AMPのアクセス解析は通常pageと別propertyで測り利用者数を混同しない
公開日: 執筆:佐藤
AMP pageをGoogle Analyticsで測るなら、通常のHTML pageとは別propertyで始めます。AMP pageは複数のcontextやcacheから表示されることがあり、同じ人がAMP版とHTML版を見た場合でも、別の利用者として数えられる可能性があります。計測タグを入れることと、二つのpageの数字を足して読者数を出せることは別です。
まずはAMPだけのpageview、読まれた記事、必要な操作を分けて見ます。通常pageの数字と比べるなら、同じ記事、同じ期間、同じ指標を並べます。利用者数が二重に数えられる可能性を残したまま、AMPとHTMLの利用者を合算して「読者が増えた」と報告してはいけません。
AMP pageとHTML pageの数字を足し算しない
Google Analyticsの2016年1月の案内は、<amp-analytics> componentでpageview、event、custom dimensionsを記録できると説明しています。同時に、AMP pageは異なるsyndication cacheを含む複数のcontextで表示されることがあり、AMP版とHTML版を訪れた一人を別々の利用者として扱う場合があると案内しています。GoogleがAMP計測用に別のGoogle Analytics propertyを勧める理由は、ここにあります。
propertyを分けるのは、数字をきれいに見せるためではありません。AMPで何が読まれたかを把握する数字と、通常pageで何が読まれたかを把握する数字を、混ぜずに残すためです。片方の数字が上がったとき、ページ形式の違い、リンクの入口、記事内容の違いを確認できなければ、改善の判断には使えません。
| 比べるもの | 分けて見る理由 | 合算してはいけない理由 |
|---|---|---|
| AMP pageviewとHTML pageview | 表示されるpage形式と入口が異なる | 同じcontentを別形式で見た分が含まれる |
| 利用者数 | 同じ人が別々に数えられる可能性がある | 実際に何人増えたかを示せない |
| event | 操作の有無と記録方法を確認する | event数だけでは利用者数にならない |
| content別の閲覧 | 読まれた記事を確認する | pageviewの増減だけでは内容の評価にならない |
たとえば、ある記事のAMP pageviewが増え、HTML pageviewが減ったとします。この二つの数字だけでは、読者が増えたのか、表示される形式が変わっただけなのかを決められません。検索からAMP版へ来る人が増えたのか、通常pageへのリンクが変わったのか、cacheからの表示が増えたのかを分けて確認します。結論を急ぐより、どの入口からどの形式が読まれたかを記録する方が先です。
最初に測る対象を絞る
AMP Analyticsでは、custom JavaScriptをpage内へ散らすのではなく、componentの設定でtriggerを定義します。記録できるからといって、押せる場所すべてへeventを付ける必要はありません。計測する操作が、次に何を変える判断へ使うのかを決めてから設定します。
最初はpageviewと、一つのeventで十分です。たとえば本文から問い合わせページへ進むことを見たいなら、そのリンクを押した回数を記録します。単にリンクが多く押されたからといって、問い合わせが増えたとは言えませんが、読んだ後にどこへ進んだかは確認できます。問い合わせ完了を測りたいなら、AMPのeventとは別に、完了画面または事業側の記録を確認する必要があります。
- AMP pageで最初に見る指標を、pageviewと一つのeventへ絞る。
- AMP用propertyと通常page用propertyの名前、所有者、閲覧権限を記録する。
- 同じ記事のAMP版とHTML版を開き、それぞれのpropertyへhitが入るかを確認する。
- 利用者数を単純に合算せず、page形式ごとの数字としてreportへ残す。
- eventが増減したとき、どのページ、どのリンク、どの期間を比べたかを残す。
ここでいう確認は、管理画面で設定を保存できたかを見るだけでは足りません。公開したAMP pageを実際に開き、pageviewがAMP用propertyへ、通常pageのpageviewが通常用propertyへ入るかを確認します。eventも同じです。設定したつもりで別propertyへ送っていれば、後からreportを分けても比較条件は戻りません。
数字の所有者と報告の単位を決める
計測設定を外部へ頼む場合は、propertyの所有者、閲覧権限、設定を直す人を分けて残します。制作会社のaccountだけにpropertyを置くと、契約が終わった後に、どのpageをどう測っていたかを確認しにくくなります。AMPを作る作業と、数字を持ち続けることも別です。
reportには「AMPの利用者数が増えた」とだけ書かず、AMP propertyのpageview、HTML propertyのpageview、比較した記事、期間、eventの定義を残します。二つのpropertyを分けた時点では、全siteの重複を除いた利用者数を出すためではなく、形式ごとの動きを混ぜずに読むためのreportになります。
数字を報告する人と設定を直す人が違う場合は、property名だけでなく、どちらがAMP用かを記録します。名前が似ているpropertyを取り違えると、正しい比較をしているつもりで、別のサイトや別の期間の数字を並べることになります。比較表には取得日も残し、後から同じ条件で見直せるようにします。
最初の一手は、AMP対応した記事を一件選び、AMP property、HTML property、pageview、event、確認日を同じ表へ書き出すことです。数字が動いたときに、どの形式の何を見ているかが分かれば、次に直すページやリンクを判断できます。
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