• Google Analyticsの既定期間は定期確認の目的に合わせて決める

Google Analyticsの既定期間は定期確認の目的に合わせて決める

公開日: 執筆:佐藤

Google Analyticsを開いたときの既定期間は、最初に異常を見つけるための入口です。数字を評価する条件そのものではありません。直近の変化を追うなら短い期間が役立ちます。月ごとの報告や広告変更の結果を比べるなら、別に比較する期間を決めます。既定期間と比較期間を一つの設定で済ませると、見つける作業と判断する作業が混ざります。

Google Analyticsではuser settingsから、レポートを開いたときの既定のdate rangeを変更できます。既定値も七日間になります。短い期間なら、広告の変更やページの修正による動きを早く見つけられます。しかし、七日間の数字だけで、今月の問い合わせが増えた、広告が成功したと決めることはできません。

既定期間を変える前に、毎回どの数字を見て、数字が変わったときに何を確かめるのかを決めます。たとえば、問い合わせを増やすことが目的なら、訪問数だけを見ても判断できません。問い合わせ完了を数える設定が動いているか、問い合わせpageまで読まれているか、検索広告から来た人の数が変わったかを順に見ます。最初の画面で表示する期間は、その確認を始めやすくするための設定です。

既定期間を短くすると、変化を見つけるのは早くなります。その代わり、祝日、営業日の数、広告を止めた日、季節の違いの影響も受けやすくなります。長い期間なら一日の揺れは小さく見えますが、formが壊れた日や広告費を急に替えた日を見落としやすくなります。短い期間と長い期間のどちらが正しいかではなく、確認したい変化に合わせて使い分けます。

画面を開く期間と比べる期間を分ける

既定期間は、毎回の確認で最初に見る範囲です。比較期間は、増減の理由を考えるためにそろえる範囲です。前者は気づくために使い、後者は判断するために使います。

確認する仕事 最初に開く期間 比較するときにそろえる条件
日々の変化を見つける 直近七日間 前の同じ日数と曜日
月次の報告を作る 月初から月末 前月または前年同月の集計範囲
広告の変更を確かめる 変更日を含む短い期間 変更前後の日数、広告、リンク先
問い合わせの減少を調べる 減少が始まった日から 流入元、休業日、フォームの動作

説明用の仮例として、毎週月曜日に問い合わせ数を確認する場合を考えます。直近七日間を既定期間にすれば、最初の画面で変化を見つけやすくなります。ただし、祝日を含む週と含まない週を比べても、問い合わせ数だけでは理由が分かりません。広告を止めた日、休業日、検索から来た人の数、フォームの動作を分けて確認します。

この仮例で、問い合わせが前の週より少なかったとしても、直ちに広告文を書き替える必要はありません。最初に、集計している期間の開始日と終了日を確認します。次に、全体の訪問数、検索広告の訪問数、問い合わせ完了の数を分けます。訪問数が変わらず、問い合わせ完了だけが急に減ったなら、formや完了pageの動作を確認する理由があります。検索広告からの訪問だけが減ったなら、広告の予算、掲載状態、keyword、link先を見ます。一つの合計だけで原因を決めないことが、期間を使う意味です。

期間を比べるときは、画面上の合計だけでなく、何日分かを紙や作業メモへ残します。月初から十日までの数字を、前月の一か月分と比べれば、同じ名称の「月次」であっても対象日数が違います。前年の同じ時期と比べる場合も、曜日の並びや休業日が違えば、差の理由を一つには絞れません。比較は答えを自動で出す機能ではなく、次に確認する場所を決めるための材料です。

短い期間で数字が下がったとき、するべきことは期間を長くして見えなくすることではありません。変化が本当にあるかを、同じ曜日を含む前の期間と比べます。必要なら、もう少し長い期間へ広げて、偶然の一日なのか、数週間続く変化なのかを確かめます。

七日間の画面から結論を出さない

七日間の表示は、三十日間の表示では埋もれる変化を見つけるために向いています。たとえば、広告文を替えた翌週に検索からの訪問が減ったなら、変更日を中心に短い期間を見ます。そのあとで、同じ広告グループか、別の流入元にも同じ変化があるかを調べます。

反対に、月次の問い合わせ数を確認したいなら、日数がそろわない七日間をそのまま比較しません。月初から月末を集計し、比較する月の休業日や広告費の違いを確認します。画面を開くときの便利な期間と、報告で使う期間は違ってよいのです。

数字を見て起きやすい誤り 分けて確認すること
七日間で減ったので広告が悪いと決める 変更日、流入元、曜日、休業日
今月の途中経過を前月の全体と比べる 集計日数と対象日
全体が増えたので問い合わせも増えたと考える 問い合わせ完了、流入元、ページ別の動き

既定期間は担当者ごとの設定です。作業を引き継ぐとき、相手が同じ画面を開くとは限りません。毎週見るレポートと、月次報告に使うレポートを分け、期間の選び方を作業メモへ残します。設定だけを共有しても、なぜその期間を見るのかが分からなければ、数字の解釈は引き継げません。

作業メモには、細かな操作をすべて書く必要はありません。「毎週月曜は直近七日間を見て、前週の同じ日数と比べる」「月次報告は月初から月末で締め、広告費と問い合わせ完了を併記する」といった判断の条件を残します。これなら、別の人が同じaccountを開いても、画面の初期表示に引きずられずに確認を始められます。担当者が替わったときに必要なのは、設定値そのものより、数字を比べる目的と条件です。

全体の数字に異常が見えたときは、既定期間を元へ戻して終わらせません。まず対象期間を変えずに、流入元、page、端末など、変化が出ている範囲を狭めます。そのうえで期間を広げ、同じ変化が続いているかを見ます。期間を替える操作は、都合のよい数字を探すためではなく、変化の範囲と続いた時間を確かめるために行います。

最初の一手は、毎週または毎月開くレポートを一つ選びます。そのレポートで見つけたい変化を一文にし、画面を開く期間と比べる期間を別に書きます。既定期間を変えるのは、その二つが決まったあとで十分です。

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