料、公開までの進め方を確認し、制作の相談内容をまとめたい。
この一文から、先に説明する内容を選べます。
- 会社情報として掲載する項目
- 最初に必要なページ
- 原稿と写真の準備方法
- 公開希望日までに決めること
- 制作を依頼するときの連絡方法
年齢を足さなくても、必要な説明が見えてきます。反対に、属性を細かく書いても掲載内容を選べないなら、見る理由と判断材料が不足しています。
サイト全体ではなく、ページごとに優先する
企業のホームページには、顧客、取引先、求職者など、複数の読者が来ます。サイト全体のターゲットを一人に限定する必要はありません。
ただし、一つのページでは、主な読者と目的を決めます。サービスのページは依頼を検討する人へ、会社情報は取引前に確認する人へ、採用情報は求職者へ答えます。トップページには、最優先の読者が進む道筋を置き、ほかの読者にも迷わない入口を示します。
複数の読者を扱うことと、一つのページへ情報を詰め込むことは別です。読者ごとに入口を分ければ、必要な情報を減らさず、説明の順序を保てます。
最初のターゲットは仮説として直す
公開前に作るターゲットは、確認可能な材料から組み立てた仮説です。実際の問い合わせ、電話で繰り返し受ける質問、商談前に求められる情報があれば、想像より先に使います。
公開後、想定していなかった質問が続く場合は、質問した人を排除せず、ターゲットの場面かページの説明を直します。対象を決めるのは、現実の読者を無視するためではなく、情報の優先順位を決めるためです。
まず、作ろうとしている一ページについて、次の一文を書いてください。
[きっかけ]があり、[判断したいこと]のために、[判断材料]を確認している[人]。読後に[次の行動]を取る。
この一文から見出しと案内先を選べるなら、そのターゲットはホームページの設計に使えます。選べない場合は、年齢を細かくする前に、見る理由を具体化します。
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