• WordPressのユーザー権限は管理者を増やす前に役割を決める

WordPressのユーザー権限は管理者を増やす前に役割を決める

公開日: 執筆:佐藤

管理者権限はWordPress全体の設定や利用者を管理する人に限って割り当てます。日常の記事作成では、必要な操作に合わせて編集者、投稿者、寄稿者を使います。購読者は会社サイトを更新する役割には向きません。

先に分けるのは、管理権限を保つ人、日常作業をする人、内容を承認する人です。WordPressで公開できることと、会社として公開を決めてよいことは同じではありません。

標準の五つの権限は、操作できる範囲が違う

WordPress 3.4日本語版は、利用者へ割り当てる役割を「権限グループ」と表記しています。この記事では、検索時に使われる「ユーザー権限」と呼びます。

単一のサイトへ標準状態で導入したWordPressでは、五つの権限を次のように分けられます。

権限 できる主な操作 会社サイトで割り当てる相手
管理者 設定、利用者、テーマ、プラグインを含む管理機能と、投稿・固定ページの管理 サイト全体の管理と引き継ぎを担う人
編集者 他の利用者が作ったものを含め、投稿と固定ページを編集・公開する 全体の内容を管理し、公開操作をする人
投稿者 自分の投稿を作成・公開・管理し、ファイルをアップロードする 自分の記事を自分で公開してよい人
寄稿者 自分の投稿を作成・管理する。公開とファイルのアップロードはできない 原稿を下書きまで作る人
購読者 自分のプロフィールを管理する 通常の記事や固定ページを作らない人

管理者と編集者の差は、記事を公開できるかどうかではありません。編集者は、投稿と固定ページを広く管理できます。管理者は、それに加えて、サイト設定や利用者なども変更できます。記事の更新だけを担当する人へ、管理者を割り当てる必要はありません。

投稿者と寄稿者の差は主に公開とファイルのアップロードです。投稿者は自分の投稿を公開できます。寄稿者は下書きを作れますが、自分では公開できません。どちらも標準では固定ページや他の人の投稿を管理する役割ではありません。

2012年6月15日公開のWordPress 3.4日本語版には、投稿者がファイルをアップロードできないというヘルプ文があります。しかし、同じ配布物の本体設定と英語原文では、投稿者にアップロード権限があります。本稿は実際の権限設定を基準にしています。

WordPressで操作できることと、会社で決めてよいことは別

会社内の役割とWordPressの権限は、一対一に対応しません。次の三つを先に決め、その仕事に必要な権限を選びます。

会社内の役割 決めること WordPressで必要になる操作
管理権限を保つ人 管理者アカウントを誰が使い、担当変更時に誰へ引き継ぐか 利用者と権限、サイト設定の管理
日常作業をする人 原稿、画像、固定ページのどこまでを扱うか 下書き、アップロード、編集、公開のうち必要なもの
内容を承認する人 事実、公開日、公開の可否を誰が判断するか 自分で公開操作をする場合だけ、公開できる権限

内容を承認する人が管理画面を操作するとは限りません。社内で原稿を承認し、編集者がその承認に従って公開する方法もあります。反対に、編集者が公開ボタンを押せても、価格や営業時間を独自に決めてよいわけではありません。

「管理者」という名称は会社内の責任者を意味しません。WordPress上の操作範囲を示す役割です。ドメインやサーバーの契約者であることとも別です。

下書きと公開を分けるなら、寄稿者と編集者を使う

説明用の仮例として、広報担当者が会社のお知らせを書き、部門責任者が内容を承認する場合を考えます。

広報担当者が下書きだけを作るなら、寄稿者を割り当てます。承認後、別の人が公開するには、その人が他の利用者の投稿を扱える必要があります。標準の権限では、編集者がこの役割に合います。サイト設定や利用者を管理する人は、管理者として別に置きます。

作業の分け方を変えると、選ぶ権限も変わります。

日常作業の範囲 選ぶ権限 注意点
自分の投稿を下書きまで作る 寄稿者 公開とファイルのアップロードは別の人が行う
自分の投稿を作り、自分で公開する 投稿者 固定ページと他の人の投稿は管理しない
投稿と固定ページを全体で管理する 編集者 他の利用者が作った内容も変更・公開できる
利用者やサイト設定も管理する 管理者 日常の記事作成より広い操作ができる

「画像は追加してほしいが、公開はさせたくない」という分担は標準の寄稿者だけでは実現しません。寄稿者にはファイルのアップロード権限がないからです。管理者へ広げて済ませず、編集者が画像を追加するなど、作業の流れを変えられるか先に検討します。

制作会社には、会社用と別のアカウントを用意する

制作会社が設定や保守を行うため、管理者権限を必要とすることはあります。その場合も、会社用の管理者アカウントを制作会社と共用せず、作業者用のアカウントを別にします。誰が使うのか、何の作業に必要か、いつ見直すかを記録します。

作業委託が終わったときは、そのアカウントを今後も残す理由があるかを確認します。担当者が変わったときも同じです。外部へ作業を頼むことと、会社が管理権限の所在を把握しなくてよいことは別です。

ただし、WordPressの管理者アカウントを会社が持っていても、ドメインとサーバーの契約や認証情報まで管理できるとは限りません。それらは、別の契約と引き継ぎとして確認します。

管理者を追加する前に、必要な操作を一行で書く

現在の利用者について、氏名または委託先、権限、必要な操作、公開を判断する人、見直す時期を一行へまとめます。「念のため管理者」とだけ書かず、権限を選んだ理由を残します。たとえば、「固定ページと他の人の投稿を公開するため、編集者を選ぶ」と記録します。

まず、現在の管理者を一人ずつ確認してください。サイト設定、利用者、テーマ、プラグインの管理が必要な人かを確かめます。日常の記事作成だけが目的なら、寄稿者、投稿者、編集者のいずれかで足りないかを判断します。

この記事は単一サイトにおけるWordPress 3.4の標準権限を扱っています。複数サイトをまとめた環境では、管理者の権限が異なります。既存サイトで権限が変更されている可能性もあるため、実際の操作範囲を確認してから割り当てを変えてください。

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