AdWordsのexpanded text adsへの移行は既存広告を止める前に効いた約束を引き継ぐ
公開日: 執筆:佐藤
expanded text adsへの移行で先にすることは、新しい文字数を埋めることではありません。今あるstandard text adsのうち、どの検索語に、何を約束し、どの案内ページへ送っている広告が働いているかを残すことです。2017年1月31日からstandard text adsは新規作成と編集ができなくなりますが、既存の広告はexpanded text adsと並んで配信されます。急いで止める必要はありません。
追加された見出しと文字数は、情報を増やせる余地です。しかし、広告が長くなれば利用者に必要なことが伝わるとは限りません。Googleも、追加の文字だけでは成果の問題は解決せず、広告の質を考えて試す必要があると案内しています。移行を入稿作業だけにすると、今まで働いていた広告の理由を失います。
まず既存広告が何を約束しているかを残す
standard text adを一覧にしても、広告文だけをコピーしては足りません。同じ表へ、その広告が出るキーワードとリンク先ページを並べます。広告は検索した人へ約束を示し、リンク先はその約束を確かめる場所です。この三つがそろって初めて、どの表現を引き継ぐか決められます。
| 確認するもの | 見る内容 | 移行で残す理由 |
|---|---|---|
| キーワード | どんな疑問を持つ人へ出るか | 広告文の対象を取り違えないため |
| standard text ad | 料金、地域、納期、特徴のどれを伝えているか | 効いた約束を失わないため |
| リンク先ページ | 広告で示した条件を読めるか | クリック後に約束を確かめられるようにするため |
| 成果の記録 | 何を比較対象にするか | 新しい広告を見た目だけで選ばないため |
たとえば「修理の見積もり」を探す人へ出す広告で、既存の広告が対応地域と受付時間を明記しているとします。expanded text adの二つ目の見出しへ、事業者側が言いたい会社紹介だけを足すと、検索した人が先に確認したい条件が後ろへ追いやられます。まず、既存広告で約束していた条件を引き継ぎます。そのうえで、新しい場所には、リンク先ページで確認できる別の判断材料を足します。
一つの広告groupへ同じ新広告を流し込まない
AdWordsでは、同じexpanded text adを多くの広告groupへそのまま入れないよう案内しています。広告groupごとに検索語が違えば、必要な答えも違うからです。
同じ商品を扱っていても、「価格を知りたい人」と「対応地域を知りたい人」と「急ぎで依頼したい人」は、広告に求める情報が同じではありません。二つ目の見出しへ価格、地域、納期を全部詰め込むと、どの人にも曖昧な広告になります。広告groupを分けるか、今の広告groupが一つの疑問を扱えるように整理します。
ここで見るべきなのは、広告の文体ではありません。検索語、広告文、リンク先ページの間に、同じ約束があるかです。広告で「即日対応」と書くなら、リンク先ページで対応条件と地域を確認できなければなりません。広告だけを先に変え、リンク先の説明が古いままでは、文字数を増やしても読者の判断は進みません。
広告groupに複数の意図が混ざっている場合は、expanded text adを書く前にgroupを見直します。価格を探す検索語と、修理の可否を探す検索語へ同じ広告を出すなら、見出しを一つ増やしても両方へ正確には答えられません。groupを分けられない事情がある場合でも、どちらの疑問を優先する広告かを決めます。新しい形式を、古い分類の曖昧さを隠すために使いません。
新しい広告は既存の勝ち広告と比べる
expanded text adを作ったら、既存のstandard text adをすぐに止めません。Googleは、新しい広告が一貫して既存広告を上回るまで、働いているstandard text adを残すよう案内しています。新形式だから勝つのではなく、検索語に合う内容かどうかで比べます。
比較するとき、広告文、リンク先、予算、入札を同時に変えると理由が分かりません。まず、同じ広告groupで、既存広告が伝えている中心の約束を一つ選びます。新しい広告では、その約束を残したうえで、追加した見出しだけの役割を変えます。次に、同じ期間と条件で表示、クリック、コンバージョンを見ます。
比較の目的は、より長い広告を選ぶことではありません。たとえばブランド名で検索する人には、会社名と公式サイトだと分かる短い見出しで十分なことがあります。すべての文字を使うことを目標にせず、検索した人が次に確認したいことを一つずつ試します。
testの途中で、表示回数やクリックが少ない広告groupもあります。その場合は、短い期間の数字だけで既存広告を止めません。広告を増やして比較する目的と、急いで新形式へ置き換える目的を分けます。検索語、広告文、link先の条件が確認できているかを先に見て、比較できる記録がそろってから残す広告を決めます。
作業は次の順序で進めます。
- 広告groupを一つ選び、既存広告、キーワード、リンク先を並べる。
- 既存広告で残す約束と、追加する見出しの役割を決める。
- 追加する役割が異なるexpanded text adsを作る。
- リンク先ページに同じ条件があることを確認して配信する。
- 既存広告と新広告を同じ広告groupで比べ、残す理由を記録する。
入稿作業と広告内容の承認を分ける
広告代理店や制作者は、広告の設定と入稿を代行できます。しかし、価格、対応地域、受付条件、納期を広告で約束してよいかは、事業側が決めることです。広告の形式が変わるたびに、承認されていない条件まで広告文へ足すと、クリックは増えても対応できない問い合わせを増やすことがあります。
移行時に必要なのは、広告の承認者を増やすことではありません。誰がどの条件を確認するかを決めることです。設定担当者は広告groupと比較条件を整え、事業側は広告とリンク先で伝える条件を確定します。この二つがそろえば、形式変更をきっかけに広告の約束を曖昧にしません。
承認の対象には、広告文だけでなく表示URLとlink先URLも入れます。広告で示した地域や料金の条件がlink先に書かれていなければ、入稿できても利用者は確認できません。link先を更新する担当者が別なら、広告を配信する日までに何を直すかを共有します。広告とpageの更新日がずれることを、運用担当者だけの問題にしません。
最初の一手は、一つの広告groupについて、今働いているstandard text ad、検索語、リンク先ページを一枚へ並べることです。何を引き継ぐかが見えてから、新しい見出しを書きます。
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