AdWordsの拡張キャンペーンは端末別の運用を一つのキャンペーンへまとめる
公開日: 執筆:佐藤
AdWordsの拡張キャンペーンは、端末ごとに同じ目的のキャンペーンを複製せず、一つのキャンペーンから端末、地域、時間帯に応じて入札と広告表示を変えるための仕組みです。Googleは2月6日に、この新しいキャンペーンを発表しました。
ただし、複数のキャンペーンを無条件に一つへ集める機能ではありません。検索する人へ届ける商品や案内、キーワード、成果の基準が共通であり、端末などの条件だけが違う場合に統合を検討します。検索広告とディスプレイ広告のように、配信方法と判断基準が違うキャンペーンは分けたまま管理します。
端末別キャンペーンの共通部分を一つへ戻す
PC用とスマートフォン用にキャンペーンを分けると、同じキーワード、除外キーワード、広告文、予算を複数の場所で管理することがあります。一方だけを修正すれば、端末によって案内や除外条件がずれます。レポートも分かれるため、同じ目的に使った費用を集計し直さなければなりません。
Googleの発表では、複数のキャンペーン、レポート、広告表示オプションを組み合わせる代わりに、一つのキャンペーンから端末、地域、時間帯という状況へ対応すると説明しています。
統合する単位は、端末ではなく目的です。同じ商品を同じ成果へつなぐキャンペーンなら、共通するキーワードと広告を一か所で管理し、端末による差だけを別の設定へ移します。商品、営業地域、予算の責任者、成果の定義が違うなら、端末が同じでもキャンペーンを分けます。
入札単価調整は状況に応じて入札を強めるか弱める
拡張キャンペーンでは、端末、地域、時間帯に応じて入札を調整できます。たとえば、店舗に近い地域では入札を上げ、営業時間外には下げ、スマートフォンからの検索には別の調整を加える、という考え方です。
Googleの機能説明は、一つのキャンペーンで複数の入札調整を設定し、端末、地域、時間帯を扱えるとしています。調整はキャンペーン内の広告とキーワードへ共通して作用するため、広告グループごとに目的が混在している状態を先に直します。
入札単価調整は、検索する人へ何を伝えるかを変える設定ではありません。その状況の検索を、どれだけ強く取りに行くかを変えます。広告文やリンク先を変える仕事とは分けて考えます。
広告表示は端末で変わる次の行動に合わせる
同じキーワードでも、PCで詳しい情報を読む人と、外出先のスマートフォンから電話したい人では、次の行動が違います。拡張キャンペーンでは、一つのキャンペーンの中で、広告見出し、広告文、リンク先、サイトリンク、電話番号などを端末と状況に合わせます。
Googleの機能説明には、スマートフォンには携帯端末向けサイトへ進む広告を出し、PCやタブレットには通常のウェブサイトへのリンクを出す例があります。営業時間中には店舗案内と電話番号を表示し、閉店後にはウェブサイトへのリンクを表示する例もあります。
ここで分けるのは、入札と案内です。
| 判断すること | 使う仕組み | 変わるもの |
|---|---|---|
| その状況の検索を強く取りに行くか | 入札単価調整 | 入札の強弱 |
| 端末から取りやすい行動は何か | 広告文、リンク先、広告表示オプション | 表示する案内と次の行動 |
| どの地域と時間帯へ配信するか | 地域設定、曜日・時間帯設定 | 広告を届ける範囲 |
電話できない時間に電話を促す広告を出しても、入札を上げる理由にはなりません。先に、その端末、地域、時間帯で受け付けられる行動を決めます。その後で、成果の見込みに応じて入札を調整します。
統合前に差分を設定、広告、計測へ分ける
端末別に複製したキャンペーンがある場合は、すぐに片方を止めず、差分を一行ずつ書き出します。
| 差分 | 統合時の扱い |
|---|---|
| キーワードと除外キーワード | 同じ検索意図なら共通部分へまとめる |
| 端末別の入札 | 端末に応じた入札単価調整へ移せるか判断する |
| 営業地域と営業時間 | 地域と曜日・時間帯の設定へ分ける |
| 広告文、電話番号、リンク先 | 端末と時間帯に合う表示方法を決める |
| 予算と成果の基準 | 同じ責任で管理できる場合だけ共通にする |
統合前と統合後で数字を比べるには、端末、地域、時間帯を同じ区分で記録できる必要があります。管理場所を減らしても、判断に必要な区分まで消してはいけません。広告運用を外部へ任せる場合も、どの差分を残し、何を共通化したかは広告主側で保管します。
まず、端末名だけが違うキャンペーンを一組選んでください。キーワード、広告文、リンク先、地域、時間帯、予算、成果の基準を横に並べます。共通部分と端末による差を分けられたら、拡張キャンペーンへまとめる候補です。目的や責任まで違うなら、分けたままにします。
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