AdWordsのcampaign draftsは本番の設定を変える前に比較条件を決める
公開日: 執筆:佐藤
入札や広告文を変える前に、何と比べて採用を決めるかを先に決めます。AdWordsのcampaign draftsは、既存campaignへ反映せずに変更を準備し、見直すための機能です。変更案を作っただけで成果が分かるわけではありません。
Googleの2016年2月18日の案内は、campaign draftsで既存campaignの変更を準備できること、experimentで元の設定と変更案へtrafficとbudgetを分けて比べられることを説明しています。結果を見るときは、campaign全体だけでなくad groupごとの数字も確認できます。
ここで大切なのは、draftが本番のコピーを眺めるためだけの場所ではないことです。本番のcampaignへ直接変更を重ねる前に、何を変える案なのかを切り出します。experimentは、元の設定と変更案のどちらが目的に近いかを比べる段階です。変更案を作ること、trafficを分けて配信すること、本番へ反映することを一度の作業にしません。
たとえばmobileの入札を変えたいなら、実験で見たいのはmobileの入札を変えた影響です。同じ時期に広告文、keyword、地域、landing pageまで変えれば、結果が良くてもどの変更が寄与したのか分かりません。複数の改善案がある場合は、一つのexperimentへ押し込めず、先にどれを比べるかを選びます。急いで全部を変えるより、次の判断に使える結果を残す方が広告費を無駄にしません。
draftとexperimentの役割を分ける
| 段階 | すること | まだ分からないこと |
|---|---|---|
| campaign draft | 本番へ影響させず、入札や広告文の変更案を作る | 変更案の成果 |
| experiment | 元の設定と変更案へtrafficとbudgetを分ける | 期間が足りたか、目的を達成したか |
| 本番への反映 | 比較した変更を元のcampaignへ適用する | 次の変更でも同じ結果になるか |
mobileの入札を上げたいなら、変更案へ入札額だけを入れます。同時にkeyword、地域、広告文、landing pageまで変えると、数字が動いても何が効いたのか分かりません。
trafficとbudgetを分けるときも、変更案へ多く配分すれば早く結論が出るとは限りません。元のcampaignにどれだけ配信されていたか、比較する間に営業日や在庫の条件が変わらないか、問い合わせを受ける体制が同じかを確認します。広告費だけを二つに分けても、片方のlanding pageが止まっていたり、電話を受ける時間が違ったりすれば、設定の比較にはなりません。
比較表は作成前に書く
experimentを始める前に、次の四つを一枚へ記録します。
- 変える項目を一つ決める。たとえばmobileの入札額だけを変える。
- 元のcampaignと変更案へ分けるtrafficとbudgetを決める。
- いつからいつまで比べるかを決める。
- click数だけでなく、問い合わせ、購入、資料請求など採用を決める数字を決める。
広告の目的が問い合わせなら、click率だけ高くても採用しません。問い合わせ数だけを見ても、広告費や問い合わせの内容が変われば判断がずれます。目的に対して必要な数字を、変更前から決めます。
判断に使う数字は、広告画面の数字と事業側の記録を分けて書きます。広告側では表示回数、click、費用、click率を確認します。事業側では、問い合わせ、資料請求、注文のように、本当に増やしたい行動を確認します。問い合わせが来ても、対象外の地域や受けられない内容ばかりなら、広告の目的を達成したとは言えません。数だけでなく、何を成果として数えるかを先に決めます。
また、期間の途中で数字が動いたからといって、すぐexperimentを止めて採用しません。開始直後の数字には、配分を変えた影響や日ごとの変動が混ざります。あらかじめ決めた確認日までの数字を残し、途中で設定を変えた場合は、その時点より前後を別の条件として扱います。比較中に変更を重ねれば、実験を始めた意味が薄れます。
変更をまとめて本番へ入れない
experimentで変更案の数字がよく見えても、設定を一度に増やして本番へ入れません。まず、試した変更を一つずつ確認し、元のcampaignへ適用した日時と内容を残します。campaign全体の数字が動いたときは、ad groupごとの結果も見ます。
ad groupごとの数字を見るのは、campaign全体の平均だけで判断しないためです。一部のad groupだけが変わり、他のad groupでは目的に合わない結果になっていることがあります。campaignの合計が良くても、不要な検索語や異なる商品を扱うad groupが混ざれば、次に直す場所を見失います。変更の対象にしたad groupと、影響を受けなかったad groupを分けて記録します。
本番へ採用する場合は、experimentを終えた日、採用した設定、採用しなかった設定、理由を残します。次の担当者が見るのは、勝った変更の名前だけではありません。何と比べ、どの期間で、何を成果としたかです。提案書に「改善した」と書かれていても、比較条件がなければ、同じ判断を別のcampaignへ使えません。
運用を外部へ頼む場合は、draftとexperimentを作るaccount、元のcampaign、採用の判断をする人を分けて残します。提案書だけでは、何を比べ、どの変更を本番へ入れたか追えません。
広告主側が持つべきなのは、画面を操作する権限だけではありません。元のcampaign、変更案、実験期間、配分、採用結果を確認できる記録です。運用会社が交代したときに、以前の設定を元へ戻す必要が出ることもあります。accountの所有者がどこで確認できるかを決め、作業の終了時に変更履歴を受け取ります。
最初の一手は、次に変えたい設定を一つ選び、変えない設定と採用を決める数字を先に書くことです。それからdraftを作れば、experimentの結果を読めます。
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