AdWordsのAuction insightsは同じオークションに参加した広告主だけを比べる
公開日: 執筆:佐藤
AdWordsのAuction insightsは、選んだキーワードについて、自社と同じ検索オークションに参加した広告主との表示状況を比べるレポートです。市場全体の競合一覧でも、相手のキーワードや入札額を調べる機能でもありません。
先に見るのは、相手のドメイン名ではなく、比較の範囲です。一つのキーワードと期間を決め、その範囲で表示機会、同時表示、掲載位置を分けて読みます。数値が高い相手を見つけただけで、入札や予算を上げないでください。
Auction insightsに出る相手は同じオークションへ参加した広告主である
Auction insightsの機能説明は、自社と同じ一組のオークションで競った広告主との実績を比較するレポートとしています。相手が同じキーワード、同じマッチタイプ、同じ地域設定を使っていることまでは示しません。
検索結果で似た商品を宣伝していても、事業上の競合とは限りません。メーカー、販売店、比較サイトなど、利用者の次の行動が異なる広告も同じ画面へ出ます。逆に、事業上は競合していても、地域、時間帯、キーワードが違えば、選んだ範囲のレポートには出ないことがあります。
したがって、このレポートから分かるのは、選んだキーワードの表示機会で重なった相手です。市場にいる会社の数や、相手の広告戦略全体へ読み替えません。
五つの指標は表示機会、同時表示、掲載位置を分けて読む
Auction insightsには、キーワード単位で五つの指標が表示されます。
| 指標 | 表すもの | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| Impression share | 広告を表示できたと推定される機会のうち、実際に表示された割合 | 検索回数そのものではない |
| Average position | 広告が表示されたときの平均掲載位置 | 表示されなかった機会は位置の平均に入らない |
| Overlap rate | 自社広告が表示されたとき、相手の広告も表示された割合 | 市場全体で相手が表示された割合ではない |
| Position above rate | 両方の広告が表示されたとき、相手が自社より上へ出た割合 | 相手と重ならなかった表示は含まれない |
| Top of page percent | 広告が自然検索結果より上の領域へ出た割合 | 一番上の広告枠だけを表すとは限らない |
たとえば、Overlap rateとPosition above rateは分母が違います。前者は自社広告が表示された回、後者は自社と相手が同時に表示された回を基準にします。二つの割合を、そのまま強さの順位として並べることはできません。
Impression shareが低い場合も、相手が原因だとは限りません。予算、入札、広告の品質、配信条件など、表示機会を失う理由は分けて調べます。Auction insightsは比較の入口であり、原因を一つに決める診断結果ではありません。
相手のキーワード、品質、設定はレポートから分からない
機能説明は、相手が使う実際のキーワード、広告の品質、キャンペーン設定を公開しないと明記しています。表示されたドメインと指標から、相手の入札額、予算、マッチタイプを逆算することもできません。
また、相手側の指標は、自社広告も表示可能だったと推定される機会を基準にしています。相手のアカウント全体や、相手が参加したすべてのオークションを見ているわけではありません。期間やキーワードを変えれば、比較対象と数値も変わります。
自社広告を何度も検索して掲載位置を確かめる方法とも分けます。自己検索では、その時刻、その場所、その一回の表示しか見えません。Auction insightsは、選んだ期間に蓄積された対象キーワードの比較です。ただし、一定の活動量を満たすキーワードだけで利用できます。表示されないときは、相手がいないと断定せず、対象期間とキーワードを確認します。
一つのキーワードと一つの変更に絞って記録する
最初は、事業上重要で、レポートを表示できるキーワードを一つ選びます。対象期間、Impression share、Overlap rate、Position above rate、Top of page percent、表示されたドメインを同じ表へ記録してください。
次に、自社の検索語句、広告文、リンク先、コンバージョンを確認します。検索した人へ約束する内容とリンク先がずれているなら、他社より上へ出す前に直すべき問題です。問い合わせにつながらないキーワードの入札を、相手の掲載位置だけを理由に上げる必要はありません。
入札、予算、キーワード、広告文のいずれかを変更する場合は、変更日と目的を残します。複数の変更を同時に行うと、指標が動いた理由を分けにくくなります。運用を外部へ任せても、比較したキーワード、判断に使った期間、変更理由は広告主側で保管します。
Auction insightsを使う目的は、相手の設定を推測することではありません。同じ表示機会で何が起きているかを確認し、自社の広告で直す対象を絞ることです。
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