Google Analyticsのレポートは数字の担当者でなく次の行動の担当者を決める
公開日: 執筆:佐藤
Google Analyticsのレポートは、数字を出す担当者だけで終わらせず、次に確認し直すページと担当者を決めます。数字を集めても、誰が何を直すかが決まらなければ、次月も同じレポートを眺めるだけになります。
Googleは、データからパターンを見つけ、仮説を立て、確かめ、結果を行動へ移すことを計測の課題として挙げています。小さなサイトでも、毎週多くの指標を並べる必要はありません。数字に変化があったページを一つ選び、調べる人と次の確認日を決めれば、レポートは作業の入口になります。
レポートの目的は、数字を説明することだけではありません。数字を見たあと、何もしないのか、pageを読むのか、広告の設定を確認するのか、受付の状態を確かめるのかを決めるために使います。変化が小さく、すぐに直す必要がない場合にも、「次回まで同じ条件で見る」と決めれば、結論を急がずに済みます。行動しない判断も、条件を確認した結果として残します。
一人が数字、内容、公開をすべて担当できるsiteもあります。その場合でも、役割を頭の中だけで混ぜない方がよいです。数字を見た段階では仮説を書き、pageを読んだ段階では確認した事実を書き、公開する段階では変更内容と日付を書きます。同じ人の作業でも順番を分ければ、思いつきで本文を替えて理由を失うことを防げます。
数字、仮説、作業を一行ずつ残す
| 記録するもの | 例 |
|---|---|
| 変化した数字 | 問い合わせページへの自然検索セッションが減った |
| 確認する仮説 | 検索結果で選ばれにくくなったか、ページ内で迷われているか |
| 次の作業 | タイトル、本文の結論、フォームまでのリンクを確認する |
| 担当者と期限 | 内容を確認する人と、再確認する日 |
説明用の仮例として、ある案内ページのセッションが前月より減った場合を考えます。数値の担当者が「減少」と報告するだけでは、広告、検索、ページの内容、計測のどこを確認するかが決まりません。まず同じ期間、流入元、ページをそろえ、次に確認する場所を一つ決めます。
たとえば、自然検索からの入口が減ったと仮定します。最初の確認は、同じ検索語での表示、タイトル、本文の最初の説明かもしれません。ページに来る人は減っていないのに問い合わせが減ったなら、確認する場所はフォームや案内の順番です。同じ「減少」でも、どの数字が減ったかで次の作業は変わります。
数字を見た人が、すぐに原因を言い切る必要はありません。ここでは「何が原因か」を確定するのでなく、次に確かめる仮説を一つ決めます。広告の流入が減ったのか、検索結果から選ばれにくくなったのか、ページの中で次へ進まれなくなったのかは、見る数字も確かめる場所も違います。仮説を並べすぎると、誰も確認しないまま次のレポートになります。
仮説は、数字から自然に出る範囲へ絞ります。自然検索のsessionだけが減っているなら、広告費の変更を最初の原因にしません。pageへの訪問は変わらずform送信だけが減っているなら、検索順位の変化よりformや案内を確認します。一つの数字から考えられることは複数ありますが、次に確認する場所を一つにすれば、作業の結果を次のレポートで見返せます。
説明用の仮例で、問い合わせpageの完了数が減り、同時に広告からの訪問も減っている場合を考えます。このとき、formだけを直せばよいとは限りません。広告の配信、広告文、link先、formの各段階を順に見ます。反対に広告からの訪問は増え、form送信だけが減っているなら、広告を増やす前にformの必須項目、送信後の画面、問い合わせを受ける案内を確認します。数字の組み合わせで、最初に開くpageや設定を変えます。
変化の大きさより比較条件を先にそろえる
前月より数字が増えた、または減ったというだけでは、すぐにページを直す理由になりません。比較する期間、流入元、ページ、変更日をそろえてから、変化を見ます。月初と月末では日数が違うことがあります。広告を止めた日や、本文を直した日が期間に入っていれば、同じページでも条件が変わります。
| 比較する前にそろえること | 確認する理由 |
|---|---|
| 期間 | 曜日や日数の違いを、ページの変化と取り違えないため |
| 流入元 | 自然検索、広告、ほかのリンクからの訪問を混ぜないため |
| 対象ページ | 別の案内ページの変化で判断しないため |
| 変更日 | 直した内容と数字の変化を照合するため |
たとえば、問い合わせページを直した翌日に数字が動いても、それだけで修正の結果とは決めません。変更した内容、確認する期間、ほかに変えた広告や案内を残しておけば、次の確認で判断材料が増えます。数字が十分にそろわない場合は、結論を急がず、次の確認日を決めます。
比較の条件がそろわないレポートは、作業を止めるためのものではありません。何が違うかを残し、今回の数字を参考にする範囲を決めます。月の途中で広告を始めたなら、前月の一か月分と単純に比べません。年末の営業時間を替えたなら、前年の同じ週をそのまま基準にしません。比較できない理由が分かれば、次に同じ条件を用意することができます。
変更後に再確認するときは、直したpageだけでなく、link元や完了までの流れも開きます。titleを直したなら、検索から来た人が最初に読む説明と内部linkを確認します。formを直したなら、案内pageからformへ進み、送信後の状態を確認します。数値だけで改善を判断する前に、利用者が通る経路が意図どおりかを確かめます。
レポートを受け取る人と直す人を分けて書く
外部の運用者がレポートを作る場合も、サイトの内容を直す人、公開を承認する人、問い合わせを受ける人は別かもしれません。数字の共有先と修正の責任者を分けて記録します。レポートを出すことと、ページを変える決定をすることは別です。
| 役割 | 決めること |
|---|---|
| 数字を確認する人 | 比べる期間、流入元、ページをそろえる |
| 内容を確認する人 | タイトル、本文、リンク先が疑問へ答えているかを見る |
| 公開を決める人 | 変更する範囲と公開日を決める |
| 次回確認する人 | 変更日を残し、同じ条件で数字を見直す |
担当者の名前だけでは足りません。どのページを、何の仮説で、いつまでに確認するかまで書きます。作業が終わったら、変更日と内容を残し、同じ条件の数字をもう一度確認します。数字の変化が作業の結果かを考えるときも、比較条件をそろえなければ判断を急げません。
作業の担当者が、ページを変える権限を持たないこともあります。その場合も、確認した事実、直す候補、公開を決める人を分けて残します。数値を受け取る人が曖昧な承認を出すより、何を直すかを一度文章で確定してから公開する方が、次の比較にも使えます。
外部の解析担当へレポートを頼む場合は、数字を送る相手だけを決めません。内容を確認する人、技術的な修正を行う人、公開を承認する人、問い合わせの状況を知る人を区別します。解析担当がpageの問題を見つけても、料金や受付条件を決める人とは限りません。作業の提案と公開の決定を分ければ、数字から得た気づきを、事業上の約束を崩さずに使えます。
次回のレポートでは、前回の仮説と作業を先に見返します。何を直し、どの日に公開し、どの条件で数字を比べると決めたかが残っていれば、新しい数字を過去と混ぜずに読めます。数字の一覧を毎回作り直すより、前回から続く一つの確認を終える方が、改善作業としては価値があります。
最初の一手は、次の定例レポートで「数字」「仮説」「確認するページ」「担当者」を一組だけ書くことです。数字を報告する書類から、次に確認する作業の記録へ変えます。
関連記事

