• Google Analyticsのカスタムアラートは変化の通知から調査を始める

Google Analyticsのカスタムアラートは変化の通知から調査を始める

公開日: 執筆:佐藤

Google Analyticsのカスタムアラートは、指定した指標が決めた条件に一致したとき、変化を知らせる機能です。アラートを受け取っても、Google Analyticsが原因を確定したり、サイトや計測設定を直したりするわけではありません。通知を調査の開始点として使います。

最初に決めるのは、アラートの数ではありません。見落とすと対応が遅れる数値、その数値を確認する担当者、通知後に開くレポートを一組にします。

自動アラートとカスタムアラートは条件の決め方が違う

Analytics Intelligenceには、自動アラートとカスタムアラートがあります。自動アラートは、Google Analyticsがトラフィックの傾向を監視し、通常と異なる変化を検出します。カスタムアラートは、利用者が監視したいディメンション、指標、条件を決めます。

GoogleによるAnalytics Intelligenceの説明では、この機能は分析担当者の代わりではなく、調べるべき変化を見つける役割だとされています。アラートは、原因ではなく、起きた変化を示します。

機能 条件を決める主体 主な役割
自動アラート Google Analytics 通常と異なる変化を検出する
カスタムアラート 利用者 決めておいた条件に一致する変化を知らせる
アノテーション 利用者 サイト変更や広告開始などの日付をグラフへ残す
リアルタイムレポート Google Analytics 現在発生している訪問やページ閲覧を確認する

カスタムアラートを設定しても、想定していなかった変化をすべて見つけられるわけではありません。条件に入れていない指標や範囲は、別のレポートと自動アラートで確認します。

通知後に行う判断から条件を決める

アラート名を書く前に、通知を受けたら何を調べるかを決めます。数値が変わっても対応しないものへ通知を増やすと、重要な通知まで見落とします。

たとえば、サイト全体の訪問数が大きく減ったとき、計測コード、サーバーの状態、検索や広告からの流入を確認するなら、その調査を始められる条件を作ります。問い合わせ完了数を監視するなら、目標設定とフォームの動作を確認できる担当者へ通知します。

次の四点を一行で書けないアラートは、まだ設定しません。

  1. 監視する対象
  2. 変化を判断する指標と条件
  3. 通知を受ける担当者
  4. 通知後に最初に開くレポート

「アクセスが減ったら知らせる」だけでは、期間も減少幅も分かりません。「日単位で、サイト全体の訪問数が前日より一定割合以上減ったら、ウェブ担当者へ知らせ、トラフィックの参照元レポートを確認する」のように、通知と調査をつなげます。

プロファイル、期間、条件、通知先を設定する

Googleのカスタムアラートの設定例では、アラート名、適用するプロファイル、期間、訪問者に関する条件、指標に関する条件を設定し、メール通知を選べます。カスタムアラートはIntelligenceレポート内で作成、編集できます。

設定項目は、次の順で決めます。

  1. アラート名に、対象、指標、条件を含める
  2. 監視するプロファイルを選ぶ
  3. 日、週、月から期間を選ぶ
  4. 必要なら、地域やキャンペーンなどの対象条件を絞る
  5. 訪問数、目標、収益などの指標と判定条件を選ぶ
  6. 通知を受けるメールアドレスを決める

「注意」「確認」のような名前だけでは、メールを受け取った人が条件を判断できません。「サイト全体・訪問数・日次減少」「問い合わせ目標・週次ゼロ」のように、対象と条件が分かる名前にします。これらは命名方法を示す例であり、特定サイトの設定や実測値ではありません。

Custom Alertsの機能説明では、日、週、月の単位で、ディメンションと指標に対する条件を設定し、画面またはメールで通知できます。毎日の変化を調べるなら日、曜日差が大きいサイトなら週、月ごとの業務を確認するなら月を候補にします。

期間が短いほど優れているわけではありません。訪問や問い合わせが少ないサイトでは、一件の差が大きな割合になります。日次通知が頻繁に出るなら、週次へ変えるか、条件を見直します。反対に、計測停止を早く知る必要がある数値を月次だけで見ると、発見が遅れます。

しきい値は通常の変動と対応期限から決める

しきい値は、通知を出す境目です。小さすぎると通常の変動でも通知され、大きすぎると調査すべき変化を見逃します。

最初に、同じ曜日や同じ期間の過去データを確認します。次に、担当者が対応を始めるべき変化を決めます。通常の範囲を確認できる期間がなければ、小さな差を異常と断定せず、仮の条件で通知を受け、結果を記録して調整します。

監視したいこと 条件の組み立て 通知後の最初の確認
サイト全体の計測停止を疑う 訪問数が日単位で大きく減る リアルタイムレポート、計測コード、サーバー
問い合わせ計測の停止を疑う 問い合わせ目標の完了数が決めた範囲を下回る 目標設定、フォーム、完了ページ
特定キャンペーンの変化を知る キャンペーンを絞り、訪問数や目標を条件にする キャンペーン別の参照元と目標
売上の急な変化を知る 収益が決めた割合以上増減する 商品、参照元、決済、受注記録

これは条件設計を示す仮例です。減少率、件数、金額は、各サイトの通常の変動、営業日、対応期限から決めます。業種共通の安全なしきい値はありません。

通知を受けたら期間と内訳をそろえて調べる

アラートを受け取ったら、先に設定内容を確認します。対象プロファイル、期間、ディメンション、指標、比較条件を取り違えると、別の数字を調べることになります。

次に、同じ期間と同じ指標で内訳を見ます。サイト全体の訪問数が減ったなら、検索、参照元サイト、広告、直接訪問へ分けます。目標完了数が減ったなら、訪問数の減少、フォームへ到達した割合、完了ページの計測を分けます。

Analytics IntelligenceのMajor Contributorsには、大きな変化へ影響したとGoogle Analyticsが判断した区分が、最大五つ表示される場合があります。表示された区分は原因の候補です。サイト変更、広告停止、休日、計測不具合など、Google Analyticsの外側にある事実と照合して原因を判断します。

調査では、次の順に記録します。

  1. アラート名と発生日
  2. 対象プロファイル、期間、条件
  3. 変化した指標と主な内訳
  4. サイト変更、広告、営業日などの出来事
  5. 原因として確認できたこと、確認できなかったこと
  6. 修正内容と、次に同じ条件を確認する日

原因が確認できたら、アノテーションへ変更日を残します。通常の変動で通知されたなら、しきい値または期間を調整します。原因を確認できない場合は「異常」と決めつけず、確認した範囲と未確認の範囲を分けて残します。

カスタムアラートの完成条件は、メールが届くことではありません。通知を受けた担当者が、同じ期間と指標のレポートを開き、原因の候補を調べ、結果を記録できることです。まず一つ、見落とすと対応が遅れる数値を選び、通知後の確認手順と一緒に設定してください。

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