ホームページ制作の原稿と写真は何を準備する?制作会社へ渡す素材の整理方法
公開日: 執筆:佐藤
ホームページ制作を依頼するとき、完成した原稿を最初から用意する必要はありません。先に渡すのは、会社とサービスの事実、加工前の写真やロゴ、掲載できる範囲、内容を承認する人です。
文章を整える作業は制作会社へ頼めます。しかし、会社名、料金、対応範囲などが正しいかを判断できるのは、依頼する会社です。原稿作成の委託と、内容を承認する責任は分けます。
素材を四つに分ける
制作会社へ渡すものは、次の四つに分けると整理できます。
| 種類 | 渡すもの | 依頼者が決めること |
|---|---|---|
| 事実 | 会社情報、サービス内容、料金、対応範囲 | 何が正しく、何を公開するか |
| 文章の材料 | よく受ける質問、説明の順序、用語 | 誰へ何を伝えるか |
| 元データ | 写真、ロゴ、図、既存資料 | どのページで使うか |
| 掲載条件 | 作成者、許諾、使用期限、確認者 | 掲載してよいか、誰が承認するか |
四つを一つの「素材一覧」にまとめます。ファイルを送るだけでは、用途、最新版、掲載可否が制作会社に伝わりません。
会社情報は、古い資料を正解にしない
会社案内や現在のホームページは、材料として使えます。ただし、そこに書かれた内容が現在も正しいとは限りません。
会社名や屋号、所在地、電話番号、問い合わせ先、事業内容、営業時間、休業日、対応地域などを一度書き出します。項目ごとに、公開するか、社内連絡だけに使うかを分けてください。
個人の携帯番号を制作会社との連絡に使っても、その番号を公開する必要はありません。「制作会社へ渡す情報」と「閲覧者へ見せる情報」は別です。
確認日と確認者も記録します。古い資料と新しい指示が食い違ったとき、どちらを使うか判断できます。
サービス原稿は、質問への回答から作る
最初から紹介文を書こうとすると、飾った言葉が増え、必要な条件が抜けやすくなります。まず、次の疑問へ短く答えます。
- 誰が利用するものか
- 何を、どこまで提供するか
- 対象外となる依頼は何か
- 料金は決まっているか、何によって変わるか
- 相談から完了まで、誰が何をするか
- 依頼者が用意するものは何か
- 申し込み前によく確認されることは何か
箇条書きで構いません。制作会社が文章を整える場合も、条件と事実があれば原稿を作れます。反対に、「高品質」「丁寧」といった評価だけでは、提供範囲も費用も分かりません。
未確定の項目には、仮の内容を入れず、「未定」と書きます。決める人と期限も添えてください。未定であることが分かれば、制作会社は、その箇所を公開前の確認項目として扱えます。
写真とロゴは、使い道を添えて渡す
写真は、文書へ貼り付けたものだけでなく、撮影時の元データも渡します。ロゴは、画像だけでなく、編集可能な作成データが残っているか確認します。元データが見つからない場合は、手元にある中で最も大きく鮮明なファイルを渡し、作り直しが必要か相談します。
一つのファイルには、次の情報を添えます。
- 何が写っているか、または何の図か
- 使いたいページ
- 撮影者または作成者
- 掲載してよい範囲
- 差し替えが必要になる条件
ファイル名も用途が分かる形にします。「写真1」「新しいロゴ」だけでは、差し替え時に取り違えやすくなります。たとえば、会社外観の一枚目なら company-exterior-01.jpg のように、対象と番号を組み合わせます。
ファイル名へ日付を付ける場合は、撮影日なのか、受け渡した日なのかを素材一覧で決めます。数字だけを足しても、最新版とは限りません。
持っていることと、掲載できることを分ける
画像ファイルを持っていても、自由にホームページへ掲載できるとは限りません。
著作権法は、写真を著作物の例として挙げ、著作者に複製と公衆送信に関する権利を定めています。また、許諾を受けた人は、許諾された利用方法と条件の範囲で著作物を利用できると定めています。
そのため、社外の人が撮影した写真、外部へ制作を依頼したロゴ、メーカーから受け取った画像などは、作成者または権利者と利用条件を確認します。出典名を書けば必ず使える、という扱いにはしません。法律上の例外や個別契約の判断が必要な場合は、専門家へ確認してください。
人物が判別できる写真は、法律の適用だけで一律に決めず、写っている本人へ、掲載するページと目的を説明します。掲載の了承、確認日、連絡先を記録し、掲載中止の連絡を受けた場合の担当者も決めます。
素材一覧で、用途と承認をつなぐ
素材一覧には、少なくとも次の欄を設けます。
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 素材名 | 原稿またはファイルを識別できる名称 |
| 使用ページ | 掲載を予定するページ |
| 内容 | 写真の対象や原稿の要点 |
| 作成者 | 誰が書いたか、撮影したか、作ったか |
| 掲載条件 | 使用できる媒体、範囲、期限 |
| 確認状況 | 未確認、確認中、承認済み |
| 承認者 | 公開内容を最終判断する人 |
制作会社へ作業を任せても、元データと承認記録は依頼者側にも残します。制作会社が変わったとき、どの素材を使えるか、どれが確定版かを判断するためです。
全部そろうまで待たず、不足を見えるようにする
写真撮影や料金決定が終わっていなくても、制作は始められます。ただし、不足を制作会社だけに預けてはいけません。
素材一覧へ「未定」「撮影待ち」「承認待ち」と記入し、担当者と期限を決めます。制作会社が仮の文章や写真枠を置く場合も、仮の内容をそのまま公開しない承認手順が必要です。
最初の作業は、手元のファイルを一か所へ集めることではありません。会社の事実、文章の材料、元データ、掲載条件の四つに分け、素材一覧の一行へ一つずつ記録することです。そこまでできれば、完成原稿がなくても、制作会社は不足と確定事項を分けて作業できます。
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