WordPress 4.9のCustomizer予約公開は設定を作る人と公開を承認する人を分ける
公開日: 執筆:佐藤
WordPress 4.9のCustomizerで設定変更を予約公開するときは、設定を作る人と、公開してよいと決める人を分けます。公開日時を指定できれば、営業時間外にimageやmenuを替えることはできます。しかし、日時を入れたことは、内容が正しいことも、予定時刻に見せてよいことも意味しません。変更の範囲、利用者に見える画面、公開の承認者を先に決めます。
WordPress.orgが10月5日に公開したWordPress 4.9 Beta 1では、Customizerのchangesetを下書きにし、公開日時を指定する機能が案内されています。変更を保存または予約すると、次にCustomizerを開いた利用者は、その変更を読み込んで作業できます。Beta 4も10月25日に公開され、修正と機能の仕上げが続いています。開発中の版を公開siteへ入れるのではなく、まずtest siteで、予約する設定と公開後に見せる画面を確かめます。
予約するのは時刻ではなく一組の変更である
Customizerで扱う変更には、site title、header image、menu、widget、色などがあります。これらを別々の作業として触っていると、どの変更がいつ公開されるのか分かりにくくなります。予約公開へ入れるのは、単に日時が同じ変更ではありません。利用者に一つの案内として見せる必要がある変更です。
たとえば、年末の休業案内に合わせてtop pageの画像、営業時間の文章、問い合わせpageへのmenuを替えるとします。画像だけを先に予約しても、営業時間が以前のままなら、利用者はどちらを信じればよいか判断できません。逆に、本文とmenuを公開してから画像だけを替えるなら、画像は案内の意味を変えない範囲に留めます。設定の種類で分けるのではなく、読者に同時に伝える内容で分けます。
一組の変更を小さくする理由もあります。header image、site title、menu、widget、Custom CSSを一度に替えると、予定時刻のあとに表示が崩れた場合、どこから戻せばよいか追えません。休業案内なら、まず案内文と連絡先を扱う変更を一組にし、design全体の見直しを混ぜない方が確認しやすくなります。予約公開は、変更を大きくしてよい理由ではありません。
ここでいう一組は、全pageを同じ時刻に更新するという意味ではありません。たとえば、料金改定の対象が一つのserviceだけなら、関係のない会社案内や採用pageまで触る必要はありません。反対に、top pageから価格pageへ進むlinkがあるなら、価格pageだけを替えて終わりにはできません。変更するpageと、そこへ進む入口を一緒に確かめます。
設定を作る作業と公開の判断を混ぜない
Customizerを操作する人は、設定を保存し、previewで表示を確かめられます。けれども、その人が掲載内容の正しさまで判断できるとは限りません。営業時間、休業日、価格、受付方法、連絡先は、事業の実情を知る人が確認する必要があります。themeを触る権限と、事業上の案内を承認する責任を同じにしません。
確認する対象を、次のように分けます。
| 役割 | 確認する内容 | 決めてはいけないこと |
|---|---|---|
| 設定を作る人 | image、menu、widget、表示位置、link先 | 営業条件や掲載内容の正しさ |
| 内容を確認する人 | 営業日、価格、受付方法、連絡先、案内文 | themeの実装方法だけを見て公開可否を決めること |
| 公開を承認する人 | 変更の範囲、公開日時、確認結果、戻す判断 | previewだけを根拠に公開済みとみなすこと |
小さなsiteでは一人が三つの役割を持つ場合があります。その場合でも、同じ画面を一度見ればよいわけではありません。Customizerを閉じて、公開側のURLを開き、利用者として案内を読みます。次に、掲載内容を実際の営業条件と照らし、最後に予定時刻に公開するかを決めます。操作、内容確認、公開判断を別の順番に置くだけでも、見落としを減らせます。
外部へ作業を頼む場合は、依頼文に「Customizerで変更する」とだけ書きません。変更するURL、変更する項目、公開する日時、確認する人、問題があったときに連絡する先を書きます。作業会社が管理画面へ入れることと、事業者が掲載内容を承認したことは別です。予約公開では、予定時刻の前に連絡が取れる状態も必要になります。
予定時刻の前に公開画面を確認する
WordPress 4.9 Beta 1では、Customizerからfrontend previewへのlinkも案内されています。管理画面の一部だけを見て、公開後の表示を想像しません。予約する前に、変更が出るpageと、利用者がそこへ進むpageを順に開きます。
仮例として、休日の案内を出す場合を考えます。top pageの目立つ場所に短い案内を置き、contact pageの受付日を替え、menuから開けるようにしたとします。このときに見るのは、画像がきれいに出るかだけではありません。small screenで案内が途中で切れないか、電話番号が古いままではないか、問い合わせformの送信先が使えるか、休業日のあとに戻す必要がある表示が混じっていないかを見ます。
確認の順序は、次のように決めます。
- 今回の変更を一文で書き、変更する設定とURLを対応させる。
- previewで、文字、image、menu、buttonが重ならないかを見る。
- 公開側のURLを開き、top pageから必要な案内へ進めるかを確認する。
- 内容を確認する人が、営業条件や連絡先を見て、掲載してよいと判断する。
- 公開を承認する人が、日時、確認結果、連絡先、戻す方法を残して予約する。
この順序は、操作を増やすためのchecklistではありません。公開後に困る場所を、予定時刻の前に見つけるための順序です。予定を入れたあとに気付くと、変更を取り消すのか、時間をずらすのか、手で別のpageを直すのかを急いで決めることになります。公開する案内と確認する画面を同じ単位で扱えば、判断の材料を前もってそろえられます。
予定時刻を過ぎたあとの仕事を残す
予約公開は、指定時刻になれば終わる作業ではありません。公開直後に利用者が見る画面を確認し、意図した案内になっているかを見る必要があります。管理画面で予約済みの状態を見たことと、公開siteで正しく見えることは別です。
予定時刻のあとに確認するURLも、予約する前に決めます。top pageだけでなく、変更したmenuのlink先、検索結果や一覧page、問い合わせpageを開きます。loginした管理者だけに見える画面ではなく、通常のbrowserでも見ます。cacheやbrowserの保存状態によって、管理者の画面と利用者の画面が違って見えることがあるためです。
また、期限がある案内には戻す予定も必要です。休業案内を終える日が決まっているなら、元の営業時間へ戻す変更をいつ作るか、誰が確認するかを決めます。公開した内容を古いまま残すことは、予約公開に失敗した場合だけ起きる問題ではありません。予定どおりに公開できても、終了後の案内を戻さなければ、利用者には誤った情報が残ります。
WordPress 4.9のCustomizer予約公開は、変更を都合のよい時間に出すための仕組みです。目的は、設定を予約することではありません。読者へ正しい案内を、必要な時刻に、迷わせずに見せることです。最初の一手は、次に予約する変更を一文で書き、その案内を確認する人と公開を承認する人を決めることです。
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