AdWordsのReport Editorはdimensionとmetricを決めてからtableやchartを作る
公開日: 執筆:佐藤
AdWordsのReport Editorを使う前に、調べる疑問を一文で決めてください。次に、行を分けるdimensionと、比較するmetricを選びます。chartの種類を先に選ぶと、見栄えは整っても、何を判断するreportなのかが曖昧になります。
端末ごとの成果を調べるなら、deviceをdimensionにし、impressions、clicks、conversionsから判断に必要なmetricsを選びます。最初はtableで値と条件を確かめ、時間による変化や構成比を見せる必要がある場合だけchartへ進みます。
最初に調べる疑問を一文にする
AdWordsのReport Editorに関する公式発表では、custom tableとchartを作り、dataのsegment、sort、filter、pivotを行えると説明されています。
機能を順番に試す前に、reportで決めたいことを書きます。たとえば「deviceごとにclicksとconversionsを比べ、確認すべきcampaignを探す」という一文です。
この一文には、分類する対象、比べる数値、次の行動があります。「成果を詳しく見る」だけでは、dimensionもmetricも選べません。広告費を調整するのか、広告文を見直すのか、配信先を調べるのかによって、必要なreportは変わります。
dimensionで分類しmetricで数える
Report Editorでは、項目をdrag and dropしてtableやchartを作れます。公式発表では、impressions、clicks、conversionsがmetricsの例、device、campaign、ad groupがdimensionsの例として示されています。
| 調べる疑問 | dimension | metrics | 次に確認する対象 |
|---|---|---|---|
| deviceごとの反応を比べたい | Device | ClicksとConversions | 差が大きいCampaign |
| campaignごとの配信量を比べたい | Campaign | ImpressionsとClicks | 対象Campaignの設定 |
| ad groupごとの成果を比べたい | Ad group | ClicksとConversions | Keywordと広告文 |
表は説明用の仮例です。利用するmetricは、accountで設定しているconversionと運用目的に合わせます。数えたい値を増やしすぎると、どの差で行動するか分からなくなります。最初は一つのdimensionと、判断に必要な二つか三つのmetricsへ絞ってください。
dimensionは分類軸です。metricは、その分類ごとに読む数値です。deviceとclicksを同じ種類の項目として並べず、「何ごとに、何を数えるか」という語順で組み合わせます。
tableで差を確かめてからchartを選ぶ
Report Editorではtableのほか、pie chart、bar chart、line chartを作れます。chartはdataの意味を作るものではなく、tableで確認した関係を見つけやすくする手段です。
時間による変化を読むならline chart、項目間の大きさを比べるならbar chart、全体に占める割合を限られた項目で示すならpie chartが候補です。ただし、選んだdimension、metric、期間によって適切な形は変わります。
chartで大きな差が見えても、原因まで確定したことにはなりません。deviceごとのconversionsに差があれば、clicks、費用、conversion設定、対象campaignをtableへ戻って確認します。chartの形だけを根拠に入札を変更しないでください。
filterとsegmentとpivotは一つずつ加える
Report Editorはsort、filter、pivotと複数のsegmentationに対応します。便利だからと同時に重ねると、数字がどの条件で変わったか追えません。
最初に期間、dimension、metricだけでtableを作ります。次に、必要な対象へfilterを一つ加えます。さらに分類を分ける必要がある場合だけsegmentを加え、行と列の関係を入れ替えて読む理由がある場合にpivotします。
条件を追加したら、report名にも残します。「端末別report」ではなく、「Search campaignのDevice別ClicksとConversions」のように、対象、dimension、metricsが分かる名前にします。保存したreportを定期実行する場合も、前回と同じ条件か確認できます。
Reportsタブがなければ提供を待つ
Report Editorは数か月かけて順次提供されます。accountに新しいReportsタブが表示されていれば、定義済みreportを開くか、新しいreportを一から作れます。Reportsタブが見つからない場合、設定ミスと決めつけず、accountへ提供されているかを確認してください。
提供前のaccountで、同じ画面を作るためだけに別の有料toolを契約する必要はありません。まず既存のreportで疑問、dimension、metric、期間を決めておけば、Report Editorが使えるときにも設計を移せます。
report作成と広告判断の責任を分ける
AdWords reportingの公式案内では、成功の定義から分析を組み立て、適切な文脈を与え、reportを行動へつなげる考え方が示されています。
広告運用を委託する場合、担当者はReport Editorでtableやchartを作れます。ただし、何を成果とし、どの費用を許容し、差を見つけた後に何を変更するかは広告主が決めます。reportの作成費と、広告の判断責任を一緒に渡さないでください。
納品では画像だけでなく、対象期間、dimensions、metrics、filters、segments、保存したreport名を受け取ります。同じchartを再現できなければ、翌月との比較や担当者の引継ぎに使えません。
最初の一手は、定例reportで毎回見ている疑問を一つ選び、「何ごとに、何を数え、何を判断するか」と一文で書くことです。その文からdimensionとmetricsを取り出し、tableを一つ作ってください。
関連記事

