Google AnalyticsのMulti-Channel Funnelsは終点とアシストを分けて読む
公開日: 執筆:佐藤
Google AnalyticsのMulti-Channel Funnelsでは、コンバージョン直前のチャネルと、それ以前に接点となったチャネルを分けます。最後の接点だけで流入経路を評価すると、比較や再訪を支えたチャネルが見えません。
ただし、アシストの数を見つけただけで、そのチャネルが成果の原因だとは決められません。先に一つの目標を選び、Assisted Conversionsで役割を比べ、Top Conversion Pathsで接点の順番を確認します。
通常の参照元レポートとコンバージョン経路は答える疑問が違う
通常の参照元レポートは、訪問をどの参照元やキャンペーンへ割り当てたかを確認するために使います。Multi-Channel Funnelsは、目標の完了やeコマースの取引に至った接点を、コンバージョン経路として確認するためのレポートです。
GoogleによるMulti-Channel Funnelsの説明では、コンバージョン前30日間のクリックや参照を経路として扱います。Paid Search、Organic Search、参照元サイト、メールなど、複数のチャネルが同じコンバージョンへ至るまでにどう重なったかを見られます。
利用するには、Google Analyticsで目標またはeコマースの計測が必要です。訪問数だけを記録していても、どの行動をコンバージョンとして読むかは決まりません。問い合わせ完了と資料の閲覧を同じ成果として扱わず、確認する目標を一つ選びます。
Assisted Conversionsは終点と途中の接点を分ける
Assisted Conversionsでは、チャネルの役割を三つに分けます。
| 役割 | レポート上の考え方 | 判断するときの注意 |
|---|---|---|
| First Interaction | コンバージョン経路の最初の接点 | 最初に記録された接点であり、認知の原因すべてではない |
| Assist Interaction | 経路上にある、終点以外の接点 | 同じコンバージョンで複数チャネルがアシストになる |
| Last Interaction | コンバージョン直前の接点 | 途中の比較や再訪を単独で説明しない |
Google Analytics Helpのチャネル貢献度に関する説明では、経路の最後以外に現れたチャネルを、そのコンバージョンのアシストとして数えます。最後の接点にはLast Interaction Conversionsが付きます。
Assisted/Last Interaction Conversionsは、アシストしたコンバージョン数を、終点となったコンバージョン数で割った値です。0に近ければ終点として現れる割合が高く、1に近ければアシストと終点が同程度です。1を超えるほど、終点よりアシストとして現れる割合が高くなります。
この比率は、チャネルの役割を読むための値です。金額、利益、広告費、問い合わせの質までは示しません。比率が高いことだけを理由に、予算を増やす判断はできません。
アシストの行を合計してコンバージョン総数にしない
一つの経路にOrganic Search、参照元サイト、メールがあり、そのあとにDirectでコンバージョンしたとします。この経路は説明用の仮例です。Directが終点となり、それ以前の三つのチャネルは、それぞれ同じコンバージョンのアシストになり得ます。
したがって、チャネル別のAssisted Conversionsを足しても、重複のないコンバージョン総数にはなりません。Googleの説明も、複数のチャネルが一つのコンバージョンをアシストした場合、各チャネルにアシストを一件ずつ付けるため、行をまたいだ重複が起こるとしています。
見るべきなのは、アシスト件数の合計ではなく、各チャネルが終点と途中のどちらへ現れやすいかです。サイト全体のコンバージョン数を確認するときは、チャネル別アシストの行を合計せず、Total Conversionsと分けます。
Top Conversion Pathsで接点の順番を確認する
Assisted Conversionsはチャネルごとの役割をまとめますが、接点の順番までは一行で示しません。Top Conversion Pathsでは、コンバージョンへ至った一連のチャネル接点と、その経路で発生したコンバージョン数、価値を確認できます。
たとえば、仮の経路を次のように表示できたとします。
Organic Search > Referral > Direct
この並びから分かるのは、計測された接点の順番です。Organic Searchで訪問し、参照元サイトから再訪し、最後はDirectとして記録された経路だと読めます。一方、最初の検索が購入意欲を作った、参照元サイトが決断させた、という因果関係までは分かりません。
同じ組み合わせが繰り返し現れるなら、各リンク先が次の行動へつながっているかを確認する手掛かりになります。経路を見つけることと、経路上のチャネルへ成果を配分することは別の作業です。
Directの終点は通常レポートと同じ意味ではない
Multi-Channel Funnelsのデータに関するGoogleの説明は、Directの扱いが通常レポートと異なることを示しています。
通常レポートでは、Directの訪問に至る前にDirect以外のキャンペーンや参照元があれば、その前の情報が引き継がれます。Multi-Channel FunnelsではDirectを無視せず、コンバージョン直前の接点として扱います。その前の参照元はアシストになります。
そのため、通常レポートではOrganic Searchに付いたコンバージョンが、Multi-Channel FunnelsではOrganic Search > Directという経路に見える場合があります。二つのレポートで数字の意味が違うので、一方を誤りと決めず、Directをどう扱う集計かを先に確認します。
経路に記録されない接点を含めて判断する
Multi-Channel Funnelsの経路は、同じブラウザと同じ端末で記録された接点を基にします。携帯電話で調べたあと、別のパソコンから申し込んだ場合、その二つを同じ経路として結び付けません。
また、ディスプレイ広告は、広告からサイトへ移動したクリックを接点として扱い、広告が表示されただけのインプレッションは含みません。電話、来店、紙の資料、担当者との会話も、通常のサイト計測だけでは経路に入りません。
Multi-Channel Funnelsが示すのは、計測できた経路です。顧客が判断するまでの全行動ではありません。レポートにない接点を「存在しなかった」とせず、広告配信記録、問い合わせ内容、販売記録と分けて確認します。
一つの目標と期間を固定して経路を読む
最初に、問い合わせ完了や購入など、確認したいコンバージョンを一つ選びます。次に、Assisted Conversionsで終点とアシストの数を比べ、役割が気になるチャネルを一つ決めます。そのチャネルを含む経路をTop Conversion Pathsで確認します。
Multi-Channel Funnelsのデータは最大二日遅れるため、今日と昨日を含む期間では、通常レポートと件数が合わない場合があります。また、レポートが扱うのはコンバージョンした経路です。コンバージョンしなかった訪問を含むコンバージョン率は、このレポートだけでは出せません。
まず前月の一つの目標を開き、終点よりアシストとして現れることが多いチャネルを一つ選んでください。そのチャネルを含む経路を見たあとで、入口のページ、配信内容、費用を別に確認します。
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