• AdWordsのmessage extensionsは返信体制を決めてから検索広告へ付ける

AdWordsのmessage extensionsは返信体制を決めてから検索広告へ付ける

公開日: 執筆:佐藤

AdWordsのmessage extensionsを使う前に、SMSへ誰が返信し、どの時間に受け付け、何を答えられるかを決めます。広告へ連絡手段を増やすことと、相談を受けられることは別です。返事が遅れる、担当者が内容を判断できない、時間外の連絡を放置するなら、入口だけを増やしても利用者は次へ進めません。

message extensionを設定すると、検索した人は広告からSMSの画面を開き、あらかじめ用意した文面を送れます。送る人はその文面を直せます。したがって、事前文面は問い合わせを限定する命令ではなく、最初に書いてほしい情報の例です。広告で「予約について相談」と案内しても、料金、日時、場所、別の商品など、さまざまな質問が届きます。

広告文で約束する内容は、SMSで最初に受ける内容より狭く考えます。「すぐに見積もる」と広告で書いても、写真、型番、現場の状況を確かめなければ答えられない仕事なら、送信直後に確定額を返すことはできません。その場合は「見積もりの相談を受ける」と案内し、必要な情報を聞いたあとで回答する手順を作ります。検索した人の期待と、実際に返せる答えをそろえることが先です。

SMSでは、短い文面だけが届くこともあります。「いくらですか」「今日できますか」といった質問に対し、担当者が毎回一から聞き返すと、利用者も担当者も時間を使います。最初の返答で確認する項目を決めておけば、内容を急いで確定しなくても、次に必要な情報を案内できます。反対に、個人情報や写真を最初の一通で必ず送るよう求める必要はありません。相談の内容に必要な範囲を、順に確認します。

広告の約束とSMSで受ける相談をそろえる

対象 決めること 先に決めないと起きること
広告文 何を提供し、どんな相談を受けるか 広告と違う質問が集まる
事前文面 最初に送ってほしい情報の例 必要な確認が毎回後回しになる
返信担当 誰が確認し、誰が回答するか 連絡が届いても返事が止まる
受付時間 返信できる時間と時間外の扱い 返答の見込みが分からない
引継ぎ 担当外の質問を誰へ渡すか 同じ質問を聞き直すことになる

説明用の仮例として、修理の見積もり相談を受ける場合を考えます。事前文面に「機種と症状を教えてください」と書けば、担当者が最初に確認する情報を示せます。ただし、料金や訪問可能日をその場で約束できるとは限りません。機種と症状を聞く人、見積もりを決める人、日程を確定する人が別なら、返答の順序を決めておきます。

SMSは、電話のようにその場で聞き返せる窓口ではありません。利用者は送信後に都合のよいときへ会話を戻せます。そのため、電話が取れない時間を補う使い方もできますが、返信の目安を決めずに広告へ出す理由にはなりません。既存の電話、フォーム、メールと同じ問い合わせ経路として扱い、どこへ届き、誰が最後まで確認するかを決めます。

受付時間外に届いたSMSをどう扱うかも、公開前に決めます。夜間や休業日に即答できないなら、翌営業日に確認することを案内する方法があります。担当者の私用端末へ直接届く仕組みなら、休みの日に誰が見るのか、担当者が替わったときに履歴をどう引き継ぐのかを決めます。連絡先を一人の携帯電話へ固定すると、その人が不在になったとき、広告からの相談だけが止まるおそれがあります。

電話、form、SMSを併用する場合は、どの窓口で相談が始まったかを残します。これは連絡を受けた人を監視するためではありません。広告で入口を増やした結果、どの相談を誰が引き受け、どこで次の手続きへ進んだかを確認するためです。同じ人がSMSのあとに電話をかけることもあるため、件数を足しただけでは相談の数を表しません。

最初は一種類の相談だけで試す

導入時からすべての検索広告へ付ける必要はありません。まず、質問が似ていて、担当者が答えられるcampaignを一つ選びます。たとえば、予約前の空き状況だけを受ける広告と、専門的な見積もり相談を受ける広告を同じ体制で始めると、返信の質を比べられません。

最初に試すcampaignでは、次の三つを同じ表へ残します。

  1. 広告で案内する相談。
  2. SMSで最初に聞く情報と、すぐ答えられない質問の渡し先。
  3. 届いた件数、返信した件数、次の相談へ進んだ件数。

問い合わせ数だけを成果にすると、広告の内容と違う依頼や、返信できない時間の連絡も同じ一件になります。届いた件数が多くても、返信できた件数が少なければ、広告を広げる判断はできません。電話とSMSを合わせて数える場合も、同じ人が両方を使った可能性を別に確認します。

試したあとは、届いたSMSを読むだけで終わらせず、広告との関係を確かめます。予約の相談を案内した広告から、採用や営業の連絡ばかり届くなら、広告文、keyword、表示する条件のどこかが相談の内容と合っていません。反対に、必要な相談が届いても、担当者が返せない時間に集中するなら、広告を広げる前に受け方を直します。入口の数を増やす判断は、広告のクリック数ではなく、相談を最後まで扱えたかを見てから行います。

外部の広告担当者がmessage extensionを設定するときは、事業側から返信用の文面や番号を渡すだけでは足りません。誰が実際の相談を受け、料金や日程を決められるのは誰か、担当外の内容を誰へ渡すかを確認します。設定作業を委託しても、相談の内容と返答の責任まで委託先が持つとは限りません。広告を公開する権限と、顧客へ約束する権限を分けておくと、返信時の行き違いを減らせます。

広告の設定を外部へ任せる場合も、message extensionを追加する人と、SMSへ答える人の責任を混同しません。設定担当者は入口を用意できます。しかし、広告で受ける相談の範囲や、時間外の扱いは事業側が決めます。

最初の一手は、SMSで受ける相談を一つに決めます。返信担当者、受付時間、最初に聞く情報、引継ぎ先を広告の公開前に書き出します。

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