Google Analyticsのアドバンスセグメントは訪問を条件で分けて比較する
公開日: 執筆:佐藤
Google Analyticsのアドバンスセグメントは、集計済みの訪問から条件に合う一部を取り出し、全体や別の訪問群と比較する機能です。先に「どの訪問を、何と比べるか」を一文で決めてから、条件を設定します。
アドバンスセグメントを適用しても、保存された元のデータは変更されません。一方、プロファイルのフィルタは収集するデータを分ける設定です。過去の訪問を調べる作業と、今後収集するデータを変える設定を混同しないでください。
アドバンスセグメントとプロファイルのフィルタは役割が違う
Advanced Segmentationの機能説明では、セグメントを、調べたい訪問の部分集合として説明しています。作成したセグメントは複数のレポートへ適用でき、過去のデータにも使えます。
プロファイルのフィルタとの違いは、次のように整理できます。
| 設定 | 対象 | 過去の集計 | 元データへの影響 |
|---|---|---|---|
| アドバンスセグメント | 条件に合う訪問 | 適用できる | レポートの見方を変え、元データは残す |
| プロファイルのフィルタ | 収集するページビュー | 設定前へ遡って適用しない | そのプロファイルへ入るデータを条件で分ける |
たとえば、社内からのアクセスを今後の集計対象から外したいなら、IPアドレスを使うプロファイルのフィルタを検討します。すでに集計された訪問のうち、検索広告から来た訪問だけを各レポートで調べたいなら、アドバンスセグメントを使います。
セグメントは、必要な計測を後から作る機能ではありません。計測コードが入っていなかった期間の訪問や、記録していないキャンペーン情報は、条件を追加しても復元できません。
条件より先に比較する二つの訪問群を決める
条件を作り始める前に、確認したい違いを書きます。たとえば「検索広告から来た訪問と、自然検索から来た訪問で、問い合わせ完了率を比べる」という形です。
この一文には、三つの要素があります。
| 決めるもの | 仮例 | Google Analyticsで使う要素 |
|---|---|---|
| 分ける条件 | 検索広告と自然検索 | メディアなどのディメンション |
| 比べる数値 | 問い合わせ完了率 | 目標のコンバージョン率などの指標 |
| そろえる範囲 | 同じサイト、同じ期間 | プロファイルと日付範囲 |
ディメンションは訪問を分ける軸で、指標はその訪問について数える値です。条件と数値を先に分けると、クリック数が多い訪問、特定のページを見た訪問、問い合わせを完了した訪問などを、同じ意味のまま混ぜずに済みます。
仮例の「検索広告」と「自然検索」は、良し悪しを決める分類ではありません。同じ期間と同じ成果の定義で比較し、違いが見つかった後に、キーワード、リンク先ページ、端末などの条件を追加して調べます。
ANDとORは日本語の条件文を先に書いてから選ぶ
カスタムセグメントでは、ディメンションまたは指標、比較条件、値を組み合わせます。複数条件はANDまたはORで結べます。
先に、対象となる訪問を日本語で書いてください。
- 「メディアがcpcで、問い合わせを完了した訪問」なら、二つの条件を両方満たすANDで結ぶ。
- 「料金ページまたは作業範囲ページを見た訪問」なら、いずれかを満たすORで結ぶ。
ANDを増やすほど、すべての条件を満たす訪問だけに絞られます。ORを増やすと、どれか一つを満たす訪問も含まれます。画面上の条件を見ただけで判断せず、作りたい集合を一文に戻して読めるか確かめます。
条件を作ったら、Test Segmentで該当するデータがあるかを確認し、比較対象が分かる名前で保存します。「調査用1」ではなく、「検索広告の訪問」や「料金関連ページを見た訪問」のように、条件の意味を名前へ残します。
訪問単位の条件は一致したページだけを残すとは限らない
アドバンスセグメントは訪問単位で集計を分けます。たとえば「料金ページを見た訪問」という条件なら、料金ページを一度でも見た訪問が対象です。その訪問で閲覧された別のページも、対象訪問の行動としてレポートへ含まれます。
これは、「URLに/price/を含むページビューだけを一覧から残す」という意味とは異なります。ページ単位で絞った結果だと思い込むと、対象外に見えるURLがレポートへ出た理由を誤解します。
先に決めた問いが、訪問全体の行動を比べるものなら、アドバンスセグメントが使えます。一致したページビューだけを抽出したい場合は、レポート内の絞り込みや別の集計方法と目的を分けます。
全体と並べて差を見つけ、理由は別に確かめる
セグメントを適用したら、同じ期間のAll Visitsと並べて確認します。訪問数だけでなく、問いに合わせてページビュー数、直帰率、目標のコンバージョン率などを見る指標を決めます。
差があっても、セグメントの条件だけが原因とは限りません。検索広告と自然検索では、訪問した日時、使った端末、最初に開いたページ、検索した目的も異なり得ます。アドバンスセグメントは違いを見つける道具であり、原因を自動で確定する機能ではありません。
最初から細かい条件を重ねると、対象訪問が少なくなり、何の違いを見ているかも分かりにくくなります。まず二つの単純な訪問群を比べ、確かめたい理由が見つかったときだけ条件を一つ追加します。
記録には、セグメント名、条件、比較対象、期間、見た指標、分かった差、次に確かめる条件を残してください。集計を外部の担当者へ任せる場合も、この定義と結果はサイト運営者が確認できる形で保管します。
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