AdWordsのValueTrackはキーワードとマッチタイプをリンク先URLへ記録する
公開日: 執筆:佐藤
AdWordsのValueTrackは、リンク先URLへ記述した{keyword}や{matchtype}を、広告がクリックされたときの値へ置き換える機能です。アクセスログや外部の計測システムで、登録キーワード、マッチタイプ、配信ネットワークをクリックごとに分けたい場合に使います。
ただし、{keyword}が記録するのは、利用者が入力した検索語句ではありません。広告表示の条件になった、広告主側のキーワードです。検索語句を知る仕事と、ValueTrackでクリック情報をURLへ渡す作業を分けてください。
ValueTrackはクリック時にURL内の値を置き換える
ValueTrackの機能説明では、リンク先URLに{keyword}、{matchtype}、{network}を記述する例を示しています。
次は説明用の仮例です。
https://example.com/service/?keyword={keyword}&matchtype={matchtype}&network={network}
広告がクリックされると、波括弧で囲んだ部分が、そのクリックに対応する値へ置き換わります。公式例では、検索パートナーから、部分一致キーワードused carsによってクリックされた場合、次の値が入ります。
keyword=used%20cars
matchtype=b
network=s
この仕組みは、広告が表示されたすべての回をURLへ記録するものではありません。利用者が広告をクリックしてサイトへ移動したとき、そのURLをウェブサーバーや計測システムが受け取ります。
keywordは検索語句ではなく登録キーワードを示す
{keyword}の値を見て、「利用者がこの言葉を入力した」と判断してはいけません。部分一致では、登録キーワードと異なる検索語句でも広告が表示されます。
| 対象 | 誰が決めるか | 確認方法 |
|---|---|---|
| 登録キーワード | 広告主 | keyword={keyword}でクリック時の値を渡せる |
| 検索語句 | 検索する人 | AdWordsの検索語句レポートで確認する |
| マッチタイプ | 広告主 | matchtype={matchtype}でクリック時の区分を渡せる |
たとえば、URLへkeyword=used%20carsと残っても、検索欄へ入力された語句が必ずused carsだったとは限りません。検索語句を除外や追加の判断へ使う場合は、検索語句レポートを開きます。
ValueTrackは、登録した設定とクリックを結び付けるために使います。検索者の入力内容を記録する別名として扱いません。
matchtypeとnetworkの値は意味を記録してから使う
{matchtype}と{network}は、短い値へ置き換わります。公式例のbは部分一致、sは検索パートナーを示します。ログへ一文字だけ残すと、担当者が変わったときに意味を判断できません。
計測を始める前に、次の対応を社内の計測仕様へ記録します。
| URLの項目名 | ValueTrackパラメータ | 何を分けるか |
|---|---|---|
keyword |
{keyword} |
広告表示の条件になった登録キーワード |
matchtype |
{matchtype} |
そのキーワードのマッチタイプ |
network |
{network} |
クリックが発生した配信ネットワーク |
URLの項目名は広告主側で決められます。source={network}としても、network={network}としても、波括弧内の機能は同じです。大切なのは、同じ意味の項目名を途中で変えず、受け取る側の設定とそろえることです。
値を人が読みやすい名称へ変換する場合は、変換表も管理します。AdWordsの仕様が返した値と、自社がレポートへ表示した名称を分けて残してください。
固定するキャンペーン情報とクリックごとの値を分ける
Google Analyticsのキャンペーンタグでは、utm_source、utm_medium、utm_campaignなどへ、広告主が決めた値を記述します。ValueTrackは、クリックに応じて変わるAdWords側の情報を置き換えます。
両方を使う仮例は次のようになります。
https://example.com/service/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=spring&keyword={keyword}&matchtype={matchtype}
utm_campaign=springは、広告主が決めた固定値です。keywordとmatchtypeは、クリック時にAdWordsが置き換える値です。固定のキャンペーン名と動的なクリック情報を同じものとして管理しません。
また、URLへ値を付けただけでは、問い合わせや購入を計測できません。受け取ったURLをアクセスログまたは計測システムへ記録し、目標やコンバージョンを別に定義する必要があります。パラメータを追加する作業と、成果を判断できる状態を完成させる仕事は別です。
一つのリンク先URLで記録と到達を確かめる
最初からすべての広告やキーワードを書き換えず、一つのリンク先URLで確認します。変更前のURL、追加する項目名、ValueTrackパラメータ、受け取る計測先、確認担当者を記録してください。
まず、パラメータを付けてもリンク先ページが正常に開くかを確認します。次に、試したクリックがアクセスログまたは計測システムへ入り、波括弧のままではなく値へ置き換わっているかを見ます。固定のキャンペーンタグも使う場合は、その値が欠けていないかを確かめます。
記録が取れても、登録キーワードと検索語句を混同していないかを確認します。想定外の検索を調べるなら、同じ期間の検索語句レポートを使います。成果を比べるなら、同じ期間、同じコンバージョン定義で集計します。
広告運用を外部へ任せる場合も、リンク先URLの正本、項目名、ValueTrackパラメータ、値の意味、受け取る計測先は広告主側で保管します。担当者を替えた後も、URLに残ったbやsを説明できる状態にしてください。
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