Universal AnalyticsのData Importは結合keyと追加する外部データを分けて設計する
公開日: 執筆:佐藤
Universal AnalyticsのData Importを使う前に、Google Analytics側のデータと外部データを結ぶkeyを一つ決めます。外部ファイルへ詳しい情報を並べても、両方に同じkeyがなければレポートでは結び付きません。
結合keyと、結合後に追加したいdimensionまたはmetricを分けてください。Data Setはその対応関係を管理する器であり、CSVファイルを置くだけの保管場所ではありません。
結合keyは両方のデータに存在する値を選ぶ
Data Importでは、自社のCRM、商品台帳、在庫データなどをGoogle Analyticsへ取り込み、計測済みのデータと結び付けます。5月にDimension Wideningから名称と範囲が広がり、商品情報、返品情報、顧客の嗜好などを取り込めるData Importとして発表されました。
結合keyには、Google Analyticsがhitとともに受け取っている値と、外部システムが保持している値の両方にあるものを使います。
| 役割 | 商品データの例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 結合key | 商品IDまたはSKU | Google Analyticsと商品台帳で同じ値か |
| 外部dimension | ブランド、商品分類 | 結合後に分類軸として使うか |
| 外部metric | 商品に付随する数値 | 定義と単位がそろっているか |
商品IDがGoogle AnalyticsではA-001、商品台帳ではA001なら、見た目が近くても同じkeyではありません。大文字と小文字、記号、前後の空白、欠損値を確認します。
Data SetとUploadは器とファイルの関係にある
管理画面にあるData Setは、Data ImportのManagement APIではCustom Data Sourceというresourceとして扱います。Data Setは、Google Analyticsのpropertyへ関連付ける外部データの入れ物です。Uploadは、そのData Setへ送った一つのファイルを表します。
| 対象 | 役割 | 変更前に決めること |
|---|---|---|
| Data Set | 取込対象と結合方法を定め、Uploadをまとめる | 何のデータを、どのkeyで結ぶか |
| Upload | Data Setへ送る個別ファイル | 列、値、文字コード、対象範囲 |
| Report | 結合後のdimensionとmetricを使う | 何を比較して判断するか |
一つのData Setへ、商品情報、返品情報、広告費を混ぜません。目的と結合keyが違うデータはData Setを分けます。ファイル名が一つであることより、同じ規則で結合できることを優先します。
Uploadの処理状態は、最初にPENDINGとなります。検証と処理が終わればCOMPLETED、失敗すればFAILEDになります。送信のHTTP応答だけで完了とせず、処理状態とerrorを確認します。
商品台帳の仮例ではkeyを一列目に置いて確認する
説明用として、商品台帳の情報を追加する場合を考えます。Google Analyticsのecommerce dataには商品IDがあり、自社の商品台帳には同じ商品IDとブランド、商品分類があります。
- Google Analyticsで受け取っている商品IDの形式を確認する。
- 商品台帳から、同じ形式の商品IDを取り出す。
- 商品IDを結合keyとし、ブランドと商品分類を追加する列にする。
- 一部の商品だけを使い、小さなUploadで結合結果を確かめる。
商品IDを送っていないhitへ、商品台帳だけから商品IDを推測して付けることはできません。先に、サイトまたはアプリから結合keyを正しく送っているかを確認します。
ブランドや商品分類も、名称の揺れを残したまま取り込めば、レポートでは別の値として分かれます。外部データを送る前に、keyだけでなく、追加する値の正本と更新担当を決めます。
Cost Data UploadはData Importの用途の一つである
Cost Data Uploadは、Google以外の有料campaignから費用、click、impressionなどを取り込み、Google Analyticsの行動や成果と比べる用途です。Data Import全体と同じ意味ではありません。
Data Importは、Product Data、Refund Data、Cost Dataを別の用途として扱います。Cost Dataでは、日付、source、mediumなどのkeyが既存行と一致した場合に、加算するか上書きするかという固有の設定があります。この規則を商品データへそのまま当てはめません。
| 比較 | Data Import全体 | Cost Data Upload |
|---|---|---|
| 対象 | 外部のdimensionまたはmetric | 非Google有料campaignの費用など |
| 結合key | Data Setの種類と目的で決める | 日付、source、mediumなど |
| 主な判断 | 何を既存データへ追加するか | 広告費と行動、成果をどう比べるか |
広告費を取り込みたいだけなら、Cost Data用のData Setを使います。商品属性を増やしたい場合に、utm parameterや広告費の列を結合keyとして流用しません。
過去データへ結ぶ機能の提供範囲を確認する
通常の取込と、すでに処理済みのGoogle Analytics dataへ外部データを結ぶことは分けて考えます。Query Time modeは、処理済みdataへのdimensionやmetricの追加、取込済みdataの訂正などに使えますが、Google Analytics Premium利用者向けのallowlist releaseです。
Data Importの一部機能は、まだすべての利用者へ提供されていません。必要なData Set typeと結合方式が対象propertyで選べるかを、CSV作成前に確認します。使えない機能を前提に取込処理を作っても、運用は始まりません。
最初の一手は、外部データから一行を選び、結合key、追加するdimension、追加するmetric、値の正本を四列の表にすることです。そのkeyがGoogle Analytics側のdataへ実際に届いていると確認できたら、Data Setと小さなUploadを作ります。
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