Universal Analyticsのカスタムディメンションとカスタム指標は分類軸と数値を分けて設計する
公開日: 執筆:佐藤
Universal Analyticsのカスタムディメンションは、レポートを分けるための文字列です。カスタム指標は、回数、数量、金額など、計測して集計する数値です。
数字で表せる値でも、商品コードや記事IDのように足し算する意味がないなら、カスタムディメンションにします。標準のページビュー数や訪問数で答えられる場合は、カスタム指標を追加する必要もありません。最初に分析する質問を決め、分類軸と数値を分けます。
Custom Dimensions and Metricsの機能資料は、ディメンションを指標の内訳を分ける値、指標をhitをまたいで集計する数値として説明しています。レポートでは、ディメンションが行、指標が列に対応します。
カスタムディメンションは何で分けるかを表す
カスタムディメンションには、Google Analyticsが標準で持っていない分類を文字列として送ります。たとえば、記事の著者、コンテンツID、ログイン状態、資料の種類です。
「どの著者の記事が多く読まれているか」を調べるなら、著者名をカスタムディメンションにします。比較する数値には、Google Analyticsが持っているページビュー数を使えます。
| 分析する質問 | 分類軸 | 比較する数値 |
|---|---|---|
| どの著者の記事が読まれているか | 著者 | ページビュー数 |
| どの資料が請求されたか | 資料の種類 | 資料請求の完了数 |
| どのコンテンツIDが閲覧されたか | コンテンツID | ページビュー数 |
著者やコンテンツIDを数えて合計するのではありません。著者別、ID別に行を分け、その行ごとのページビュー数やイベント数を比べます。
カスタム指標は集計する数値を表す
カスタム指標を使うのは、標準の指標にない数値を、一つのhitと一緒に送る場合です。たとえば、一回の資料請求で希望された部数を測るなら、部数はカスタム指標の候補になります。
数値に見えるものを、すべてカスタム指標へ入れてはいけません。
| 値 | 選ぶ種類 | 理由 |
|---|---|---|
| 資料の種類「製品案内」 | カスタムディメンション | 種類別に行を分ける文字列だから |
| 希望部数「3」 | カスタム指標 | 数量として集計する数値だから |
| コンテンツID「00123」 | カスタムディメンション | 識別用の符号で、合計しないから |
| ログイン状態「済・未」 | カスタムディメンション | 状態別に分ける値だから |
数値の形ではなく、その値を合計、平均、比較する意味があるかで判断します。識別番号の桁を足しても業務上の意味はありません。
管理画面で定義してから割り当てられたindexを使う
analytics.jsのCustom Dimensions and Metrics開発ガイドでは、管理画面でカスタムディメンションまたはカスタム指標を定義し、割り当てられたindexをトラッキングコードで使う順を示しています。
dimension1とmetric1の数字は、管理画面で定義した項目のindexです。名前を変更しても、コード側ではindexを使います。別の項目へ同じindexを使うと、計測の意味が混ざります。
通常のプロパティでは、カスタムディメンションとカスタム指標をそれぞれ20個まで作れます。先に名前だけを大量に作らず、次の項目を管理表へ残します。
- index
- 名前
- カスタムディメンションかカスタム指標か
- 答えたい質問
- 送る値の条件
- 一緒に送るhit
- 実装したテンプレートまたは処理
- 確認担当者
この表は運用のための整理例です。Google Analytics所定の設定様式ではありません。
analytics.jsでは既存のhitと一緒に値を送る
カスタムディメンションとカスタム指標は、それだけではGoogle Analyticsへ送信されません。ページビューやイベントなど、既存のhitと一緒に送ります。
架空の資料請求で、資料の種類をdimension1、希望部数をmetric1へ割り当てた説明例は、次のようになります。
ga('send', 'event', '資料請求', '完了', {
'dimension1': '製品案内',
'metric1': 3
});
これは説明用の仮例です。dimension1の値は文字列、metric1の値は数値として送っています。実際のindex、イベント名、送信条件は、管理画面の定義とサイトの処理に合わせます。
資料請求の確認画面を表示しただけで送ると、完了していない操作まで数える可能性があります。どの処理を完了とするかを決め、その処理が一度成立した場所で送信します。再読み込みで同じeventを重ねて送らない確認も必要です。
従来のカスタム変数と同じ設定だと考えない
カスタムディメンションとカスタム指標は、Universal Analyticsのanalytics.jsで使う機能です。Universal Analyticsの公開ベータ案内は、従来のga.jsを使っているサイトに、新しいウェブプロパティを作って試す方法を案内しています。
ga.jsのカスタム変数にあるslotと、analytics.jsのカスタムディメンションに割り当てられるindexを、同じ設定として移し替えません。既存計測を残して新しいプロパティを用意し、必要な分類と数値を改めて定義します。
公開ベータを試すことと、既存の計測を止めることは別です。カスタムディメンションを使いたいという理由だけで、確認済みのga.jsを先に削除しません。
コンテンツIDと個人を識別するIDを混同しない
Core Reporting APIのカスタムディメンション案内は、コンテンツ管理システムのコンテンツIDをカスタムディメンションとして送り、APIで人気コンテンツを取得する例を示しています。
これは記事や商品など、コンテンツを識別する例です。氏名、メールアドレス、会員番号など、個人を識別できる値を送ってよいという意味ではありません。Google Analytics利用規約に従い、個人を識別する情報や、それらへ合理的に結び付けられる値は送信しません。
ログイン状態を比較するなら、個人のIDではなく、「ログイン済み」「未ログイン」のように分析に必要な分類へ置き換えます。
一つの質問をテスト用プロパティで確かめる
最初から20個の定義を作らず、一つの質問を選びます。管理画面でカスタムディメンションまたはカスタム指標を定義し、indexを管理表へ記録します。そのあと、テスト用のページや処理から一つのhitを送り、値が意図した項目へ入るか確認します。
カスタムレポートでは、カスタムディメンションを行の分類に置き、標準指標またはカスタム指標を数値として組み合わせます。APIで取得する場合も、Custom Dimensions and Metricsに対応したCore Reporting APIで、必要な分類軸と指標だけを指定します。
まず、標準のディメンションと指標では答えられない質問を一つ書いてください。「何で分けるか」はカスタムディメンションへ、「何を数えるか」はカスタム指標へ置き、既存の指標で足りるなら追加しません。
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