• AdWordsのRecommendationsは提案を適用する前に広告の目的と変更記録をそろえる

AdWordsのRecommendationsは提案を適用する前に広告の目的と変更記録をそろえる

公開日: 執筆:佐藤

AdWordsの管理画面に改善案が出ると、すぐに適用したくなる。入札を替える、audienceを加える、広告文を直すといった提案は、作業の候補を見つける助けになる。しかし、提案が表示されたことは、自分のaccountでその変更を行う根拠にはならない。広告で得たい結果、変更する範囲、比較する期間を決めてから判断する。

Googleは3月13日、新しいAdWords experienceでOpportunities pageをRecommendations pageへ作り替えたことを案内した。入札戦略、audience、広告の改善を含む16種類の提案が表示され、accountのperformance scoreも今後示される予定である。同じ発表では、performance graphへ重要な出来事を残すnotesも数週間のうちに提供するとされた。提案と記録を同じ画面で扱えるようになるからこそ、何を変えたかを残す。

提案が答えている問題を先に確かめる

Recommendationsを開く前に、広告で何を増やしたいのかを一つにする。問い合わせを増やしたいのか、電話を増やしたいのか、資料請求を増やしたいのかで、見るべき設定が変わる。click数を増やす提案が出ても、受ける側が対応できない問い合わせばかり増えるなら、事業の目的には合わない。

たとえば、予約を受ける広告なら、必要なのは予約フォームの送信や電話の受付である。広告文を増やす提案が出たときは、まず新しい広告文が、予約できる条件と同じことを伝えるかを見る。入札を自動化する提案が出たときは、何をconversionとして数えているかを見る。pageを開いただけの行動をconversionにしているなら、予約を増やすための入札にはならない。

提案の名前から判断しない。画面に「最適」と書かれていても、その言葉が自分の費用、受付時間、在庫、対応力まで知っているわけではない。提案が変えようとする項目と、広告で達成したい結果を並べる。結び付かない場合は、適用しない理由がある。

変更する範囲をcampaign単位で決める

一つのaccountには、違う目的のcampaignが混ざりやすい。新規客を集める広告、既に名前を知っている人向けの広告、季節限定の広告では、同じ提案でも意味が違う。Recommendationsを見てaccount全体へ同じ変更を入れる前に、どのcampaignへ適用するかを決める。

最初に、対象のcampaign名、広告の目的、使う予算、link先pageを書き出す。次に、変更しないcampaignも決める。たとえば、繁忙期だけ配信する広告や、現在比較中の広告は、提案を受けてもすぐに変えない。比較条件が途中で替われば、何が成果に影響したか分からなくなる。

audienceを加える提案でも同じである。誰へ広告を見せたいのかを、登録する語句や興味の名前だけで決めない。初めて探している人へ案内するのか、以前にsiteを見た人へ案内するのか、検討を続ける人へ条件を伝えるのかを決める。対象を広げれば表示の機会は増えるが、広告文とlanding pageが答える相手まで広がるとは限らない。

範囲を決めたら、一度に複数の提案を適用しない。入札、広告文、audience、link先を同時に変えると、後で数字が動いても原因を分けられない。一つのcampaignで一つの仮説を試し、残りは次の確認まで保留する。早く改善するためにも、変更を少なくして結果を読めるようにする。

変更前の数字と出来事を残す

提案を適用するなら、変更前の状態を残す。少なくとも、変更日、対象campaign、変更した項目、変更前の設定、狙った結果を書き留める。広告の数字だけを保存しても、何を替えたかが分からなければ、次に同じ判断を繰り返せない。

Googleが案内したnotesは、promotionによるclickの増加のような出来事をperformance graphへ残すためのものである。新しい機能を待たなくても、同じ考え方は使える。広告の変更、価格の変更、営業時間の変更、link先pageの更新、季節の要因を、日付と一緒に残す。広告の数字が増減したとき、入札の影響なのか、pageを直した影響なのか、営業日が違うだけなのかを分けて考えられる。

たとえば、広告文を一つ替えた日に、serviceの受付時間も変えたなら、問い合わせの増減を広告文だけの成果と決めない。変更したことと、外から起きたことを別に書く。数字を見る人が後から替わっても、なぜその期間を比べるのかを説明できる。

記録は長い報告書でなくてよい。campaign名、日付、変更内容、理由、次に見る数字があれば足りる。重要なのは、画面に提案が出たという事実ではなく、誰が何のために採用し、何を確認するかを残すことである。

適用後は提案の数でなく結果を確認する

Recommendationsを処理して提案の数が減っても、それだけでは広告がよくなったとはいえない。適用後に見るのは、最初に決めた結果である。問い合わせが目的なら、送信完了だけでなく受信側が対応できたかを見る。電話が目的なら、通話件数だけでなく、受けられた用件かを見る。売上が目的なら、注文の記録と広告費を同じ期間で見る。

確認期間も先に決める。日ごとの上下だけで結論を急ぐと、曜日、祝日、配信時間、競合の動きで判断がぶれる。変更前と後を比べるときは、同じ曜日の並び、同じ営業条件、同じpageを使う。途中で別の変更を入れた場合は、その時点で比較を分ける。

結果が期待どおりでなければ、提案を出した仕組みの誤りと決めつけない。広告の約束とlink先の説明が違うかもしれない。formが使いにくいかもしれない。問い合わせを受ける時間が合わないかもしれない。広告設定だけを何度も替える前に、読者が広告を見てから用件を済ませるまでの経路を確認する。

Recommendationsは、accountの中で見落としている作業を見つける入口である。目的、対象campaign、変更記録、確認期間をそろえれば、提案を使っても判断を手放さずに済む。自動化や改善案を使うほど、何を変え、なぜ変え、何で確かめるかを、運用する側が決める。

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