• CSSのfloat解除は後続要素のclearと親要素のclearfixを使い分ける

CSSのfloat解除は後続要素のclearと親要素のclearfixを使い分ける

公開日: 執筆:佐藤

「floatを解除する」と呼ばれる作業は、一つではありません。次の内容をfloatの下から始めたいなら、後続のブロックへclearを指定します。親要素の背景や枠を、floatした子要素の下端まで伸ばしたいなら、親要素へclearfixを指定します。

clearは、先行する要素のfloatをnoneへ戻すプロパティではありません。回り込みを止める対象と、親の高さを確保する対象を分けると、変更する要素を間違えずに済みます。

float: noneとclearは変更する要素が違う

要素自身を浮動させない場合は、その要素へfloat: noneを指定します。たとえば、横並びの項目を狭い画面で縦並びへ戻すなら、各項目のfloatを変更します。

一方、clearは、先にあるfloatの横へ後続のブロックを置かないための指定です。CSS 2.1のfloatに関する規則では、floatした箱は通常フローから外れますが、その横にある行ボックスはfloatの幅に合わせて短くなります。clearは、この回り込みを受ける後続側に働きます。

したがって、目的が「項目を浮動させない」ならfloat: noneです。目的が「次の内容をfloatの下から始める」ならclearです。

clear: bothは後続ブロックを左右のfloatより下へ送る

次のHTMLとCSSは、clearの働きを説明する仮例です。実在するサイトのコードではありません。

<div class="item">項目A</div>
<div class="item">項目B</div>
<div class="next-section">次の内容</div>
.item {
  float: left;
  width: 50%;
}

.next-section {
  display: block;
  clear: both;
}

.next-sectionは、左右どちらのfloatとも横に並ばず、その下から始まります。clearプロパティの定義では、leftは左float、rightは右float、bothは左右両方のfloatより下へ、対象となるブロックの上辺を送ります。

clearが対象にするのは、ソース上で先にあり、同じブロック整形コンテキストに参加するfloatです。別のブロック整形コンテキストにあるfloatや、対象要素自身の内側にあるfloatは考慮しません。

clearfixは親要素の最後にclearを持つ箱を作る

親要素がfloatした子要素だけを持ち、overflowがvisibleの通常ブロックである場合、親の背景や枠が子の下端まで伸びないことがあります。通常フローにあるブロックの高さ計算では、heightがautoのとき、floatした子は通常フローの子として数えません。

この場合は、親要素の内側の最後に、clearを持つブロックを生成します。

<div class="item-list clearfix">
  <div class="item">項目A</div>
  <div class="item">項目B</div>
</div>
.clearfix:after {
  content: "";
  display: block;
  clear: both;
}

:beforeと:afterの定義では、生成された箱は、対象要素の内側へ実在する要素が挿入されたように働きます。上の:afterはブロックとして生成され、左右のfloatより下へ移動します。その箱が親要素の通常フローに入るため、親の高さはfloatした子の下まで届きます。

clearfixはCSSプロパティの名前ではなく、この生成ボックスで親の高さを確保する書き方です。classはfloatした子ではなく、それらを囲む親へ付けます。

overflowによる方法は表示範囲まで変える

親へoverflow: hiddenまたはoverflow: autoを指定する方法もあります。overflowがvisible以外のブロックは、新しいブロック整形コンテキストを作ります。その高さの計算規則では、同じコンテキストに参加するfloatの下端も高さへ含めます。

ただし、overflowはfloatだけのための指定ではありません。overflowプロパティの定義によれば、hiddenは箱からはみ出す内容を切り取り、autoは必要に応じてスクロールの仕組みを設けます。影、画像、配置した部品が親からはみ出す設計では、表示まで変わる可能性があります。

親の表示範囲を変える理由がなければ、clearfixの方が目的をコードから読み取りやすくなります。親を独立したブロック整形コンテキストにする必要があり、はみ出す内容の扱いも決まっている場合に限り、overflowを選びます。

目的から指定先を決める

直したいこと 指定する要素 主な指定
要素自身を浮動させない floatしている要素 float: none
次の内容をfloatの下から始める 後続のブロック clear: left、right、both
親の背景や枠を子の下端まで伸ばす floatした子を囲む親 :afterを使うclearfix
親に新しいブロック整形コンテキストを作る floatした子を囲む親 overflow: hiddenまたはauto

最初に、直したいのが後続要素の開始位置か、親要素の高さかを決めてください。clearが効かない場合は、指定先がブロックか、floatがソース上で先にあるか、両者が同じブロック整形コンテキストに参加しているかを確認します。値を追加する前に、変更すべき箱を一つに絞るのが先です。

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