Google Analyticsのキャンペーンは始める前に測る行動と判断を決める
公開日: 執筆:佐藤
Google Analyticsでキャンペーンを測るときは、始める前に、何を成果と数えるか、その数字を見て何を変えるかを一組で決めます。セッションを増やすことと、資料請求や予約まで進む人を増やすことは同じではありません。キャンペーンが終わってからレポートを開くと、数字があっても、広告、リンク先、申込みのどこを直すべきか決めにくくなります。
Googleは、キャンペーンの方針を作る段階から計測目標を決めなければ、必要なデータを集められず、何が働いたかも分からなくなると案内しています。計測は広告運用の後始末ではありません。広告文、リンク先、申込みの受け方を決める時点で、記録する行動と担当を決めます。
計測の準備で最初に確認するのは、数字を増やすことではなく、数字が何を表すかです。フォームを開いた回数は、相談を始めた人の数とは違います。送信完了のpageを見た回数も、同じ人が何度も送った場合や、送信後の確認ができていない場合には、そのまま受注の数にはなりません。記録する行動の名前と、事業で使う言葉をそろえます。
campaignの目的が一つでも、利用者は一度で完了しないことがあります。広告を見て商品を調べ、別の日に電話をかける人もいます。そのため、途中の行動と完了をどちらも確認します。ただし、途中の行動を多く集めることを主な目的にしません。どの段階が弱いときに、何を確認するための数字かを先に決めます。
集客、サイト内行動、完了を混ぜない
一つの数字でキャンペーンを判断しないために、確認する行動を三段階へ分けます。
| 段階 | たとえば何を測るか | その数字で決めること |
|---|---|---|
| 集客 | キャンペーン別のセッション、広告から来たページ | 広告が想定した入口へ人を送れているか |
| サイト内行動 | 商品説明、料金表、問い合わせ案内を読んだか | リンク先の内容で次の判断に進めているか |
| 完了 | フォーム送信、電話予約、購入完了など | 目的に近い行動が起きたか |
資料請求を増やすキャンペーンなら、広告のクリックやセッションは入口の数字です。資料請求の完了だけで全てを決める必要はありませんが、資料請求を目的にしたキャンペーンを、ページビューだけで良し悪しと決めることもできません。反対に、読み物を広く読んでもらうことが目的なら、短時間でフォームへ進むかどうかを主な判断にしてはいけません。
説明用の仮例として、事業者向けの資料を案内するpageへ広告を出す場合を考えます。入口では、どの広告や検索語からpageへ来たかを見ます。site内では、資料の内容や利用条件を読むpageまで進んだかを見ます。完了では、資料請求formを送信できたかを見ます。入口だけが増えても、資料を必要としない人が多ければ、広告の対象や約束を見直します。資料pageまで読まれていても送信がないなら、内容、条件、formの項目を確認します。
この三段階は、数を増やすための漏斗図を作ることが目的ではありません。数字が弱い場所を見つけ、直すべき場所を広告、page、受付のどれかへ絞るための順序です。site内の行動が少ないときに広告費だけを増やしても、説明が足りない問題は残ります。form送信が急に減ったときに広告文だけを替えても、formの動作が止まっていれば解決しません。
先に決めるのはレポートの形ではなく判断の順番
説明用の仮例として、新しいサービスの案内ページへ広告を出す場合を考えます。開始前に、次の順番を決めます。セッションが少なければ広告文と対象語を確認する。セッションはあるのに案内ページの次へ進まれなければ、ページの最初の説明とリンクを確認する。問い合わせが少なければ、フォームの入力項目と送信完了を確認する。この順番があれば、数字の変化を見たときに、最初に直す場所を一つへ絞れます。
広告文、リンク先、フォームを同じ日に変えると、次に数字が動いても、何が理由だったか分かりません。変更する場所、変更日、比べる期間を残してから、次の数字を見ます。比較する期間も、曜日、配信日、キャンペーンの段階が違えば、同じ意味の数字にはなりません。
計測を担当する人とページを直す人が別でも、完了の定義は共有します。フォームを開いた人を問い合わせと数えるのか、送信が完了した人を数えるのかで、レポートの意味が変わるからです。数字を受け取る側が、その定義を知らないまま判断してはいけません。
完了を記録する場所も確認します。送信後のpageを表示した時点で数えるなら、実際に送信後のpageへ進めるかを試します。電話で受ける相談を完了に含めるなら、Google Analyticsの数字だけでなく、電話を受ける側の記録とどう並べるかを決めます。広告の管理画面、Google Analytics、受付表の数字は、同じ名前であっても集計方法が違うことがあります。数字を足す前に、一件が何を指すかを確認します。
計測の設定を外部へ依頼する場合は、tagを置くpageだけでなく、何を完了として記録したいかを伝えます。制作担当がform送信を測れるようにしても、資料請求の内容や返信を受ける責任までは決められません。事業側は、どの相談を受けるのか、完了を確認する人は誰かを決めます。計測の実装と、事業上の成果の判断を分けます。
実装前に一枚のメモへ置く
キャンペーンを始める前に、次の五つを一枚へ書きます。
- キャンペーンで達成したいことを一つ書く。
- 入口として見るページと流入元を書く。
- サイト内で確認したい行動を一つか二つ決める。
- 完了と数える行動、その判定場所、担当者を書く。
- 見直す日と、数字が弱いときに先に確認する場所を書く。
このメモは、立派なレポートを作るための書類ではありません。数字が出たあとに、誰が何を直すかを決めるためのものです。最初の一手は、次のキャンペーンで一番重要な完了行動を一つ決め、Google Analyticsで記録できる位置を確認することです。
campaignを始めたあとに変更が必要になった場合は、メモへ変更日と理由を加えます。広告文、予算、link先、formを同じ日に替えれば、数字が変わっても理由を一つに決められません。緊急の誤記や受付停止はすぐ直す必要がありますが、改善のために替える項目は、何を確かめるために替えるのかを残します。比較する期間も、開始前に決めた日数や曜日とそろえます。
終了後は、最初に決めた判断の順番へ戻ります。入口の数字が少なかったのか、page内の説明で止まったのか、完了へ進めなかったのかを順に見ます。数字が増えたことを成果、減ったことを失敗と急いで決めず、どの段階で何が変わったかを確認します。次のcampaignでは、確認できた一つの問題から広告、page、受付のいずれかを直します。
数字が増えても、目的に近い行動が増えなければ、キャンペーンが成功したとは限りません。一方、短い期間だけの数字で、広告やページをすぐ失敗と決めることも危険です。期間、対象、変更日をそろえ、決めた順番で確認します。
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