AdWordsのCross-account Conversion Trackingは複数アカウントを一つのタグで計測する
公開日: 執筆:佐藤
同じ事業で複数のAdWordsアカウントを使い、問い合わせや購入の完了先が一つのサイトに集まるなら、コンバージョンタグをアカウントごとに増やす必要はありません。Cross-account Conversion Trackingを使うと、My Client Center配下の複数アカウントを一つのタグで計測できます。
先に決めるのは、タグの設置場所ではなく、どのアカウントが同じコンバージョンを共有するかです。アカウントをまとめることと、予算、キャンペーン、顧客の成果を混ぜることは違います。
一つのタグは複数アカウントの計測基準をそろえる
GoogleのCross-account Conversion Trackingに関する公式説明では、一つのコードを使って、複数のAdWordsアカウントを横断してコンバージョンを計測できるとされています。アカウントごとに別のタグを置く方法と違い、一つのコンバージョンを複数アカウントで重ねて数えずに済みます。
ただし、一つのタグを使っても、キャンペーンや広告費が一つになるわけではありません。
| 対象 | 一つにするもの | 分けて残すもの |
|---|---|---|
| コンバージョンの定義 | 問い合わせ完了、購入完了などの名称と計測点 | 受付後の有効性、売上、対応結果 |
| サイトのタグ | 複数アカウントで共用する一つのコード | 設置場所、変更日、確認担当 |
| AdWordsの記録 | アカウントをまたぐクリックからコンバージョンまでの関係 | アカウント、キャンペーン、キーワード、費用 |
計測を一つにする目的は、数字を大きく見せることではありません。同じ完了行動を同じ条件で数え、どのアカウントの広告が関わったかを比較できる状態にすることです。
対象アカウントは同じ成果を共有する範囲に絞る
MCCに登録されているという理由だけで、すべてのアカウントを一つの計測へ含めるべきではありません。広告代理店のMCCには、別々の事業者や、異なる成果を持つアカウントが含まれる場合があります。
説明用の仮例として、同じ会社が商品分野ごとに二つのAdWordsアカウントを使い、購入完了ページは共通だとします。この二つは、同じ購入を共有する候補です。一方、代理店が管理する別会社のアカウントは、MCCが同じでも、購入者、売上、サイト、責任者が異なります。同じコンバージョンへまとめる理由はありません。
対象を決めるときは、次の三点を一文で答えます。
- どのサイトの、どの完了行動を数えるか
- その完了行動へ広告を出しているアカウントはどれか
- 計測結果を確認し、誤りを直す責任者は誰か
三点を共有しないアカウントは、同じMCCにあっても分けて管理します。
既存タグは削除前に設置場所と用途を一覧にする
複数アカウントを運用してきたサイトには、アカウント別のコンバージョンタグが残っている可能性があります。Cross-account Conversion Trackingへ切り替える前に、完了ページのソースだけでなく、テンプレート、タグ管理、外部フォームも確認します。
一覧には、タグの識別情報、設置ページ、数えている行動、所有するアカウント、設置日を記録します。同じ完了ページに複数のタグがあっても、用途が同じとは限りません。問い合わせと購入、広告用とアクセス解析用を名前だけで決めつけないでください。
既存タグを外す作業と、新しいタグを置く作業を同時に記録します。移行前後で一件の完了操作を通し、想定したコンバージョンだけが記録されるか確認します。数字が二重になった場合に、どのタグを戻すか判断できるよう、変更前の状態も保存します。
MCCは計測を配る場所であり事業成果の所有者ではない
Cross-account Conversion Trackingでは、MCCへ新しいAdWordsアカウントを追加したとき、Conversion Trackingを有効にできます。新しいアカウントごとにコンバージョンを定義し直さず、共通の計測を使えることが利点です。
その反面、MCCへアクセスできる人は、複数アカウントのコンバージョン設定とレポートへ関わります。広告運用を委託する場合も、MCCを誰が所有し、誰が利用者を追加し、契約終了時にどの権限を外すかを事業者が確認してください。
タグのコードを代理店が作成しても、問い合わせや購入を何として数えるかは事業者の判断です。管理画面の権限と、事業成果の定義を一緒に渡さないようにします。
Cross-account Search Funnelsは途中のクリックをアカウント横断で見る
Cross-account Conversion Trackingを使うと、MCCでCross-account Search Funnelsを確認できます。公式説明では、Overview、Top Conversion Paths、Assisted Conversionsの各レポートが用意されています。
| レポート | 確認する関係 | 判断するときの注意 |
|---|---|---|
| Overview | 複数アカウントの広告との接触からコンバージョンまで | 全体像だけで個別キーワードを変更しない |
| Top Conversion Paths | アカウントをまたいだキーワードの組合せ | 並びだけで必須の経路と断定しない |
| Assisted Conversions | 最後のクリック以外で関わったキーワード | 補助した回数を成約数へ足さない |
Search Funnelsの指標に関するGoogleの公式案内では、assist clicks、click-assisted conversions、assist impressionsなどをキャンペーン、広告グループ、キーワード、広告のタブへ加えられると説明されています。
補助したキーワードは、最後のクリックを得たキーワードとは役割が違います。Assisted Conversionsが多いという理由だけで入札単価を上げず、検索語、費用、最後のコンバージョン、問い合わせ結果と並べて確認してください。
計測をまとめてもアカウント別の費用と目的は残す
同じ購入完了を計測する二つのアカウントでも、片方が新規顧客向け、もう片方が既存顧客向けなら、広告の目的と許容費用は異なります。Cross-account Conversion Trackingは、目的の違いを消す機能ではありません。
アカウント名、広告目的、対象商品、予算責任者、共通コンバージョンを一行ずつ記録します。そのうえで、共通のコンバージョン数と、アカウント別の費用、検索語、問い合わせ結果を照合します。
コンバージョンが増えたように見えても、計測方法を変えた直後なら広告成果と断定できません。移行日を記録し、移行前後の数字を同じ計測条件として直接比べないようにします。
一つのコンバージョンと二つのアカウントから試す
最初は、同じサイトと同じ完了行動を共有する二つのアカウントだけを選びます。既存タグを一覧にし、共通コンバージョンの名前、計測点、確認担当を決めます。Cross-account Conversion Trackingへ切り替えた後、一件の完了操作を通し、記録先と件数を確認します。
確認できてから対象アカウントを増やします。MCCにある全アカウントへ一度に適用すると、計測の誤りが、タグ、コンバージョン定義、アカウント選択のどこにあるか分かりにくくなります。
一つのタグで管理を楽にすることより、同じ成果を一度だけ数え、広告費と問い合わせ結果をアカウント別に説明できることを優先してください。
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