• AdWordsのSmart Biddingは自動で入札しても獲得したいconversionを先に決める

AdWordsのSmart Biddingは自動で入札しても獲得したいconversionを先に決める

公開日: 執筆:佐藤

AdWordsのSmart Biddingを使うときは、入札の調整を任せる前に、何をconversionとして数えるかを決めます。問い合わせを増やしたいのに資料のPDFを開いた回数だけを目標にすれば、自動化はその数字に合わせて動きます。入札を自動にしても、事業に必要な行動、使える費用、確認する人までは自動で決まりません。

Googleは1月24日、AdWords Smart Biddingがauctionごとに時刻、表示する広告、利用者のdeviceやbrowserなどのcontextual signalを評価し、conversionの機会に合わせて入札を調整すると説明しました。似たauctionで得たperformance dataも使い、dataが少ない場合の変動を抑える仕組みだとしています。これは、目標を決めなくても成果が出るという意味ではありません。 Google Ads Blog

自動で決める入札と事業側が決めるconversionを分ける

Smart Biddingが扱うのは、設定した目標へ近づくための入札です。問い合わせformの送信、電話の発信、購入完了、来店予約など、どの行動を価値あるconversionとみなすかは、広告を出す側が決めます。同じ「問い合わせ」でも、営業が受けられる地域だけを対象にするのか、資料請求だけを数えるのか、既存顧客からの連絡を除くのかで、見るべき数字は変わります。

目的を決めないまま自動入札を始めると、計測しやすい行動へ予算が寄ることがあります。たとえば、事例pageの閲覧をconversionにしている場合、閲覧数が増えても商談につながるとは限りません。閲覧は検討の途中を知るためのdataとして残し、広告費の判断に使うconversionと混ぜない方が、次の判断をしやすくなります。

一方で、すぐに受注まで計測できない仕事もあります。その場合は、問い合わせ完了や予約完了のように、事業側で確認できる次の行動を一つ選びます。ただし、その数を売上と同じ意味で扱いません。広告管理画面のconversionと、実際に対応できた問い合わせ、受注になった仕事は別の記録で確かめます。

最初はcampaignを一つに絞り比較の条件を残す

自動入札の設定を複数のcampaignへ一度に広げると、数字が変わった理由を分けにくくなります。最初は、扱う商品やservice、地域、受付条件が比較的そろっているcampaignを一つ選びます。広告文、landing page、予算、conversionの数え方を記録し、いつ設定を変えたかを残します。

比較する期間も、先に決めます。月曜から金曜だけ受ける事業なら、曜日や営業日が大きく違う期間をそのまま比べません。季節のcampaign、休業、価格改定、landing pageの更新があったなら、入札の結果と同じ表に書きます。広告の数字だけを並べると、設定の効果なのか、営業条件の違いなのかを説明できません。

たとえば、地域を広げる変更と自動入札の変更を同じ日に行えば、問い合わせが増えた理由を分けられません。先に地域、対象語、landing pageを固定し、その状態で入札方法を変えます。すべてを固定できない場合は、少なくとも何を同時に変えたかを残します。比較できない数字を、成功や失敗の根拠にしないためです。

目標額は希望の利益でなく対応できる問い合わせから決める

Target CPAのような目標を使うとき、希望する売上だけから数字を置きません。まず、一件の問い合わせへどこまで費用を使えるかを考えます。そのためには、問い合わせを受ける時間、見積もりを出す時間、対応できる件数、受注にならない相談の割合を、事業側で確認する必要があります。

広告費を低く抑えたい気持ちだけで目標を下げると、表示の機会が減り、比較するdataも少なくなります。反対に、目標を高くして問い合わせが増えても、対応できなければ事業の負担が増えます。目標額は、広告管理画面だけで決める数値ではありません。営業と運用の時間を含め、受けられる問い合わせの範囲から決めます。

ここでは正しい目標額を初日に当てることを求めません。最初に置いた目標、理由、変更日を残し、問い合わせの内容と対応状況を見ながら改めます。自動化が使う目標を頻繁に替える前に、何を変えたくて数字を替えるのかを説明できるようにします。

確認する数字と止める条件を設定前に書く

設定後に見るのは、conversionの数だけではありません。広告費、問い合わせの内容、対象外の連絡、返信にかかった時間も確認します。問い合わせが増えても、対象地域外や受けない仕事ばかりなら、検索語、広告文、landing pageの案内を見直します。自動入札だけを替えても、広告が約束する内容があいまいなら改善にはなりません。

止める条件も、始める前に書きます。たとえば、受けられない問い合わせが続く、予算を超える、formが送れない、担当者が返信できない場合です。止める条件は、自動化が悪いと決めるためのものではありません。事業が受けられる範囲を超えないための条件です。

制作会社や広告運用者へ任せる場合は、campaign名、対象地域、conversionの定義、目標、予算、確認する日、止める条件を渡します。運用側は設定とdataを確認します。事業側は、何を受けるか、問い合わせの質をどう見るか、どこまで費用を使うかを決めます。この分担がなければ、自動化の数字だけが残り、広告を続ける理由を説明できません。

Smart Biddingは、入札を一件ずつ替える時間を減らす仕組みです。その時間を、conversionの定義、landing pageの約束、問い合わせへの対応を確かめるために使います。最初に目標を決め、同じ条件で見て、事業が受けられる範囲を守れば、自動化を判断の代わりにせずに使えます。

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