AdWordsのattribution modelは入札を変える前にconversionを数える基準を決める
公開日: 執筆:佐藤
AdWordsのattribution modelを替える前に、何をconversionとして数えるかを決めます。attribution modelは、conversionに至る複数の広告clickへ、どのようにcreditを配るかの基準です。modelを替えると、同じ広告配信でもkeywordやcampaignに計上されるconversionが変わります。数字が動いたことだけを理由に入札を変えてはいけません。
Googleの公式案内は、AdWordsでconversion typeごとにattribution modelを選び、conversion dataとbiddingへ使えるようにすると案内しています。選べるmodelは、last click、first click、linear、time decay、position-based、data drivenです。modelを変えると、Google.com上のsearchまたはShoppingの広告clickに対するcreditが配り直され、conversion statisticsはその後の分から変わります。automated biddingを使う場合は、そのmodelに応じて入札が最適化されます。
modelを替えると、広告が急に多くの売上を作ったわけではなくても、report上のcreditの置き場所が変わります。この違いを理解せずに「このkeywordのconversionが増えた」と報告すると、実際の問い合わせや注文の増減と混ざります。数え方を替えた日を境に、以前の数字と新しい数字を同じ線でつなげないことが必要です。
attribution modelは、広告をよく見せるための設定ではありません。最後にclickされたkeywordだけでは、比較を始めた人へ何が届いたかを見にくい場合に、広告の役割を別の角度から見るものです。どのmodelが正しいかを一般論で決めず、事業で知りたいことに答えられるかで選びます。問い合わせ後に対応できる案件か、購入後に利益が残るかといった事業上の判断は、creditの配分だけでは決まりません。
clickの順番と事業上の成果を分ける
last clickは、conversionの直前にclickされた広告へcreditを置く方法です。これは、最後に何が起きたかを確認するには分かりやすい一方で、比較や検討の初期に関わった広告を同じようには数えません。他のmodelへ替える目的は、すべてのkeywordを高く評価することではなく、事業で見たい行動とcreditの置き方を合わせることです。
| 先に決めること | 確認する内容 | modelを選ぶ前に必要な理由 |
|---|---|---|
| conversionの対象 | 問い合わせ送信、申込、購入など | 何を数えるかが曖昧だとcreditの配り方を比べられない |
| 判断する期間 | 日次の運用か、月次の見直しか | model変更直後の数字だけで結論を出さないため |
| clickの役割 | 最後の後押しか、比較の入口か | 初期接点へcreditを置く必要があるかを判断するため |
| 入札への使い方 | 手動で見るか、automated biddingへ渡すか | 数え方の変更が予算配分へ及ぶ範囲を把握するため |
たとえば、資料請求の前に「業務用機器 比較」で情報を調べ、後日「会社名 資料請求」で申込む人がいるとします。last clickだけを見ると、会社名を含むkeywordへcreditが集まります。比較段階のkeywordをどう扱うかを調べたい場合は、初期のclickにもcreditを置くmodelと並べて見ます。ただし、比較語が実際に有効な問い合わせを増やすかは、model名だけでは決まりません。問い合わせ後の内容も別に確認します。
first clickを選んだからといって、最初に見つけられたkeywordへ予算を集中させる判断にはなりません。linearを選んだからといって、経路にあるすべてのclickが同じ事業価値を持つわけでもありません。modelはcreditを計上する規則であり、入札額や予算を決める理由を自動で作るものではありません。比較したい役割を持つkeywordを選び、問い合わせや購入の実数と並べて見ます。
conversion typeごとにmodelを選べるなら、すべてのconversionへ同じ考え方を当てはめる必要はありません。資料請求、購入、電話のように、事業側で意味が違う行動は、何を重視するかも違います。ただし、同じreportで数を比べる前に、各conversion typeが何を数え、どのmodelを使うかを記録します。名前が似たconversionを合計して、異なる数え方を一つの成果と呼ばないようにします。
modelを替える前に比較する数字を固定する
modelを替えた後のconversion数は、前の数え方と同じ意味ではありません。変更前のlast clickと、変更後のlinearを一つの連続した数字として比べると、配信の改善と数え方の変更が混ざります。
- 現在のconversion typeと、last clickで見ているreportを記録する。
- modelを替えて知りたい判断を一つ書く。
- 該当するcampaign、keyword、deviceを選び、変更前の数字を保存する。
- 新しいmodelを適用する対象と適用日を記録する。
- 変更後は、model変更によるcredit配分と、問い合わせや購入の実数を分けて確認する。
- 入札を変える場合は、変更したmodel、対象、日付、判断理由を残す。
AdWordsの案内では、data driven attributionは十分なdataがあるadvertiser向けのpublic betaです。利用できるかどうかと、どのmodelが事業に合うかは別です。選択肢が増えても、少ないconversionを細かく分けて判断できるとは限りません。まずは、現在のlast clickで何を見落としているのかを説明できる状態にします。
変更前には、現在のreportを保存し、対象campaignとkeywordを決めます。すべてのcampaignを一度に替えると、季節、広告文、landing page、予算の変更とmodelの影響を分けにくくなります。まず、比較の役割を確かめたいcampaignを一つ選びます。modelを替える前後で、どの行動の実数、広告費、問い合わせ後の質を確認するかを書きます。
変更後のreportでは、creditがどこへ移ったかと、実際のconversionの件数を別の欄で見ます。creditが増えたkeywordでも、問い合わせ後に対応できない内容ばかりなら、広告費を増やす理由にはなりません。反対にlast clickでは目立たなかったkeywordが、比較段階で重要だと分かる場合もあります。その場合も、広告文とlanding pageが検索した人の疑問に答えているかを確認します。
入札を自動化している場合は、modelの変更が判断材料へ及ぶため、なおさら変更範囲を小さくします。modelを替えた日、対象conversion type、対象campaign、入札方式、予算の変更を一緒に記録します。数字が動いた後に、modelを替えた影響なのか、入札の変化なのか、需要の変化なのかを追えるようにするためです。自動化を使うことと、結果を見なくてよいことは別です。
外部の広告運用担当と事業側で見るreportが違う場合は、modelの名称だけを共有しません。何をconversionとして数えるか、変更によりどの数字が変わるか、入札へ使うか、問い合わせ後の有効性を誰が確認するかを共有します。運用担当がcreditの配分を見ている一方で、事業側が受けた問い合わせを見ていなければ、広告費を使う判断は片方だけになります。
automated biddingへ渡す前に責任範囲を決める
modelを設定すると、automated biddingはそのmodelのconversion dataを使います。これは入札操作を省くためだけの設定ではありません。conversionの数え方を替えると、automaticな判断へ渡す材料も替わります。
手動で入札している場合も、model変更を見た直後に大きく動かしません。reportの数字が以前と違う理由を説明できるまで、変更前の基準と新しい基準を並べます。入札を変える必要があるなら、一度にkeyword、広告文、landing pageまで替えず、何を検証するための変更かを残します。modelの選択、広告設定の変更、site改善を一つの成果として扱わないようにします。
最初に決めるのは、last clickだけでは答えにくい疑問です。初期の比較に関わる広告を見たいのか、最後の申込を後押しした広告を見たいのか、どのconversion typeへ入札を使うのかを書きます。その問いが決まってから、model、対象campaign、確認する実数を選びます。
外部の運用者へAdWordsを任せる場合も、conversionの定義、modelを替える権限、入札へ反映する条件はsite側で決めます。reportの数字を作る作業と、広告費を使う判断を同じ人へ無条件に任せないことが必要です。modelの比較は、広告の評価を増やすためではなく、費用と成果の関係を誤って読まないために行います。
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