• リスティング広告の広告グループの分け方はキーワードと広告文を一つの意図にそろえる

リスティング広告の広告グループの分け方はキーワードと広告文を一つの意図にそろえる

公開日: 執筆:佐藤

リスティング広告の広告グループは、商品分類やキーワード数だけで分けません。検索した人が確かめたいことに対して、一つの広告文で一つの約束を示し、その約束をリンク先ページで確認できる範囲を一つにまとめます。同じ広告文とリンク先では正確に答えられないキーワードは、別の広告グループに分けます。

同じ商品名を含むキーワードでも、料金を知りたい人と、納期を知りたい人では必要な答えが違います。一方、表記が違っても、同じことを確かめ、同じ案内へ進むキーワードなら、同じ広告グループで扱えます。分ける基準は語数ではなく、検索意図、広告の約束、リンク先ページの一致です。

ここでは、Google AdWordsの検索連動型広告を扱います。ほかの広告サービスでは、同じ名称や設定方法を使うとは限りません。

キャンペーンからリンク先ページまで、役割を分ける

最初に、五つの役割を分けます。

対象 役割 分ける判断
キャンペーン 日々の予算、対象とする言語や地域、期間など、複数の広告グループに共通する配信条件を持つ 共通条件を別に管理する必要があるか
広告グループ 関連するキーワードと、それに対応する広告文、リンク先ページを一つの管理単位へまとめる 同じ検索意図へ、同じ約束を返せるか
キーワード 広告表示の候補を決めるため、広告主が登録する言葉 どの検索を広告の対象として扱いたいか
広告文 対象となる人へ、提供内容、条件、次にできる行動を伝える そのキーワード群へ、事実に基づく一つの約束を示せるか
リンク先ページ 広告で示した内容と条件を確認できるようにし、次の行動へつなぐ 広告の約束を、クリック後に確かめられるか

キャンペーンと広告グループの構造に関する説明は、キャンペーンと広告グループを、異なる設定を持つ二つの階層として説明しています。日々の予算、言語、地域、期間などはキャンペーンで扱い、個別の広告文、キーワード一覧、リンク先のURLなどは広告グループで扱うという区別です。

したがって、地域や予算を別に管理したい場合は、キャンペーンを分ける候補になります。共通の配信条件は同じでも、検索した人へ示す約束を変える必要がある場合は、広告グループを分ける候補です。

「一つの広告文で一つの約束を示す」とは、広告文を一案しか作らないという意味ではありません。同じ広告グループで複数案を試す場合も、各案が同じ検索意図へ答え、同じ範囲の約束を示すようにします。

商品分類は出発点であり、分割の答えではない

商品やサービスの分類は、広告グループを考える出発点になります。ただし、分類表をそのまま広告の構造へ移しても、検索した人の疑問までは分かりません。

前述の構造に関する説明は、商品やサービスだけでなく、同じサービスが応える用途や目的によっても、キャンペーンや広告グループを分けられると説明しています。検索に表れる検討段階に関する説明も、検索に表れる検討段階を考え、キーワード一覧、広告文、構造を、対象とする人に合わせる考え方を示しています。

広告グループとキーワードの組み立て方は、関連性の高いキーワードを中心に新しい広告グループを作り、狭い主題にまとまったキーワード群へ、広告文と特定のリンク先ページを対応させる方法を案内しています。広告文とリンク先ページに関する説明も、広告文へキーワードを反映し、広告とリンク先ページを一致させるよう勧めています。

そこで本稿では、「検索した人が同じことを確かめたいか」「同じ広告文で正確な約束を示せるか」「同じリンク先ページで、その約束を確認できるか」という三つを、広告グループの判断基準にします。これは商品分類を捨てるという意味ではありません。商品分類の中で、意図と約束が分かれる箇所を見つける方法です。

完全な仮例では、同じ「名刺」でも確かめたいことが違う

次は、分け方を説明するための完全な仮例です。実在する事業者、広告、顧客、検索回数、掲載結果ではありません。

名刺印刷を扱う事業者が、次の三つのキーワードを一つの広告グループへ入れていると仮定します。

  • 名刺 印刷 料金
  • 名刺 印刷 即日
  • 名刺 デザイン 依頼

広告文が「名刺印刷を承ります」、リンク先が名刺サービス全体の案内ページだけなら、三つの検索へ同じ約束を返しているようで、必要な答えは示せていません。料金を探す人は金額と適用条件、即日対応を探す人は受付期限や受け取り条件、デザインを依頼したい人は作業範囲や準備物を確かめようとしているからです。

事業者が各内容を実際に提供し、ページで条件を説明できると仮定すると、次のように分けられます。

広告グループの仮の役割 キーワードの仮例 広告文で示す約束 リンク先ページで確認できること
料金を確認する人向け 名刺 印刷 料金、名刺 印刷 価格 料金と適用条件を確認できる 料金、数量や仕様による条件、注文までの手順
納期を確認する人向け 名刺 印刷 即日 対応の可否と条件を確認できる 受付期限、対象となる仕様、受け取り方法
デザインを依頼する人向け 名刺 デザイン 依頼 デザインを依頼できる範囲を確認できる 作業範囲、必要な素材、確認と注文の手順

この仮例では、料金と価格は表記が違っても、確かめたいこと、広告の約束、リンク先が同じなので、一つの広告グループへまとめられます。反対に、三つとも「名刺」という商品分類に入っていても、必要な答えが違うため、同じ広告文で受けません。

即日対応を実際には提供していない場合は、広告グループを作って表現を工夫する問題ではありません。何を広告の対象にするかを、事業側で先に決めます。検索されているという理由だけで、提供していない内容を広告へ加えてはいけません。

三つの質問で、同じ広告グループに置けるか判断する

キーワードをまとめる前に、次の三つへ順番に答えます。

  1. 検索した人は、同じことを判断しようとしているか。
  2. 一つの広告文で、対象、提供内容、条件、次の行動を正確に示せるか。
  3. 広告から進むページで、その約束をすぐ確認できるか。

三つとも「はい」なら、同じ広告グループで扱う理由があります。一つでも「いいえ」なら、別の広告グループに分けるか、そもそも広告の対象にしないかを検討します。予算、地域、期間などの共通条件まで異なるなら、広告グループではなくキャンペーンを分ける候補です。

Googleの公式資料には、業種を問わず使える「一広告グループ当たりの最適なキーワード数」は示されていません。キーワードが少なくても、異なる意図を混ぜれば広告は曖昧になります。数が多くても、同じ意図と約束に収まり、管理できるとは限りません。固定数へ合わせる前に、三つの質問で関係を確かめます。

広告グループの分割と、ほかの作業を混ぜない

広告グループを分ける作業は、キーワードや広告を見直す他の作業と重なって見えます。それぞれの役割は別です。

作業 決めること
キーワードを選ぶ どの言葉と疑問を広告の対象にするか
マッチタイプを選ぶ 登録キーワードと実際の検索語句を、どの範囲で照合するか
広告グループを分ける どのキーワード群が、広告文とリンク先ページを共有できるか
広告文を書く 対象、提供内容、条件、次の行動をどう伝えるか
検索語句を確認する 実際にどの言葉で広告表示へつながったか
品質スコアを確認する 管理画面の品質表示から、点検する関係をどう選ぶか

本稿は、三つのマッチタイプ、広告文の表現、検索語句レポート、品質スコアの読み方を説明し直しません。それらを扱う前後で、どのキーワードに同じ広告文とリンク先を持たせるかを決める記事です。

一つの広告グループから分け直す

最初からアカウント全体を組み替えず、一つの広告グループを選びます。現在のキーワード、広告文、リンク先ページを保存し、キーワードごとに次の三列を書いてください。

  • 検索した人が確かめたいこと
  • 広告文で示す、確認可能な約束
  • 約束と条件を確認できるリンク先ページ

三列が同じキーワードは、同じ広告グループへまとめる候補です。広告文を広い表現にしなければ一つにできない場合や、リンク先で別の情報を探させる場合は、分ける候補です。

変更する前に、元の広告グループ名、対象キーワード、広告文、リンク先、分ける理由、判断者、作業者、確認日を記録します。分けた後の掲載結果や検索語句は、比較する期間の長さと対象をそろえ、別に確認します。広告グループを細かくしただけで、問い合わせや注文が増えるとは限りません。

まず一つの広告グループについて、三列を埋めてください。数ではなく、三列の一致からまとめる範囲を決めます。

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