• Google AnalyticsのAttribution Modeling Toolでモデル別の貢献度を比べる

Google AnalyticsのAttribution Modeling Toolでモデル別の貢献度を比べる

公開日: 執筆:佐藤

Google AnalyticsのAttribution Modeling Toolは、同じコンバージョン経路へ複数の配分ルールを当て、チャネルごとの貢献度がどう変わるかを比べる道具です。Last Interactionを正解と決めず、First InteractionやLinearなどと並べれば、予算判断がどの仮定に左右されているかを確認できます。

モデルを変えても、広告や自然検索が新しいコンバージョンを生んだわけではありません。変わるのは、すでに計測したコンバージョンや価値を、経路上の接点へ配る方法です。まず基本モデルを同じ条件で比べ、差の大きいチャネルだけを調べます。

Attribution Modeling Toolは同じ経路の評価方法を変える

Attribution Model Comparison ToolのGoogle Analytics公式発表は、公開登録による試験を経て、登録なしでも利用できるよう順次提供を始めたと案内しています。利用できるアカウントでは、Conversions内のAttributionからModel Comparison Toolを開きます。

提供は順次進むため、同じ日にすべてのアカウントへ表示されるとは限りません。メニューに見当たらない場合は、計測設定を変更する前に、対象アカウントへの提供状況と閲覧権限を確認します。

Attribution Modelingの公式ヘルプは、アトリビューションモデルを、コンバージョン経路上の接点へ売上やコンバージョンの貢献を割り当てる規則と説明しています。Model Comparison Toolでは、最大三つのモデルを同時に選び、チャネル別のコンバージョン数または価値を比較できます。

Last Interactionだけでは入口の役割が見えにくい

仮に、利用者が次の順でサイトを訪れ、最後に購入したとします。

AdWords(Paid Search) → Social Network → Email → Direct → 購入

Last Interactionでは、最後のDirectへ100%の貢献を割り当てます。しかし、この配分だけを見て、Paid Search、Social Network、Emailには価値がないと判断することはできません。どの接点を重く見るかは、選んだモデルの規則だからです。

同じ経路へ別のモデルを当てると、配分は次のように変わります。

モデル 配分の規則 この仮例で重くなる接点
Last Interaction 最後の接点へ100% Direct
Last Non-Direct Click Directを除き、最後の接点へ100% Email
Last AdWords Click 最後のAdWordsクリックへ100% AdWords(Paid Search)
First Interaction 最初の接点へ100% AdWords(Paid Search)
Linear すべての接点へ均等に配る 四つの接点を同じ割合
Time Decay コンバージョンに近い接点ほど重くする DirectとEmail
Position Based 最初と最後へ各40%、中間へ計20% AdWords(Paid Search)とDirect

どの表も、同じ一件の購入を別の規則で配分しています。モデル別の数値差は、計測ミスではなく、評価基準の差で生じます。

最初はLast Interactionと一つの対案を比べる

七つのモデルを一度に眺めても、何を判断したいのかが曖昧になります。最初はLast Interactionを基準にし、疑問に合うモデルを一つ加えます。

新しい顧客が最初に接触したチャネルを見たいなら、First Interactionと比べます。経路上のすべての接点を同じ重さで見たいなら、Linearと比べます。購入直前の接点を重くしながら、最後だけに全量を配りたくないなら、Time Decayが比較候補になります。

比較するときは、次の条件をそろえます。カスタマージャーニー分析に関するGoogle Analytics公式記事も、購入までの期間に合わせ、Multi-Channel FunnelsまたはAttribution Modeling Toolのルックバックウィンドウを調整する方法を示しています。

  • 対象期間
  • コンバージョンまたは目標
  • コンバージョン価値
  • チャネルの分類
  • ルックバックウィンドウ

条件が違うレポートを並べると、モデルの差と期間や目標の差を分けられません。Model Comparison Toolで同じ条件を保ち、モデルだけを変えます。

差が大きいチャネルは経路の位置を確認する

First Interactionで評価が上がり、Last Interactionで下がるチャネルは、コンバージョン経路の入口に現れやすい可能性があります。Last Interactionで評価が高いチャネルは、購入や問い合わせの直前に現れやすい可能性があります。

ただし、評価が上がったことだけで、そのチャネルの予算を増やしません。モデルは接点の役割を調べる仮説を与えますが、増額後の成果を保証しません。Multi-Channel FunnelsのTop Conversion Paths、Assisted Conversions、経路の長さや所要日数も見て、差が生じた経路を確認します。

次に、変更できる範囲で小さく試します。たとえば、入口に現れやすい広告群だけ予算や広告文を変え、変更日を記録し、その後の経路とコンバージョン価値を確認します。モデルの数字を説明に使うことと、実際の広告費を動かすことは別の判断です。

Custom Modelは仮定を説明できる場合だけ作る

Model Comparison Toolでは、基本モデルを選ぶだけでなく、Custom Modelを作成できます。基準となるモデル、ルックバックウィンドウ、接点の位置、キャンペーンやキーワードなどの条件を指定し、相対的な重みを変えられます。

Custom Modelは、自社の販売過程に合わせられる反面、作成者の仮定も増えます。「ブランド名を含まない検索を二倍にする」などの規則を置くなら、なぜ二倍なのか、どの期間と目標へ使うのか、誰が見直すのかを記録します。規則の説明ができない段階では、基本モデルの比較にとどめます。

複数のCustom Modelを増やすと、同じチャネルに別の評価が並び、担当者ごとに都合のよい数字を選べてしまいます。正式な判断に使うモデルと検証用モデルを分け、名前、作成者、作成日、目的を残します。

モデルの選択より判断を検証する仕組みを持つ

Attribution Modeling Examplesの公式ヘルプは、広告目標や事業の仕組みに合うモデルを使い、モデルの出力に沿って投資を増減した後、結果をデータで確かめるよう案内しています。

重要なのは、唯一の正しいモデルを探すことではありません。どのチャネルを入口、比較、決定のどこで評価するかを明示し、予算変更後に仮定を検証できることです。

解析会社へモデル作成を依頼しても、Google Analyticsアカウント、目標、チャネル分類、Custom Modelの正式版は事業者側で確認できるようにします。設定作業を委託することと、どの評価基準で広告費を動かすかを決めることは分けます。

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