AdWordsのpaid & organic reportは広告と自然検索を同じ検索語で比べる
公開日: 執筆:佐藤
paid & organic reportは、Googleの検索結果で広告だけが表示された検索クエリ、自然検索だけが表示された検索クエリ、両方が表示された検索クエリを一つのレポートで比べる機能です。
このレポートを見ても、自然検索だけに出た語をすべてAdWordsへ追加する必要はありません。先に、その検索へ広告費を使う理由と、広告から案内できるページがあるかを確認します。
paid & organic reportは三つの表示状態を同じ検索クエリで比べる
Googleのpaid & organic reportに関する公式説明では、検索クエリごとに、広告が表示された場合、自然検索の掲載結果が表示された場合、両方が表示された場合の成果を比較できるとされています。
広告と自然検索のレポートは、目的が違います。
| レポート | 主に確認するもの | この記事での役割 |
|---|---|---|
| AdWordsの検索語句レポート | 広告表示へつながった実際の検索語句 | キーワード、広告文、除外語を見直す |
| Webmaster ToolsのSearch queries | Google検索でサイトの掲載結果が現れた検索クエリ | 自然検索で見つかる語とページを確認する |
| paid & organic report | 広告、自然検索、両方という表示状態 | 同じ検索クエリについて二つの入口を比べる |
paid & organic reportは、既存の二つのレポートを不要にするものではありません。広告の詳細は検索語句レポート、自然検索の詳細はWebmaster Toolsで確認し、両方の関係を調べるときに使います。
Webmaster Toolsとの連携にはサイト所有者の確認が必要になる
paid & organic reportを使うには、AdWordsアカウントとWebmaster Toolsアカウントを結び付けます。連携できるのは、Webmaster Toolsで確認済みのサイト所有者か、その所有者からアクセスを認められた人です。
広告運用会社がAdWordsを管理し、制作会社がWebmaster Toolsを管理している場合は、どちらかが相手のアカウントを借りて作業する必要はありません。サイト所有者が確認済みの状態を保ち、必要な人へ必要なアクセスだけを認めます。
連携前に、次の関係を一枚に書きます。
- 対象となるサイト
- そのサイトを確認済みの所有者
- 連携するAdWordsアカウント
- レポートを見る担当者
- アクセスを外す判断をする人
広告の契約が終わっても、サイト所有権まで外部へ残さないようにします。レポートを作るためのアクセスと、サイトを所有する権限を分けてください。
自然検索だけに出る語は広告キーワードの候補として調べる
公式説明では、自然検索だけに表示され、関連する広告がない検索クエリから、AdWordsへ追加するキーワード候補を見つける使い方が示されています。
ここで「候補」と「追加」を分けます。自然検索で表示された事実だけでは、その語へ広告費を使う価値があるか分かりません。
説明用の仮例として、商品を販売するサイトが「商品の手入れ方法」という検索で自然検索に表示されたとします。情報を探す人へ手入れ記事を案内する目的なら適切です。しかし、今すぐ商品を購入する人だけを集めたい広告へ同じ語を追加すると、目的とリンク先が合わない可能性があります。
候補語について、検索した人の疑問、広告で約束する内容、リンク先、許容できる費用を一組で書きます。四つがそろう語だけを、小さな広告グループで試してください。
広告と自然検索の両方が出ても広告の効果とは断定しない
同じ検索結果に広告と自然検索の掲載結果が出た場合、paid & organic reportでは両方が表示された状態を確認できます。ただし、その比較だけで、広告が自然検索のクリックを増やした、または奪ったとは断定できません。
表示状態には、検索クエリ、掲載位置、広告文、自然検索のタイトル、端末、地域、時間などの違いが重なります。広告と自然検索の合計が大きいという理由だけで、入札単価を上げたり広告を止めたりしないでください。
最初は、一つの検索意図を表す語群について、広告だけ、自然検索だけ、両方の三状態を同じ期間で比べます。次に、広告の費用とコンバージョン、自然検索から到達したページ、問い合わせ結果を別々に確認します。
サイト改善と広告変更は同じ日に重ねない
paid & organic reportは、サイトを改善した場合や、AdWordsの入札単価、予算、キーワードを変更した場合に、広告、自然検索、両方の変化をまとめて見る用途にも使えます。
しかし、サイトのタイトルと本文を直した日に、広告キーワードと入札単価も変えると、どの変更が結果へ関わったか分かりません。変更対象を一つに絞り、変更日と理由を記録します。
自然検索の掲載結果は、サイトを直した直後に必ず変わるとは限りません。広告は予算や入札の変更後に配信量が変わる場合があります。短い期間の差だけで結論を出さず、同じ曜日を含む期間で比べてください。
広告を出していなくても自然検索の検索クエリを確認できる
Googleの公式説明では、広告を購入していない場合でも、Webmaster Toolsと連携して、paid & organic reportの検索クエリ単位の自然検索情報を利用できるとされています。
この使い方では、広告を始める前に、自然検索でどの疑問からサイトへ接点があるかを調べられます。ただし、自然検索に出ている語が、そのまま販売用の広告キーワードになるわけではありません。
情報収集、比較、購入、問い合わせという検索目的を分け、事業が広告で答えられる疑問だけを残します。広告を出していない期間の情報は候補探しに使い、広告開始後の成果を示す数字とは分けます。
一つの検索意図と一つのリンク先から比較を始める
最初に、事業に関係する一つの検索意図を選びます。paid & organic reportで、その語群が広告だけ、自然検索だけ、両方のどこに現れるかを確認します。自然検索だけに出る語を見つけた場合は、広告文とリンク先を先に作り、予算上限を決めてから試します。
両方が出る語を調べる場合は、広告のクリックと費用、自然検索の掲載結果、リンク先、問い合わせ結果を同じ表へ記録します。表示回数やクリック数を足した数字だけで、広告を続けるか止めるか決めないでください。
このレポートの価値は、広告と自然検索を一つの数字へ混ぜることではありません。同じ検索クエリに対して二つの入口がどう現れ、どちらから来ても読者の疑問へ答えられるかを確認できることにあります。
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