Google Analyticsの数字が変わったときはサイト変更と計測設定を同じ記録で確認する
公開日: 執筆:佐藤
Google Analyticsの数字が急に変わったときは、流入や検索順位だけを原因にしない。ページを公開した日、フォームを直した日、広告費を変えた日、目標やフィルタを変えた日を、数字と同じ画面で確認する。数字の変化と原因は別のものだ。変更日を残し、比べる条件をそろえてから、原因の候補を絞る。
アクセス数が20パーセント増えたとしても、広告が効いたのか、検索からの訪問が増えたのか、計測対象のページが増えたのかは、その数字だけでは分からない。問い合わせが増えた場合も同じである。フォームの確認画面を追加して目標を設定し直した週なら、過去の問い合わせ数と同じ意味で比較できないことがある。
数字の変化とサイトの変更を別の記録にしない
数字を読むときに必要なのは、グラフと、何を変えたかの記録である。変更を覚えている人だけが数字を読める状態では、担当者が変わったときに判断が残らない。サイト、広告、計測の変更を一つの表へ集める。
| 区分 | 残す変更 | 数字への影響として疑うこと |
|---|---|---|
| サイト | ページ公開、URL変更、フォーム修正、電話番号の変更 | 読者が進む経路、計測タグ、目標到達ページ |
| 広告 | 配信開始、停止、予算、広告文、リンク先 | 訪問数、流入元、特定ページへの訪問 |
| 計測 | 目標、フィルタ、タグ、除外条件 | 数字の定義、記録される訪問、コンバージョン数 |
| 事業側 | 営業時間、受付体制、商品や地域の条件 | 問い合わせ後の対応、電話やフォームの内容 |
たとえば、10月5日に予約フォームの確認画面を直し、10月8日に検索広告の予算を増やしたとする。10月9日から目標の数が増えても、広告の予算だけを理由にしてはいけない。フォームを最後まで送れなかった人が送れるようになった可能性も、確認画面のURLが目標の条件に入るようになった可能性もある。二つの変更を記録していれば、対象ページと流入元を分けて確かめられる。
アノテーションは原因を証明する道具ではない
Google Analyticsでは、グラフの特定の日付へアノテーションを付けられる。サイトの公開日、広告の開始日、計測設定を変えた日を短く残しておくと、後からグラフを見たときに調べる起点になる。
記録は一行でよい。ただし、何を変えたかが分からない「サイト修正」「広告を調整」のような書き方は避ける。
| 記録しにくい書き方 | 後で確認できる書き方 |
|---|---|
| サイトを修正 | 10月5日、予約フォームの確認画面を修正 |
| 広告を変更 | 10月8日、検索広告の一日予算を変更 |
| 計測を直した | 10月9日、問い合わせ完了ページを目標に追加 |
アノテーションがあるから、直後の数字の変化がその作業によるものと証明されるわけではない。同じ日に季節要因、報道、競合の広告、別の作業が重なっているかもしれない。記録の役割は結論を先に決めることではなく、比較すべき日と作業を失わないことである。
最初に一つの数字へ絞る
数字が変わったとき、セッション、ページビュー、直帰率、目標完了数を一度に説明しようとすると、原因と結果が混ざる。最初に、何が変わったのかを一つ選ぶ。問い合わせ完了数が増えたなら、次に問い合わせ完了ページの到達数を確認する。検索からの訪問が増えたなら、検索だけに絞り、対象ページを見ていく。
比較の順序は次のようにする。
- 変化した指標と期間を決める。日ごとの上下ではなく、比較する期間を先に固定する。
- 同じ期間の変更記録を開く。サイト、広告、計測の変更を拾う。
- 流入元、対象ページ、端末など、変更と関係しそうな単位へ分ける。
- 数字の定義が変わっていないかを確かめる。目標、フィルタ、タグの変更を優先して見る。
- 説明できない変化は、原因不明のまま記録する。推測を確定した理由として残さない。
たとえば、月全体の訪問数は変わらず、問い合わせ完了だけが増えたなら、最初にフォームと目標の設定を見る。検索広告からの訪問だけが増えているなら、広告の開始日、予算、広告文、リンク先を確認する。全体の数字だけを見続けるより、変わった場所を小さくしてから記録と比べた方が、次の作業を決めやすい。
変更記録には作業の範囲も書く
日付だけでは、後から影響範囲を判断できない。変更記録には、何を直したかに加えて、どのURLや広告を対象にしたか、誰が作業したか、元へ戻せるかを残す。記録を詳しい作業日報にする必要はない。数字の変化を調べる人が、関係のある画面と担当者へたどり着ければよい。
| 項目 | 記録の例 |
|---|---|
| 日付 | 10月5日 |
| 作業 | 予約フォームの確認画面を修正 |
| 対象 | /reserve/ と確認画面 |
| 影響する数字 | 問い合わせ完了の目標到達数 |
| 担当 | サイト担当 |
| 元へ戻す方法 | 修正前のテンプレートへ戻す |
広告の変更も同じである。「予算を増やした」だけでなく、どのキャンペーンを、いつから、どの金額へ変えたかを残す。流入が増えたあとに広告費を戻したなら、その日付も記録する。数字を比べる人が変更の前後を区切れるため、過去の作業を探す時間が減る。
比較に使った条件も残す
「先月より増えた」という報告には、どの期間、どの流入元、どのページを比べたかが必要である。平日だけを比べたのか、月の初日から末日までを比べたのか、広告を含む全訪問を比べたのかで、同じ増減でも意味が変わる。
確認した結果、原因を一つに決められないことはある。その場合は、数字、比較期間、確認した変更、残った候補を記録する。数字の変化をすぐ成功や失敗と呼ぶより、次に同じ変化が起きたときに確かめられる記録を残す。アクセス解析は、もっともらしい説明を作る作業ではない。次の広告費やサイト修正を、根拠のない判断で進めないための作業である。
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