• WordPressの更新方法は停止・確認・復旧の手順を先に決める

WordPressの更新方法は停止・確認・復旧の手順を先に決める

公開日: 執筆:佐藤

WordPressを更新するときは、管理画面の更新ボタンを押す前に、作業の順序を決めます。更新理由と影響範囲を確認し、担当、作業時間、バックアップ、更新後の試験、失敗時の復旧方法を一枚へまとめてください。

更新を後回しにし続けるのも、準備せずに始めるのも危険です。必要なのは「更新するか、しないか」という二択ではありません。必要な更新を、戻せる条件の中で実施することです。

更新通知を、作業開始の合図にしない

2012年4月20日に公開されたWordPress 3.3.2は、それ以前の全バージョンを対象とするセキュリティ更新です。WordPress本体に含まれる外部プログラムの更新に加え、権限やクロスサイトスクリプティングに関する問題などを修正しています。

WordPressの公式発表は、管理画面の更新メニューから更新できると案内しています。ただし、更新方法が用意されていることと、公開中のサイトで直ちに作業できることは別です。

まず、通知または公式発表から、次の二点を確認します。

  • セキュリティ上の問題を直す更新か、機能や不具合に関する更新か
  • 現在使っているWordPressが、更新の対象に含まれるか

セキュリティ更新なら、放置する期間を短くします。それでも、バックアップも担当者も決めずに作業する理由にはなりません。確認と準備の期限を決め、終わり次第、更新します。

作業する人と、止められる時間を先に決める

更新作業には、少なくとも三つの判断があります。

判断 決める人 決める内容
作業を始める サイト運用の責任者 実施日、受付や更新を止める時間
技術作業を行う 制作会社または管理担当者 バックアップ、更新、動作確認、復旧
公開を再開する 内容と業務を確認できる人 主要ページと問い合わせ機能を確認し、再開を承認する

小規模な事業では、一人が複数の役割を持っても構いません。ただし、更新ボタンを押せる人が、問い合わせを止めてよい時間や、復旧へ切り替える基準まで自動的に決められるわけではありません。

制作会社へ任せる場合は、「更新してください」だけで終えず、作業中の連絡先と、失敗時にどの状態まで戻すかを確認します。作業の委託と、停止や復旧の判断は分けます。

更新前に、変わるものと残すものを確かめる

5月8日に保存されたWordPress Codexの更新手順は、更新がWordPress本体のファイルとフォルダーへ影響すると警告しています。本体のファイルへ直接加えた変更は、更新によって失われる可能性があります。

更新前に、現在の構成を記録します。

  • WordPressのバージョン
  • 使用中のテーマとプラグイン
  • 本体、テーマ、プラグインへ個別に加えた変更
  • 問い合わせ、予約、注文など、公開再開前に確かめる機能

何を変更したか分からない場合は、その状態自体を未解決事項として扱います。先に制作担当者へ確認し、更新後に残すべき変更を特定してください。

同じCodexの手順は、更新前にデータベースを保存し、プラグインを停止するよう勧めています。プラグインは、WordPressの新しい版へ対応していない場合があり、更新後の問題を避けるためです。

データベースだけでサイト全体を戻せるとは限りません。画像、テーマ、追加したプログラム、設定ファイルを含む保存範囲は、「WordPressのバックアップは何を保存する?」で分けて確認します。

更新後の合格条件を、更新前に書く

「管理画面へ入れた」だけでは、更新の確認は終わりません。公開再開に必要なページと機能を、事業の目的から選びます。

会社案内と問い合わせを目的とするサイトなら、たとえば、次の状態を確認します。これは説明用の例であり、すべてのサイトに共通する固定項目ではありません。

  • トップページと主要な案内ページが表示される
  • 画像と移動先のリンクが正しい
  • 問い合わせを送信でき、受信を確認できる
  • 管理画面で記事を保存できる
  • 携帯端末とパソコンで、主要な操作を完了できる

試験する人、使用する端末、確認結果の記録先も決めます。問い合わせの試験では、送信した日時と内容を残し、通常の問い合わせと区別してください。

確認項目は、更新後に考えるのではありません。更新前に書けば、どの状態なら公開を続け、どの状態なら復旧へ切り替えるかを判断できます。

戻す条件を決めてから、作業を始める

Codexは、更新後に問題が起きた場合、バックアップを復元し、以前の版のファイルへ戻す方法を案内しています。戻せる材料があっても、判断する人と期限が決まっていなければ、停止時間は延びます。

作業前の一枚には、次の順序を書きます。

  1. 公式発表で、更新理由と対象を確認する
  2. 作業担当、実施時間、連絡先を決める
  3. 現在の構成と個別変更を記録する
  4. データベースと必要なファイルを保存する
  5. 公開中のサイトへ影響しない場所で、可能な範囲を先に確かめる
  6. 更新を実施し、決めた項目を試験する
  7. 合格しなければ、修正を続ける期限と復旧へ切り替える条件に従う
  8. 結果、問題、変更した手順を記録する

更新を自社で行うか、制作会社へ依頼するかによって、操作方法は変わります。しかし、必要な判断は変わりません。最初に、いま表示されている更新通知の理由を公式発表で確認し、作業担当者と復旧担当者の名前を書いてください。

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