AdWordsのAssisting Devicesは最後にconversionした端末と補助した端末を分けて見る
公開日: 執筆:佐藤
mobileで広告を見て、あとでPCから問い合わせや購入をする利用者がいます。最後にconversionした端末だけを見ると、mobileがきっかけになった経路を見落とすことがあります。Assisting Devices reportは、別の端末で完了したconversionを、どの端末のclickまたはimpressionが補助したかで見るためのreportです。
端末別の最終conversionが少ないからといって、その端末が不要とは決められません。移動中にmobileで商品を探し、会社や自宅でPCから詳細を読み、あとでformを送る人がいるからです。反対に、補助した回数が多いからといって、その端末へ予算を増やせばよいとも限りません。途中で見た広告が役に立ったのか、単に別の端末で完了した人が多いのかは、数字だけでは分かりません。
AdWordsのAttributionには、Devices、Assisting Devices、Device Pathsの三つのcross-device reportが加わります。Assisting Devices reportでは、端末別の補助conversionを確認できます。Mobile Assist Ratioは、mobile上で完了したconversion数に対して、mobileがほかの端末のconversionを補助した回数を比べる値です。これはmobileの成果を一つの数字へまとめるためのものではありません。最後の端末、補助した端末、通った順序を別々に見て、初めて比較の入口になります。
最後の端末と途中の端末を別に見る
端末別の数字を読むときは、最後にconversionした端末と、途中で広告に触れた端末を同じ列にしません。
| 見るもの | 分かること | すぐに決めないこと |
|---|---|---|
| Devices report | account内でcross-device activityがどの程度あるか | どの端末の入札を増やすか |
| Assisting Devices report | 別端末のconversionを補助した端末 | 補助数が多い端末だけを高成果とすること |
| Device Paths report | 複数端末を通る主な経路 | すべての利用者が同じ順で動くこと |
| Mobile Assist Ratio | mobileが別端末のconversionを補助する比率 | mobileでの最終conversionが不要だとすること |
説明用の仮例として、mobileの最終conversionが少なく、Assisting Devicesではmobileの補助が多いcampaignを考えます。mobileを見た利用者が、その場で申し込まず、後からPCで条件を確認して送信しているかもしれません。しかし、reportだけで利用者の事情を断定できません。landing pageの読みやすさ、問い合わせform、営業時間、PCとmobileでの案内の違いも並べて確認します。
たとえば、mobileの広告から見積もりpageへ入る人が多いのに、mobileではformの送信が少ない場合を考えます。電話番号を確認して後で電話をしているのか、formの入力がしにくいのか、PCで改めて条件を読む人が多いのかは、Assisting Devices reportだけでは分かりません。mobileのpageを開き、料金の条件、問い合わせ先、formの入力欄、送信後の案内を一つずつ見ます。端末の数字を読むことと、画面の使いにくさを見つけることを混ぜません。
Device PathsでmobileからPCへ移る経路が見える場合も、全員が同じ順で動くわけではありません。短い調査で決める人もいれば、複数回の訪問を経て問い合わせる人もいます。主な経路を知ることは、広告やpageを確かめる手掛かりになりますが、個々の利用者の行動を断定する証拠にはなりません。reportの平均的な動きを、特定の顧客の事情のように扱わないことが必要です。
Mobile Assist Ratioも、単独で良し悪しを決める数字ではありません。mobileで完了するconversionが少なく、ほかの端末への補助が多ければ比率は大きくなります。しかし、mobileで完了する問い合わせが増えれば、補助数が同じでも比率の見え方は変わります。比率だけを前年や別campaignと並べる前に、分子と分母に何が入っているか、conversion actionが同じかを確認します。
端末別入札を変える前に比較条件をそろえる
Assisting Devices reportを見て、すぐにmobileの入札調整を替えません。端末別の入札は、広告が表示される機会と費用の配分を変えます。補助conversionの数字を見た当日に比率を替えると、結果が動いた理由を確認する前に比較条件そのものを変えてしまいます。まず、同じ期間、同じcampaign、同じconversion actionで端末の役割を見ます。
- 同じ期間、同じcampaignで最後のconversionと補助conversionを分けて見る。
- conversion actionに何が含まれているかを確認する。
- mobile、PC、tabletでlanding pageと問い合わせ完了までの操作を確認する。
- attribution modelを替える場合は、creditの配分が変わることを記録する。
- 端末別入札を替えるなら、変更日と理由を残して比較する。
説明用の仮例として、mobileの補助conversionが多いcampaignを一つ選びます。次に、同じ期間のPC、mobile、tabletの最終conversionを並べます。landing pageが端末ごとに違うなら、URLと内容も並べます。そのうえで、mobileだけに出ている広告文やcall extensionがあるかを見ます。端末の数字は広告の表示条件やpageの内容とも関係するため、入札率だけを比較して結論を出しません。
AdWordsの案内では、attribution modelを替えるとconversion path内のcreditが配分し直され、conversionの数字はそれ以降変わります。reportの見方と入札条件を同時に替えると、どちらが影響したか分かりません。modelを替えるなら、変更日、以前のmodel、新しいmodel、比較する期間を残します。入札も替えるなら、reportの確認を終えた別の日に行い、変更理由を同じ記録へ書きます。
端末別の入札を調整した後も、最後のconversionだけを見て判断しません。補助conversionの変化、問い合わせの内容、電話やformの完了状況、費用を同じ期間で確認します。数字が小さいcampaignでは、数件の差で比率が大きく動くことがあります。短期間の比率だけを根拠に何度も調整するより、比較できるだけの記録を残す方が先です。
reportの読み方と予算判断を分ける
広告運用を外部へ頼んでも、mobileで見た利用者に何を案内するか、電話を受けるか、formで何を受け付けるか、端末ごとにどの予算を許容するかは事業側が決めます。reportを出すことと、予算を増やす判断は別です。mobileを入口として使う人へ何を伝えたいかが決まらなければ、補助conversionの多さだけで広告費を配分することになります。
運用側は、reportの表示条件、conversion action、attribution model、変更日の記録を確認します。事業側は、問い合わせの受付方法、端末ごとのpageで伝える条件、許容する広告費を確認します。制作会社がmobile pageを直せることと、どの問い合わせを増やすべきかを決めることも別です。数字を読む仕事と、予算の責任を持つ仕事を分けると、変更の理由を後で説明できます。
最初の一手は、一つのcampaignについて、最後のconversion、mobileの補助conversion、landing page、問い合わせ完了の四つを一枚に並べることです。そこへconversion actionとattribution model、比較する期間を加えます。数字の意味を説明できるようになってから、端末別の入札を変えます。Assisting Devicesはmobileを高く評価するための数字ではなく、最後の端末だけでは見えない経路を確かめるためのreportです。
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