• リスティング広告のマッチタイプは部分一致・フレーズ一致・完全一致の違いに応じて選ぶ

リスティング広告のマッチタイプは部分一致・フレーズ一致・完全一致の違いに応じて選ぶ

公開日: 執筆:佐藤

マッチタイプは、AdWordsへ登録したキーワードと、利用者が実際に検索した語句を、どの範囲まで照合するかを決める設定です。部分一致、フレーズ一致、完全一致の違いは、広告の良し悪しではなく、照合範囲の違いです。

予算が限られ、検索語句の確認に使える時間が少ない事業者は、検索意図が明確な語を完全一致またはフレーズ一致で試すところから始めます。部分一致は、登録していない検索語句を見つけられる一方、意図しない検索にも広がり得ます。確認する担当者と見直す日を決められる場合に使います。

ここでは、Google AdWordsを扱います。他社のリスティング広告に、同じ名称や挙動があるとは限りません。

登録する「キーワード」と、利用者の「検索語句」は別のもの

広告主がAdWordsへ登録する言葉がキーワードです。利用者が検索欄へ入力した言葉は、検索語句です。マッチタイプは、この二つを照合する範囲を指定します。

たとえば、広告主が「オフィス 清掃」を登録しても、利用者が同じ二語だけで検索するとは限りません。地域、料金、依頼したい時期などを前後へ加える場合があります。別の呼び方を使う場合もあります。

ここで決めるべきなのは、検索語句をどこまで広告表示の候補に含めるかです。マッチタイプを広くすれば、問い合わせが自動的に増えるわけではありません。狭くすれば、無駄な費用が自動的になくなるわけでもありません。

部分一致・フレーズ一致・完全一致の違い

次の例は、違いを説明するための完全な仮例です。実在する広告、実際の配信記録、顧客の検索語句ではありません。また、2012年5月に開始が予告された、綴り間違いなどへの照合拡張は、次節で分けて扱います。

マッチタイプ 仮例の登録方法 基本的な照合範囲 運用上の役割
部分一致 オフィス 清掃 同じ語を含む検索だけでなく、類義語、単数形・複数形、関連する変化形、そのキーワードを含む語句などへ広がり得る 想定していなかった検索語句を見つける
フレーズ一致 "オフィス 清掃" 登録した語順のフレーズを含み、その前後に別の語が付く検索も対象になり得る 中心となるフレーズを保ちながら、前後の条件語を受ける
完全一致 [オフィス 清掃] 登録した語と同じ検索語句を基本とし、前後に別の語を加えた検索へは広げない 検索語句を限定して試す

部分一致に関する説明は、完全に同じ綴りだけでなく、類義語、単数形・複数形、関連する変化形、そのキーワードを含む語句などへ広がるとしています。

フレーズ一致では、仮例の "オフィス 清掃" に対し、「東京 オフィス 清掃」や「オフィス 清掃 料金」のように、中心のフレーズを保ったまま前後へ語が付く検索が候補になります。完全一致の [オフィス 清掃] は、前後へ別の語を足した検索まで含めるための設定ではありません。

ただし、完全一致にすれば、曖昧なキーワードの意味まで明確になるわけではありません。[清掃] と登録しても、誰が、何を、どこで清掃したいのかは分かりません。事業の対象を表すキーワードを選ぶ仕事と、マッチタイプで範囲を指定する作業は別です。

フレーズ一致と完全一致は、照合範囲の変更途中にある

Googleは4月17日、フレーズ一致と完全一致について、綴り間違い、単数形・複数形、語幹変化、アクセント記号、略語など、表記の近い検索語句にも、「5月中旬から」照合を広げると発表しました。同記事は、これまではフレーズ一致と完全一致が、これらの検索語句へ自動では広がらなかったと説明しています。

この公式発表は、全アカウントが一律に切り替わる日付までは示していません。照合方法を調整する設定も、今後数週間で提供を始めるとしています。そのため、すべてのアカウントが変更後の挙動になったとは、まだ断定できません。

広告を管理する場合は、管理画面に表示されている照合設定と、実際に広告を表示させた検索語句を確認します。上の仮例も、綴り間違いなどを含むかどうかではなく、部分一致、フレーズ一致、完全一致の基本的な役割を示すために使っています。

選ぶ基準は、広さよりも目的と確認体制に置く

完全一致は、試したい検索語句が具体的な場合に使う

商品、サービス、地域、依頼内容を含む具体的な検索語句が分かっているなら、完全一致から試せます。どの検索語句へ費用を使うかを限定しやすいため、最初の予算上限が小さい場合にも扱いやすい方法です。

ただし、完全一致だけでは、事前に思い付かなかった検索語句を拾いにくくなります。検索される言い方を十分に把握していない場合は、候補を増やす別の方法が必要です。

フレーズ一致は、中心語を保ち、前後の条件を受けたい場合に使う

サービスを表す中心のフレーズは決まっているが、地域、料金、対象など、利用者が加える条件までは一つに絞れない場合があります。そのときは、フレーズ一致で前後の語を受けます。

語順が変わる検索や、中心のフレーズを含まない別表現まで、同じように拾うための設定ではありません。必要な検索まで外れる場合は、部分一致へ一度に広げる前に、別の具体的なキーワードとして登録できないかを考えます。

部分一致は、検索語句を発見し、選別できる場合に使う

利用者の言い方が分からず、候補を探す必要があるなら、部分一致には役割があります。ただし、部分一致を使う仕事は、登録して終わりではありません。

検索語句レポートに関する説明は、AdWordsで、どの検索語句が広告を表示させたかを確認できると案内しています。部分一致の運用に関する説明も、検索語句を確認し、関係のない語句を広告表示の対象から外すことを勧めています。

したがって、部分一致を選ぶ前に、検索語句を見る担当者、確認日、対象外とする条件を決めます。確認できないなら、広く配信してから考えるのではなく、説明できる範囲の完全一致またはフレーズ一致から始めます。

一つのキーワードで、選び方を決める

最初に、広告で届けたい商品またはサービスを一つ選びます。次に、その広告で受けたい検索と、受けたくない検索を文章で書きます。

受けたい検索語句を具体的に書けるなら、完全一致を候補にします。中心のフレーズは決まっており、前後の条件語を受けたいなら、フレーズ一致を候補にします。検索する人の言い方を発見する必要があり、検索語句を確認して対象外の語を除けるなら、部分一致を試す理由があります。

配信後は、登録したキーワードだけで判断してはいけません。実際に広告を表示させた検索語句を見ます。事業と関係のない語句は対象から外し、受けたい検索語句は、より具体的なキーワードとして管理するかを判断します。費用や成果を比べるときは、同じ期間と同じ成果の定義を使います。

マッチタイプは、広告運用の目的ではありません。誰のどの検索へ広告を出し、何を成果として数えるかを決めたうえで、その範囲を管理するために使います。まず一つのキーワードについて、完全一致、フレーズ一致、部分一致のどれを選ぶか、その理由と確認担当者を書いてください。

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