Universal Analyticsとは?新しいプロパティでga.jsと並行計測して導入を判断する
公開日: 執筆:佐藤
Universal Analyticsは、ウェブサイト用のanalytics.js、アプリ用のSDK、ブラウザ以外からデータを送るMeasurement Protocolを組み合わせた、新しいGoogle Analyticsの計測方式です。公開ベータになり、Google Analyticsの利用者が試せるようになりました。
既存サイトのga.jsを、すぐにanalytics.jsへ置き換える必要はありません。新しいウェブプロパティを作り、同じページでga.jsとanalytics.jsを並行して動かし、必要な計測がそろうかを確認してから判断します。公開ベータへ参加することと、従来の計測を止めることは別の作業です。
Universal Analyticsはデータを送る入口を増やす
Universal Analyticsの公開ベータに関する公式発表は、ウェブサイトにはanalytics.js、iOSとAndroidには各SDK、そのほかの環境にはMeasurement Protocolを案内しています。
analytics.jsは、ウェブページでの利用者の操作を測る新しいJavaScriptです。従来のga.jsと同じくページからGoogle Analyticsへデータを送りますが、実装を組み立てる方法が異なります。計測コードの名前だけを入れ替える作業ではありません。
Measurement Protocolは、HTTPリクエストでGoogle Analyticsのサーバーへデータを送ります。ブラウザ上のJavaScriptを使えない装置や、サーバーで発生した処理も計測対象にできます。したがって、Universal Analyticsを導入する理由は、新しい名称を使うことではなく、どの環境のどの操作を測りたいかに置きます。
既存のga.jsは新しいプロパティへ置き換えない
公開ベータ版のanalytics.js公式ガイドは、既存のga.js利用者に対し、analytics.js用の新しいウェブプロパティを作り、二つのタグを同じページへ置く方法を案内しています。ga.jsとanalytics.jsは同じページに含められます。
二つのタグには、それぞれのウェブプロパティIDを設定します。従来プロパティへga.jsのデータを送り、新規プロパティへanalytics.jsのデータを送れば、公開中の計測を残したまま試せます。一つのプロパティへ二つのコードを混ぜるのではありません。
既存プロパティ向けの移行ガイドは、公開ベータの発表時点では準備中です。したがって、従来プロパティを直接変換できると見込んで作業を始めません。新しいプロパティ、計測コード、確認用レポートを別に用意します。
Measurement ProtocolはhitをHTTPで送る
Measurement Protocolの公式概要は、利用者の操作を表す生のデータを、HTTPリクエストでGoogle Analyticsのサーバーへ送る仕組みと説明しています。ウェブとサーバーの両方から送れますが、集計済みの表をアップロードする機能ではありません。
一つの送信には、少なくともプロトコルの版v、送信先プロパティのtid、匿名のクライアントを示すcid、操作の種類を示すtが必要です。公式開発ガイドには、pageviewとeventを送る例があります。
| 送信方法 | 主な実行場所 | 判断すること |
|---|---|---|
analytics.js |
ウェブブラウザ | どのページと操作をJavaScriptで測るか |
| Measurement Protocol | サーバーやブラウザ以外の環境 | 何を一件のhitとして送り、どのtidとcidへ結び付けるか |
Measurement Protocolを使っても、サーバー内の記録が自動でGoogle Analyticsへ入るわけではありません。送信する処理、値の対応、送信失敗時の扱いはサイト側で実装します。計測できる場所が増えるほど、何を送ったかを管理する責任も増えます。
公開ベータを試す目的を一つに絞る
新しいサイトで、これから計測を始めるなら、analytics.jsを選ぶ候補になります。既存サイトでga.jsが安定して動いているなら、名称が新しいという理由だけで置き換えません。
まず、次のいずれか一つを導入目的にします。
- 新しいサイトで
analytics.jsによる計測を始める。 - サーバーで発生する一つの操作をMeasurement Protocolで送る。
- ウェブとアプリなど、異なる環境から同じ計測設計へデータを集める。
目的を一つにすれば、確認するhit、対象ページ、実装担当、停止条件を決められます。複数端末、アプリ、オフラインのすべてを同時に扱おうとすると、どの実装で差が生じたかを分けられません。
公開ベータは、正式な移行手順がそろった製品として扱わず、試験範囲と戻し方を決めて使います。新しいプロパティを作ること自体は成果ではありません。既存の判断に必要なデータを失わず、新しい方式で必要なhitを確認できることが導入判断です。
二つのプロパティは同じ条件で比べる
並行計測を始める前に、従来プロパティで使っているページビュー、イベント、eコマースなどを一覧にします。すべてを一度に再現せず、問い合わせ完了や購入完了など、判断に使う計測から優先します。
ga.jsとanalytics.jsを同じ対象ページで動かし、導入日を記録します。次に、同じ期間、同じページ、同じ操作について、両プロパティの受信状況を確認します。プロパティの設定や実装条件が違えば、数値だけを並べても計測方式の差とは判断できません。
差が出た場合は、タグの配信ページ、プロパティID、送ったhitの種類、除外設定を順に確認します。ga.jsを先に削除すると、差の比較相手と戻し先を同時に失います。analytics.js側の問題を直す間も、従来プロパティの計測を残します。
新しいプロパティの所有者と終了条件を決める
新しいウェブプロパティを作ると、プロパティID、計測コード、閲覧権限、設定変更の管理対象が増えます。制作会社や解析担当者へ実装を依頼しても、Google Analyticsアカウントと新規プロパティの所有、管理者の追加と削除、計測停止の判断は事業者側で確認できるようにします。
試験を始める前に、継続する条件と終了する条件を決めます。必要なhitが取得でき、運用担当が二つの設定を管理できるなら範囲を広げます。必要な計測が欠ける、送信処理を保守できない、比較条件をそろえられない場合は、analytics.jsの追加を戻し、従来計測を継続します。
公開ベータを使うかどうかは、機能数では決めません。測りたい操作、二重計測に使える時間、実装とデータを管理する担当者を先に決め、その条件を満たす小さな範囲で試します。
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