ホームページの表示速度が遅いときは平均値ではなくページと利用環境を分けて調べる
公開日: 執筆:佐藤
ホームページの表示速度が遅いときは、サイト全体の平均読み込み時間だけを見て、サーバーや画像を原因と決めないでください。Google AnalyticsのSite Speedで遅いページを見つけ、ブラウザーと地域を分けます。さらに、リダイレクト、DNS参照、サーバー接続、サーバー応答、ページのダウンロードに要した時間を比べます。
調べる順序は、原因の候補を減らすためにあります。最も長い時間を示す部分から確認すれば、関係のないページや設備まで一度に変えずに済みます。
平均読み込み時間だけでは直す場所を決められない
Google AnalyticsのSite Speedは、ページごとの読み込み時間、読み込み時間の分布、地域別の状況を確認できるレポートです。2011年11月からは、追加の計測コードを入れなくても、すべてのGoogle Analyticsアカウントで利用できるようになりました。
ただし、Site Speedは、すべてのページビューの読み込み時間を集めるのではなく、サンプリングしたデータからレポートを作ります。サイト全体の平均値には、異なるページ、ブラウザー、地域の測定結果も混ざります。平均値が一つ分かっても、どのページや利用環境で遅いのかまでは分かりません。
平均値は異常に気づく入口として使い、改修箇所を決める根拠には、分けたデータを使います。
遅いページを先に分ける
まず、Site Speedでページ別の読み込み時間を確認します。アクセスが多いページや、問い合わせまでの経路にあるページのうち、読み込みが遅いものを一つ選びます。サイト全体を一度に直す前に、事業上の役割があり、利用者への影響も確認できるページから調べます。
説明用の仮例として、サービス案内だけが遅く、会社概要や問い合わせ完了ページには同じ傾向がない場合を考えます。この段階では「ホームページ全体が遅い」とは判断できません。サービス案内だけにある画像、外部ファイル、転送、処理を調べる余地があります。
反対に、多くのページで同じ時間が増えているなら、各ページに共通する処理や配信環境が候補になります。ページ単位で分けると、個別の問題と共通の問題を混同しにくくなります。
同じページをブラウザーと地域で分ける
次に、選んだページをブラウザーと地域で分けます。Google AnalyticsのSite Speedは、地域別の表示と、ブラウザーを追加の分析軸にした確認ができます。
特定のブラウザーだけで読み込み時間が長いなら、そのブラウザーで同じページを開き、JavaScriptの処理や描画を確認します。特定の地域だけで長いなら、利用者からサーバーまでの通信経路や距離も候補に加えます。分けた結果だけでは、原因を確定できません。該当する環境と比較する環境で同じページを開き、差を再現できるか確かめます。
サンプルが少ない組み合わせは、一回の遅い測定に左右されることがあります。測定数を確認できない場合は断定せず、期間を広げるか、同じ条件で測り直します。
読み込み時間を五つの区間へ分ける
Site SpeedのTechnical欄では、ネットワークとサーバーに関する時間を五つに分けて確認できます。
| 時間 | 示す範囲 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| リダイレクト時間 | ページを取得する前の転送に要した時間 | 不要な転送がないか、特定の参照元だけで転送が増えていないか |
| DNS参照時間 | ドメイン名のDNS参照に要した時間 | DNSの応答が継続して大きいか |
| サーバー接続時間 | 利用者がサーバーへ接続するまでの時間 | 地域や回線による差がないか |
| サーバー応答時間 | 要求してからサーバーが応答するまでの時間 | サーバー側の処理と、利用者からサーバーまでの距離 |
| ページダウンロード時間 | ページを受信するために要した時間 | 最初に受信するデータ量を減らせないか |
平均ページ読み込み時間には、この五つに加えて、ブラウザーがJavaScriptを解析して実行する時間、ページを描画する時間、画像やスタイルシートなどを追加で取得する時間も含まれます。
大きな値を示す区間から調べます。DNS参照時間が大きいのに画像だけを圧縮しても、主要な遅延は残るかもしれません。サーバー応答時間が大きいなら、ページの生成処理を確認します。ページダウンロード時間が大きいなら、最初に送るデータ量を確認します。数値は原因そのものではなく、調査を始める場所を示します。
Page Speed Onlineでページ側の改善候補を確認する
Page Speed Onlineは、ブラウザーからページの性能を分析し、速くするための具体的な提案を示します。パソコン向けだけでなく、スマートフォン向けの提案も確認できます。
Site SpeedとPage Speed Onlineは、役割が違います。Site Speedは、利用者の読み込み時間をサンプリングして、遅いページや環境を探すために使います。Page Speed Onlineは、選んだページにどのような改善候補があるかを調べるために使います。
提案が出た項目を、すべて同時に変更する必要はありません。Site Speedで大きかった時間と関係する提案があれば、一つ選び、変更前後を同じページ、ブラウザー、地域で比べます。関係する提案がなければ、Technical欄の値に沿ってDNSやサーバー側を調べます。複数の変更をまとめると、どの変更が読み込み時間に影響したのか分からなくなります。
検索順位より利用者の待ち時間を先に直す
Googleは2010年4月、site speedを検索順位のシグナルへ加えました。ページの遅延に関する説明でも、ページの遅延は検索順位を決める要因だと説明しています。一方で、Googleは、検索語に対するページの関連性のほうが重要だとしています。
表示速度を改善すれば、検索順位が必ず上がるわけではありません。検索順位だけを目的に、内容を削ったり、必要な機能を外したりすれば、ページの役割を損ないます。先に直すのは、利用者が待たされ、目的の情報や操作へ進みにくくなっている箇所です。
最初に、利用者への影響が大きい一ページを選んでください。ページ、ブラウザー、地域、五つの時間を記録し、最も大きな遅延に関係する変更を一つだけ行います。そのあとで、同じ条件の読み込み時間を比べます。
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