• AMP対応の表示が出ても通常ページで伝える内容と導線を欠かさない

AMP対応の表示が出ても通常ページで伝える内容と導線を欠かさない

公開日: 執筆:佐藤

モバイル検索結果にAMP対応の表示が出ても、それだけで記事の役割が果たせるわけではありません。Googleは9月20日から、AMPページだと分かる表示を世界で順次出すと案内しています。この表示は検索結果を変えるものではなく、速く開けるページを示す目印です。導入を終えたかどうかは、目印ではなく、読者が必要な情報を読み、次に進めるかで判断します。

AMPの利点は、モバイルでページを速く届けられることです。しかし、速く開いたページに条件、説明、問い合わせ先がなければ、読者は通常ページへ戻るか、検索結果へ戻ります。表示の速さと、ページが担う仕事を混同しないことが必要です。

検索結果の表示、表示速度、記事の役割を分ける

AMPを導入するとき、三つの話が一緒になりやすくなります。

分けるもの 確認すること それだけでは分からないこと
検索結果のAMP表示 AMPページとして示されるか 順位や内容の十分さ
AMPページの表示 スマートフォンで速く読めるか 読者が目的を果たせるか
通常ページとの対応 題名、本文、主要な案内がそろうか 更新が継続して反映されるか

たとえば通常ページに、サービスの対象、料金の条件、問い合わせへの案内があり、AMPページには記事本文だけがあるとします。検索結果でAMPの表示が出ても、比較や問い合わせのために必要な情報が足りません。記事を読むことが目的のページと、読んだあとに申し込みや購入へ進むページでは、欠かせない内容が違います。

同じ内容とは、画面の見た目を完全にそろえることではありません。ヘッダーや装飾を簡略にしても、読者が判断するための事実と、主な行動へ進む方法が残っていればよい。反対に、通常ページの文章を短く抜き出すだけで、対象条件やリンク先を落とせば、別のページになってしまいます。

画像も内容の一部です。通常pageで図や商品写真に説明を書き、本文がその画像を前提にしているなら、AMP pageでも何を示す画像か分かるようにします。画像そのものを軽くすることと、説明を削ることは別です。料金表や申込手順を画像だけで伝えている場合は、mobileで読めるか、必要な条件が文章でも分かるかを確認します。

関連linkも、読者が読む順を支えます。通常pageの本文中に参考記事や問い合わせへのlinkがあり、AMP pageからそれが消えるなら、読者は途中で行き先を失います。すべてのnavigationを同じ形で出す必要はありませんが、本文で示した次の操作へ進めるかを確認します。速く開いたページを、読者が一人で終わらせる必要はありません。

先にページごとの目的を決める

すべてのページを同じ基準でAMPにする必要はありません。まず、ページを二つに分けます。一つは、本文を読めば目的を果たせる記事です。もう一つは、料金、申し込み条件、商品選択、問い合わせなど、本文の外に重要な判断材料があるページです。

前者では、題名、本文、画像の説明、本文中のリンクを中心に確認します。後者では、それに加えて、読者が次に使うボタンやリンク、条件の説明、連絡先がAMPページでも使えるかを確認します。ページの目的を決めずに実装だけを先へ進めると、何を残すべきか決められません。

説明用の仮例として、見積もりについて解説する記事を考えます。本文が「見積もりの比べ方」だけなら、AMPページでも題名、本文、参考リンクを保てば、読者は読了できます。一方で、記事から問い合わせを受ける設計なら、問い合わせ先、受付条件、リンク先まで読み取れる必要があります。広告のリンク先や商品ページなら、価格や選択肢を欠かしてはいけません。

同じ記事でも、読者が検索した理由は一つではありません。見積もりの考え方だけを知りたい人もいれば、すぐ相談先を探している人もいます。本文の結論を冒頭で読めるようにし、相談へ進む人にはlink先と条件を残します。AMP pageを短くするために結論や連絡先を後回しにすると、急いで読むmobileの利用者ほど必要な情報へ届きません。

記事の更新時も、通常pageだけを直して終わりにしません。料金、制度、受付条件、外部資料のlinkが変わったなら、AMP pageの同じ箇所を開きます。更新が自動で反映される仕組みでも、重要な記事を一組選び、公開画面で同じ内容になっているかを確認します。実装の仕組みを信頼することと、公開した案内を確認することは別です。

一組のページを読み比べてから増やす

複数の記事を一度にAMP対応へ変える前に、通常ページとAMPページを一組選びます。PCの開発画面だけでなく、スマートフォンから開いて読み比べます。

  1. 通常ページとAMPページのURLを一組決める。
  2. 題名、冒頭、本文の見出し、画像の説明、主要なリンクを書き出す。
  3. ページの目的に応じて、問い合わせ、購入、申し込み、関連情報への導線を追加で選ぶ。
  4. AMPページで欠けた内容、開かないリンク、読めない条件がないか確認する。
  5. 通常ページを更新したあと、AMPページにも同じ変更が反映される手順を確かめる。

この作業の目的は、AMPページと通常ページを二重に管理することではありません。どちらかを更新したとき、もう一方に何が反映されるかを知ることです。別のテンプレートや別の入力欄から出力している場合は、更新の担当と確認の担当を決めなければ、古い案内が片方へ残ります。

読み比べでは、同じnetwork条件で開けるかだけでなく、linkを一度押します。問い合わせへのlink、関連情報へのlink、外部資料へのlinkが、AMP pageからも意図したURLへ進むかを確認します。表示の速さがよくても、buttonが画面外へ出る、link先の条件が読めない、通常pageへ戻る方法が分からないなら、読者の仕事は終わりません。

AMP pageへ載せない情報がある場合は、その理由を残します。たとえば、通常pageの長い補足を外すなら、本文の結論に影響しないかを確認します。商品を選ぶための条件を外すなら、AMP pageを商品pageの入口にしないか、通常pageへの分かりやすいlinkを置くかを決めます。省くことをデザインの判断だけにせず、読者が何を失うかで決めます。

導入作業と内容を保つ責任を分ける

AMPのmarkupを作る作業は制作者へ任せられます。しかし、ページで何を伝え、どの案内を残すかは、サイトを運用する側が決めることです。制作者へ「AMPにしてほしい」と頼むだけでは、料金、対象条件、商品選択、問い合わせのどれが重要かは伝わりません。

制作側へ頼むときは、通常pageのURL、AMP pageのURL、残すべき本文、主なlink、問い合わせや購入の導線、更新時に確認する項目を渡します。制作側はmarkupと表示、linkの動作を確認します。運用側は、本文の事実、条件、案内を確認します。検索結果の目印が出るかどうかと、ページの内容を承認することを同じ担当へ曖昧に渡しません。

運用側は、ページごとの目的と欠かせない情報を決めます。制作者は、それがAMPページで出るように実装し、通常ページとの更新方法を確認します。検索結果の目印を得ることを目的にすると、この分担が抜けやすくなります。

最初の一手は、問い合わせや申し込みにつながるページを一件選び、通常ページとAMPページで、題名、本文、主要な案内を横に並べることです。三つがそろわないページを増やさないことが、導入後の更新漏れを防ぎます。

戻る