AdWordsのLost ISは予算による損失と広告ランクによる損失を分けて読む
公開日: 執筆:佐藤
AdWordsのLost ISを確認するときは、最初にLost IS (budget)、次にLost IS (rank)を読みます。前者は日々の予算、後者は広告ランクが原因で失った掲載機会を示すため、同じ変更では直せません。
数値を下げること自体を目的にせず、失った掲載機会を取り戻す価値があるかを先に判断します。予算や入札単価を増やすなら、費用だけでなく、獲得単価、利益、広告費用対効果も同じ期間で確認します。
Lost IS (budget)は予算の制約による損失を示す
Lost IS (budget)は、日々の予算が足りなかったため、広告を表示できなかった割合です。AdWordsのインプレッションシェアに関する公式解説は、成果が良く、配信量を増やしたいキャンペーンや広告グループで、この列から確認するよう説明しています。
この数値があるからといって、予算を増やす判断が自動的に決まるわけではありません。次の三点を分けます。
- 予算の制約によって広告を表示できなかったこと
- 追加予算によって表示回数やクリック数が増える可能性があること
- 増えた費用に見合う問い合わせ、注文、利益が得られること
最初の点はLost IS (budget)で分かります。残りの二点は、同じ期間の費用、コンバージョン、事業側の結果を使って判断します。問い合わせを受けられない地域や、利益の合わない商品まで配信対象に含むなら、予算を増やす前に対象を直します。
Lost IS (rank)は広告ランクによる損失を示す
Lost IS (rank)は、広告ランクが低かったために失った掲載機会の割合です。公式解説は、品質スコアの改善または入札単価の引き上げを、見直しの候補として挙げています。
順位損失を入札単価の不足だけと考えると、確認順序を誤ります。キーワード、広告文、リンク先ページが同じ検索意図へ答えていなければ、入札単価を上げても、そのずれは残ります。品質を点検してから、支払える上限の範囲で入札を判断します。
| 損失の種類 | 直接示す原因 | 先に確認するもの |
|---|---|---|
Lost IS (budget) |
日々の予算の制約 | 配信対象、費用、コンバージョン、利益 |
Lost IS (rank) |
広告ランクの不足 | キーワード、広告文、リンク先ページ、品質スコア、入札単価 |
二つの列は、変更する場所を分けるための診断材料です。インプレッションシェアが低いという一つの結果だけを見て、予算と入札単価を同時に上げないようにします。
予算制約がある期間は順位損失が表示されない場合がある
広告グループ単位のインプレッションシェアに関する公式発表は、確認期間の一部または全部で予算制約を受けた場合、広告グループのLost IS (rank)を表示しないことがあると説明しています。
したがって、順位損失の列が空欄でも、広告ランクによる損失がゼロとは限りません。最初に、同じ期間の予算状態を確認します。予算制約を受け入れるなら、順位損失を分離できない期間として記録します。配信対象または予算を変えて制約がなくなった場合は、その後の期間で順位損失を読み直します。
次は、読み方を示すための仮例です。ある広告グループでLost IS (rank)が表示されず、同じ期間にキャンペーンが予算制約を受けているなら、「順位の問題はない」とは結論づけません。期間と予算状態をそろえたうえで、数値が表示される条件を作ります。
変更前に期間と対象範囲をそろえる
検索とディスプレイでは、インプレッションシェアの列が分かれています。対象ネットワーク、キャンペーン、広告グループ、集計期間が違う数値を、一つの原因として比較しません。
変更前に、次の項目を一行へ記録します。
- 対象ネットワーク、キャンペーン、広告グループ
- 集計の開始日と終了日
- インプレッションシェア、
Lost IS (budget)、Lost IS (rank) - 費用、コンバージョン、獲得単価
- 事業側で確認した問い合わせ、注文、利益
- 変更する設定、変更日、確認する日
予算と入札単価を同じ日に変えると、どちらの変更によって掲載機会と成果が動いたのか分けにくくなります。一つの原因を選び、一つの変更を記録してから結果を確認します。
掲載機会を取り戻すことと利益を増やすことを分ける
Lost IS (budget)やLost IS (rank)が下がっても、利益が増えたとは限りません。公式解説も、入札単価を上げる場合は、獲得単価、利益、広告費用対効果への影響を注意して見るよう求めています。
予算損失が大きい場合は、追加費用を負担してもよい対象かを判断します。順位損失が大きい場合は、品質を直せる箇所と入札で補う箇所を分けます。どちらの場合も、インプレッションシェアを100%へ近づけることを、事業の成果より上へ置きません。
最初の一手は、一つの検索キャンペーンについて、同じ期間の二つのLost ISと費用、コンバージョンを並べることです。予算による損失を先に判定し、次に広告ランクによる損失を確認してください。
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