• AdWordsのモバイル入札単価調整シミュレータは見込み値と実績を分けて使う

AdWordsのモバイル入札単価調整シミュレータは見込み値と実績を分けて使う

公開日: 執筆:佐藤

AdWordsのモバイル入札単価調整シミュレータは、入札単価調整を変えた場合に、クリックやコンバージョンがどの程度になり得るかを検討するための機能です。表示された見込み値を、そのまま次月の売上や実績として扱わないでください。変更前の条件を残し、実際に変更した後の数値と分けて比べます。

入札を変える判断と、変更後の成果を確認する仕事は別です。シミュレータは変更前に候補を比べるために使い、実際の広告費や問い合わせを判断するのは変更後の記録です。

シミュレータは変更結果を保証しない

Googleの2015年11月の案内では、Shopping campaignsのcampaign単位で、モバイル入札単価調整を変えた場合の機会を調べるmobile bid adjustment simulatorを案内しています。conversion estimatesも確認でき、変更した場合に得られた可能性があるconversionを検討できます。

ここで示されるのは、条件を変えた場合の見込みです。競合の入札、商品在庫、広告文、商品page、季節の需要が同じとは限りません。見込み値が大きいからといって、入札単価調整を最大にする理由にはなりません。

数字 使う場面 同じ意味にしないもの
シミュレータの見込み 変更候補を比較するとき 実際に発生したクリック、費用、conversion
変更後の実績 広告費と成果を確認するとき 変更前に表示された見込み

先に変えない条件を決める

モバイルの入札単価調整だけを判断したいなら、同時に商品group、広告文、予算、計測設定まで変えない方がよいです。複数を同時に変えると、数字が動いた理由を分けられません。

たとえば、衣料品を扱うsiteで、モバイルからの購入を増やしたいとします。このとき、まずcampaignと対象商品groupを決め、現在の入札単価調整、予算、conversionの数え方を記録します。シミュレータで複数の候補を比べた後は、一つの変更だけを選びます。

その後に見る数字は、click数だけでは足りません。費用、conversion、conversionあたりの費用、商品在庫の変化を同じ期間で確認します。モバイルのtrafficが増えても、受け皿となる商品pageや在庫が対応できなければ、広告の変更だけで判断はできません。

見込みを比べる表と実績を比べる表を分ける

シミュレータを見るときは、候補ごとに見込みを並べる。変更した後は、その表へ実績を書き足さず、別の表で比較する。同じ欄に並べると、見込みと実績が同じ条件で得られた数字のように見えてしまう。

変更前に残すもの 変更後に残すもの
campaign、対象商品、現在の調整率 実際に設定した調整率と適用日
シミュレータで比較した候補 同じ期間のclick、費用、conversion
変更しないと決めた予算と計測条件 予算、計測条件、在庫に変更がなかったか
見込み値を見た日 比較した開始日と終了日

たとえば、見込みではモバイルのconversionが増える候補を選んでも、変更後に費用だけが増える場合がある。そのとき、シミュレータが間違っていたとすぐ決めるのではなく、同時に変わった予算、商品在庫、商品ページ、計測条件を確認する。反対に、conversionが増えても、想定より費用が増えたなら、広告費をどこまで許容するかは別に決める。

見込みは、候補を選ぶ前の情報である。実績は、実際に使った広告費と受け取った結果を確認する情報である。二つを分けると、変更を続けるか、元へ戻すか、別の商品を確認するかを、画面の印象だけで決めずに済む。

商品groupの分析と入札変更を分ける

Googleの同じ案内では、商品groupをfilterして、優先して確認する商品を選ぶ機能も説明されています。しかし、結果を細かく見たいからという理由だけで、商品groupを増やす必要はありません。

商品groupは入札判断を変える単位です。分析のために比較したいだけなら、既存のgroupやreportで確認できるかを先に見ます。入札単価調整を変える対象が同じなら、groupを増やすより、変更前後の記録を残す方が重要です。

一つのcampaignに、価格帯も在庫の動きも違う商品が混ざっている場合は、campaign全体の見込みだけでは判断が粗くなる。まず、モバイルで表示したい商品と、在庫や販売条件を確認できる商品を分ける。商品groupを作るなら、その違いによって入札を変える必要がある場合に限る。集計を細かく見たいだけなら、設定を増やして管理を複雑にしない。

変更後に成績を比べる単位も、変更した単位とそろえる。campaignで入札単価調整を変えたなら、最初はcampaignのモバイル実績を見る。個別商品まで原因を決めるには、その商品を区別した記録が必要になる。細かい結論を先に出すために設定を増やすより、今ある設定でどこまで判断できるかを確認する。

広告運用を依頼している場合は、シミュレータの画面だけを受け取らず、変更対象のcampaign、変更前後の入札単価調整、予算、確認期間を受け取ってください。ツールを使う作業は任せられても、どの商品へ広告費を使うかという判断は、事業側が確認できる状態にします。

最初の一手は、モバイル入札単価調整を変えたいcampaignを一つ選び、現在の設定と直近の実績を記録することです。見込み値を見た後も、変更するのは一項目だけにします。

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