Google AnalyticsのBenchmarking reportsは自サイトの実数と同業平均との差を分けて読む
公開日: 執筆:佐藤
Google AnalyticsのBenchmarking reportsは、自サイトのSessionsやBounce Rateを、同じ業種、地域、traffic規模に属するサイトの集計値と比較します。比較する相手を先にそろえ、実数と割合差を分けて読めば、Channel、Location、Device Categoryのどこを詳しく調べるべきか決められます。
色の付いた割合差だけを見て、広告費や制作費を動かしてはいけません。割合差は自サイトと比較集団の距離であり、訪問数そのものでも、改善によって得られる成果の予測でもありません。
比較相手は業種、地域、traffic規模でそろえる
Benchmarking reportsでは、1600の業種区分、1250の市場、7段階の規模から比較集団を選べます。選択した集団へ何件のpropertyがデータを提供しているかも表示されます。
業種だけを合わせても、地域とtraffic規模が大きく違えば、比較結果の意味は変わります。全国向け通販と一地域の店舗、月間の訪問が大きく異なる二つのサイトでは、同じChannelでも流入構成が違う可能性があります。
最初は、次の三条件を記録してください。
- Industry Vertical:サイトの中心事業に近い業種
- Country / Region:実際に利用者を求める地域
- Size by daily sessions:自サイトに近いtraffic規模
都合のよい差が出るまで条件を変えるのではなく、事業範囲に合う一組を決め、同じ条件で期間を比較します。
Channel、Location、Device Categoryは別の疑問へ答える
Benchmarking reportsは、獲得とengagementの指標を三つのdimensionで比較します。
| dimension | 分ける対象 | 答える疑問 |
|---|---|---|
| Channel | Organic Search、Paid Search、Referral、Emailなど | どの流入経路が比較集団より多いか、少ないか |
| Location | 国または地域 | どの地域からの訪問に差があるか |
| Device Category | desktop、mobile、tablet | 端末ごとの訪問とengagementに差があるか |
ChannelでPaid SearchのSessionsが少なくても、すぐに検索広告を増やす理由にはなりません。比較集団が広告へ多く投資している可能性は分かりますが、自社に同じ予算配分が適するとは限らないからです。
Device CategoryでmobileのBounce Rateが高いなら、mobile表示、読み込み時間、流入する検索語、案内内容を順に確認します。端末差は調査する場所を示しますが、原因までは示しません。
実数と割合差は別の大きさを表す
Reportには、自サイトの値、benchmarkの値、その割合差が分かれて表示されます。説明用の仮例として、自サイトのSessionsが120、benchmarkが100なら、実数差は20、割合差は20%です。自サイトが12、benchmarkが10の場合も割合差は20%ですが、実数差は2にとどまります。
割合差が同じでも、調査へかける時間と得られる影響は同じではありません。まず自サイトの実数を見て、次に割合差を見ます。実数が小さい行は、少数の訪問によって割合が大きく動く可能性も考えます。
指標の向きもそろえます。SessionsやPages per Sessionは大きい側が緑でも、Bounce Rateは小さい側が緑になる場合があります。ただし、問い合わせ完了ページや一ページで用件が終わる案内では、低いBounce Rateだけを目標にできません。ページの役割と目標達成を別に確認します。
同業との差は原因ではなく調査の順番に使う
Benchmarking reportsのheat mapは、差が大きい場所を見つけるために使います。赤または緑の色だけで原因を決めず、差が大きく、かつ自サイトの実数も無視できない行を一つ選びます。
たとえば、mobileのSessionsは比較集団に近いのにBounce Rateだけが高いとします。これは説明用の仮例です。最初にmobileの主要なlanding pageを確認し、次に読み込み時間と流入語を見ます。複数の要因を一度に変更すると、どの修正が差へ影響したか分かりません。
比較相手は、匿名で共有されたpropertyの集計です。特定の競合サイトの数値ではありません。比較に参加するproperty数が表示されても、各社の施策、予算、売上、目標までは分かりません。同業平均との差を、競合他社の成功方法と読み替えないでください。
匿名共有と提供範囲を確認してから使う
Benchmarking reportsはAudience内にあり、匿名でのデータ共有を選んだ利用者へ順次提供されています。利用する場合は、Account Settingsの「Share anonymously with Google and others」を確認します。共有設定は、reportを見る担当者だけでなく、accountの管理責任者が目的を理解して選びます。
扱えるのはSessionsやBounce Rateなどの獲得、engagement指標です。conversion指標は含まれず、mobile appにも対応していません。したがって、同業集団との流入差を見つけた後、問い合わせや売上への影響は自サイトのGoalと業務記録で確認します。
最初の一手は、Industry Vertical、Country / Region、Size by daily sessionsを一組選び、ChannelのSessionsについて、自サイトの実数、benchmarkの実数、割合差を一行へ書き写すことです。その三つを分ければ、heat mapの色だけで判断する誤りを避けられます。
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