• Googleウェブマスターツールのサンプルリンクは被リンク全体の一覧ではない

Googleウェブマスターツールのサンプルリンクは被リンク全体の一覧ではない

公開日: 執筆:佐藤

Googleウェブマスターツールの「サイトへのリンク」からダウンロードできるサンプルリンクは、サイトへ張られた被リンクの全件一覧ではありません。「その他のサンプル リンクをダウンロードする」で得られる約10万本は、調査の入口に使う抽出データです。

ファイルにないリンクを「存在しない」と判断したり、表示されたリンクだけでサイト全体の評価を決めたりしてはいけません。何件あるかより、どの範囲から選ばれたサンプルかを先に確認します。

約10万本は全件ではなくサンプルである

Googleのサンプルリンク更新に関する説明によると、「その他のサンプル リンクをダウンロードする」では約10万本のリンクが表示されます。

サイトへの被リンクが約10万本より少ない場合でも、ファイルが全件を保証するとは説明されていません。ボタン名どおり、扱うのはサンプルです。ダウンロード件数と、実際に存在する被リンク総数を同じ数として扱わないことが重要です。

この違いは、リンクの削除や確認を外部へ依頼するときにも残します。「このファイルの全件を処理する」という作業範囲と、「サイトへの被リンクをすべて確認した」という結果は同じではありません。

選び方と並び順を分けて読む

サンプルリンクは、主にアルファベット順で選ばれていたため、リンク元がアルファベットの前半へ偏る場合がありました。Googleは選択方法を変更し、リンクの大部分を全範囲から均一にサンプリングすると案内しています。異なるドメイン名とトップレベルドメインからも、例が含まれやすくなります。

一方、ダウンロードした新しいリンクは、引き続きアルファベット順で表示されます。

見る項目 変更される点 誤解しないこと
サンプルの選び方 全範囲から、より均一に選ぶ 先頭から約10万本を切り出すわけではない
含まれるリンク元 異なるドメイン名とトップレベルドメインを含みやすくする すべてのドメインを必ず含むわけではない
ファイル内の並び順 アルファベット順のまま 並び順が選択基準を示すわけではない

ファイルがアルファベット順に並んでいることを見て、サンプルもアルファベット順に選ばれたと考えてはいけません。抽出と表示は別の処理です。

サンプルが変わっても被リンクが増減したとは限らない

選択方法が変われば、以前のファイルにあったリンクが新しいファイルにない場合や、以前はなかったドメインが現れる場合があります。それだけで、リンクが削除された、または新しく張られたとは断定できません。

確認日とファイルを保存し、同じURLがサイト上で実際に存在するかを別に確かめます。サンプルへ含まれたかどうかと、リンク自体が存在するかどうかを分けます。

リンク元の種類を調べる場合も、一つのファイルだけで割合を確定しません。サンプルは全体像に近い理解を得るための材料ですが、母集団そのものではありません。外部のリンク調査資料やアクセス記録を併用する場合は、それぞれの取得範囲と確認日を残します。

紹介リンクの把握と問題リンクの調査を混ぜない

Googleは、サンプルリンクを使う目的として、自分のコンテンツを紹介しているリンクの把握と、好ましくないリンク運用の見直しを挙げています。この二つは、同じファイルを使っても判断が違います。

紹介リンクを調べるなら、どのページが、どの内容を紹介しているかを確認します。問題の可能性があるリンクを調べるなら、リンク元ページ、リンクが置かれた文脈、作成経緯、自社が関与した施策を確認します。

知らないドメインからのリンクというだけで、削除対象とは決めません。反対に、知っている取引先や委託先のドメインだから問題がないとも決めません。ドメイン名の印象ではなく、リンクが作られた理由とページ上の状態を見ます。

元のファイルと調査結果を分けて保存する

ダウンロードしたファイルは加工せず、取得日を付けて保存します。その複製へ、確認状況や判断を追加します。

  1. Googleウェブマスターツールで、確認するサイトを選ぶ。
  2. 「サイトへのリンク」からサンプルリンクをダウンロードする。
  3. 元ファイル、取得日、選択したサイトを記録する。
  4. リンク元URLを開き、実在、文脈、作成経緯を確認する。
  5. 確認済み、未確認、削除依頼、経過確認など、事実と作業状態を別の列へ記録する。

リンクを削除するか、nofollowを依頼するか、リンク否認ツールを使うかは、サンプルへ含まれたという事実だけでは決まりません。担当者が変わっても判断をたどれるように、元データと、その後に加えた評価を分けます。

制作会社やSEO会社へ確認を依頼する場合も、Googleウェブマスターツールの所有権を渡す必要があるかを先に決めます。ダウンロードしたファイルだけで作業できるなら、その範囲に限定します。サイト所有者は、元ファイル、調査結果、削除依頼、残ったリンクの記録を持ちます。

最初に行うのは、サンプルリンクをすべて悪いリンクとして処理することではありません。元ファイルを保存し、一つのリンクについて、実在、文脈、作成経緯を確認してください。

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