• AdWordsのTrial Run Adsはインストール数ではなく試用後の利用者を確かめる

AdWordsのTrial Run Adsはインストール数ではなく試用後の利用者を確かめる

公開日: 執筆:佐藤

AdWordsのTrial Run Adsは、ゲームをダウンロードする前に広告内で試せる形式です。単にインストールを増やすための表示ではありません。試用した人が、ダウンロード後にも使い続けるかを確かめるための形式として扱います。

この形式はbetaであり、すべての広告主がすぐ使えるわけではありません。形式名だけを見て広告制作を始める前に、対象、利用条件、試用後に確認する指標を決めます。

Trial Run Adsはゲームを広告内で試す形式である

Googleの2015年12月3日の案内によると、Trial Run Adsはゲームを広告内で最大60秒間試せる形式です。ゲーム内容をstreamingで見せ、利用者がダウンロード前に試せるようにします。

通常のapp install広告では、広告を見てからダウンロードするまでの判断が中心です。Trial Run Adsでは、その前にゲームを触る段階が加わります。試用に進んだ人、試用後にダウンロードした人、ダウンロード後に利用した人を同じ数にしません。

段階 確認すること
広告の表示 どの広告素材が試用の入口になったか
試用 広告内でゲームを始めた人がどこまで進んだか
ダウンロード 試用後にダウンロードした人がいるか
利用 ダウンロードした後に、実際に利用を続けているか

広告を見た人の全員にゲームが合う必要はありません。試用の段階で合わない人が離れるなら、インストールだけを目的にした広告とは違う見方が必要になります。

試用で見せる場面と最初の利用をつなげる

Trial Run Adsで試せる時間は最大60秒である。短い時間に何を見せるかは、ゲームの説明を短くする作業ではない。ダウンロードした人が最初に行う操作と、試用で行う操作が大きく違えば、広告内で興味を持っても、インストール後の利用へつながるかを判断しにくい。

たとえば、試用では操作の感触だけを見せ、実際のゲームではすぐ複数の選択や登録が必要になるなら、試用後の離脱を広告素材だけの問題と決められない。試用で見せる場面、ダウンロード後の最初の画面、利用を続けたと判断する行動を一枚の設計メモへ並べる。

段階 決めること
試用前 どの広告素材から試用へ進ませるか
試用中 60秒以内に何を操作、確認できるか
ダウンロード直後 試用で見た内容と同じ操作へ無理なく進めるか
利用の確認 続けて使ったと判断する行動を何にするか

この対応を決めずに広告だけを作ると、試用を始めた数、ダウンロード数、利用数のどこで差が出たかを説明できない。Trial Run Adsを使えるかどうかの確認と並行して、ゲーム側の記録をどこで取るかを決める。

betaの利用可否と広告の評価を分ける

Googleの案内では、Trial Run AdsとInteractive Interstitialsはbetaで、限られた広告主が対象です。使いたいと思っても、accountで利用できるか、担当者へ確認が必要な場合があります。

利用可否が決まる前に、広告素材の制作費や予定を確定させないでください。betaに参加できることと、試用形式が自社のゲームに合うことも別です。試用で見せる場面が、ゲームの面白さや操作を伝えられるかを先に検討します。

評価も、広告のclick数とinstall数だけで終えません。次の比較条件を揃えます。

  1. Trial Run Adsを出した期間と、比較する通常広告の期間を同じ長さにする。
  2. 対象国、予算、広告素材、ゲームのversionを記録する。
  3. install後の利用状況を、試用を経た利用者とそれ以外で分けて確認する。

試用を経た利用者が少なくても、利用の継続を確認できれば、単純なinstall数だけでは見えない判断材料になります。逆に、install数だけが増えても、試用後の利用が続かなければ、広告形式を変えた意味は確かめられません。

比較するときは、Trial Run Adsを見た人と、通常の広告からインストールした人を混ぜない。二つの広告形式で対象国、予算、ゲームの版、計測の条件が違えば、利用状況の差を形式だけの差と呼べない。小さく試す場合も、変更日と条件を残し、次に同じ条件で比べられるようにする。

試用後の利用を計測できない場合は、Trial Run Adsの結果をインストール数までに限定して読む。利用が続いたかを確認していないのに、「試用が良い利用者を集めた」とは言えない。取得できるのが広告画面の数字だけなら、分かることと分からないことを分け、ゲーム内の記録を整えてから評価を広げる。

beta版では、利用できる広告主や表示条件が変わることがある。試用を始める日、利用できたaccount、対象国、広告素材を記録しておく。後で同じ形式を試せなくなった場合も、どの条件で得た数字かを確認できる。形式名ではなく、実際に使えた条件と、試用後に確認できた行動で判断する。

外部へ広告運用を任せる場合は、広告を作る人と、app内の利用状況を確認する人を分けないでください。試用で何を見せるかは広告の作業ですが、どの利用を成果とみなすかは事業側が決める仕事です。

最初の一手は、ゲームを始めた後に「続けて使っている」と判断する行動を一つ決めることです。Trial Run Adsの利用可否を確認する前に、その行動を計測できる状態にします。

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