Google Analyticsのアノテーションはサイト変更日をグラフへ記録する
公開日: 執筆:佐藤
Google Analyticsのアノテーションには、アクセスが増減した理由ではなく、確認できた変更日と作業内容を記録します。日付のメモを時系列グラフへ残せば、訪問数や目標達成の変化を調べる起点になります。
注記の近くで数字が動いても、その変更が原因だとは限りません。アノテーションが残すのは事実の発生日です。原因の判断には、同じ条件のデータと、ほかの変更記録が必要です。
アノテーションは日付と出来事をグラフへ残す
アノテーションは、Google Analyticsの時系列グラフへ注記を付ける機能です。Google Analytics公式ブログの機能紹介では、プロフィールへアクセスできる利用者が、共有または非公開のメモをグラフへ残せると説明しています。
グラフ上の日付を選び、そこで起きた出来事を記録します。Google Analytics公式ブログの解説も、特定の日に起きた出来事のメモを追加し、ページビューや目標などの指標と一緒に見られると紹介しています。
書く内容は、あとから確かめられる事実に絞ります。架空の記入例なら、「商品ページのナビゲーションを公開」「検索広告の配信を開始」「計測コードを変更」のように、何をしたかが一読で分かる文にします。担当者名や変更ファイルなどの詳しい記録が必要なら、作業記録を別に残し、アノテーションには要点と参照先を書きます。
記録する事実と原因の推測を分ける
次の表は、使い分けを示すための架空例です。サトラボや特定の事業者の実績ではありません。
| アノテーションへ記録する事実 | その場では断定しないこと |
|---|---|
| 12月3日 商品ページのナビゲーションを公開 | ナビゲーションの変更でページビューが増えた |
| 12月5日 検索広告の配信を開始 | 検索広告によって訪問数が増えた |
| 12月7日 計測コードを変更 | 計測コードの変更で訪問数が減った |
左列は、公開記録、広告管理画面、作業記録などで確認できる出来事です。右列は、グラフと同じ日に変化があっただけでは確定しない因果関係です。
「訪問数が増えた原因は広告開始」と書けば、後から読む人は、検証済みの結論だと受け取ります。「検索広告の配信を開始」とだけ書けば、広告の開始日を手掛かりに、流入元やキャンペーン別の数字を調べられます。記録と解釈を分けるほど、アノテーションは調査に使えるメモになります。
共有と非公開はメモを読む相手で分ける
複数の担当者が同じプロフィールを使うなら、サイト公開、広告開始、計測設定の変更など、共通して参照する事実は共有メモにします。個人で確認している仮説や、まだ関係者へ確認していない内容は、共有記録へ混ぜません。
非公開メモは、個人の調査途中の考えを残す場所として使えます。ただし、運用上必要な変更日を非公開にすると、別の担当者が同じ日を調べ直すことになります。共有か非公開かは、内容の重要度ではなく、誰が次に判断するかで選びます。
アノテーションだけを正式な作業記録にする必要はありません。Google Analyticsのグラフと照合する日付はアノテーションへ、変更箇所、承認者、元へ戻す手順は作業記録へ残します。グラフ上のメモと、運用を引き継ぐ記録は役割が違います。
グラフでは変更日の前後を同じ条件で比べる
アノテーションを付けたら、その日を含む期間を開き、調べたい指標を一つ選びます。訪問数を見るなら訪問数、目標達成を見るなら目標達成を、同じプロフィールと計測条件で比べます。日単位の変化を見ている途中で、週単位や別のプロフィールへ比較対象を替えません。
変更日の前後に差があれば、次に対象を絞ります。先の架空例で検索広告の開始を記録したなら、サイト全体の訪問数だけでなく、そのキャンペーンからの訪問を確認します。計測コードの変更を記録したなら、集客施策を評価する前に、変更したページで計測が続いているかを確かめます。
同じ日に複数の作業を行った場合は、一つのアノテーションから原因を選べません。曜日、季節、別の広告、サイト外での紹介など、記録していない条件も数字へ影響します。アノテーションは、調査する日付と候補を絞るために使います。
詳細を詰め込みすぎず後から意味が分かる粒度にする
Google Analyticsのアノテーション運用に関する説明は、サイトのデザイン、構造、内容、計測コード、イベント、目標、フィルタなどの変更を記録する用途を挙げています。一方で、細かな変更をすべて書くと注記が混み合い、読む意味が薄れるため、要点へ絞るよう勧めています。
「サイトを更新」では、何が変わったか分かりません。「商品ページのナビゲーションを公開」なら、対象と作業が分かります。反対に、変更したHTMLやJavaScriptの全行をアノテーションへ書く必要もありません。あとからグラフを見た人が、別の作業記録を探せる粒度にします。
まず、公開日を確認できる変更を一件選んでください。その日付、対象、行った作業を一文にし、Google Analyticsのグラフへアノテーションとして残します。数字の変化については同じ文へ書かず、グラフを見てから別に検証します。
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