• インプレッションシェアとは?掲載機会のうち広告が表示された割合

インプレッションシェアとは?掲載機会のうち広告が表示された割合

公開日: 執筆:佐藤

Google AdWordsの検索ネットワークで使うインプレッションシェアは、広告が実際に表示された回数を、掲載可能だったと推定される表示機会で割った割合です。表示回数そのものでも、クリック率やコンバージョン率でもありません。

数値が低いときは、すぐに予算や入札単価を上げず、分母となる配信条件、予算による損失、広告ランクによる損失を分けます。インプレッションシェアを100%へ近づけることより、成果が見込める掲載機会を逃しているかどうかの判断が先です。

インプレッションシェアは表示回数を掲載可能だった推定機会で割る

Google AdWordsの公式記事は、インプレッションシェアを、キーワードとキャンペーン設定に基づいて広告が表示され得た機会のうち、実際に表示された割合と説明しています。

式で表すと、次の関係です。

インプレッションシェア = 実際の表示回数 ÷ 掲載可能だったと推定される表示回数

分母は、検索全体の回数ではありません。登録したキーワード、対象地域、広告スケジュールなど、広告主が設定した範囲で推定される掲載機会です。また、分母は推定値なので、表示回数だけから逆算して厳密な検索回数を求める指標でもありません。

次は計算関係を示すための完全な仮例です。あるキャンペーンに1,000回の掲載機会があると推定され、そのうち600回表示されたなら、インプレッションシェアは60%です。600回のうち何回クリックされたか、何件の問い合わせにつながったかは、別の指標で確認します。

対象地域や曜日を広げると表示回数が増えてもシェアは下がることがある

インプレッションシェアを比較するときは、分子だけでなく分母の変化を見ます。対象地域を増やしたり、広告を出す曜日や時間帯を広げたりすると、掲載可能な機会も増えます。表示回数が増えていても、それ以上に分母が増えれば、インプレッションシェアは下がります。

反対に、対象地域や時間帯を狭めると、表示回数が減ってもシェアが上がる場合があります。したがって、シェアの上昇だけを改善とみなすことはできません。前後を比べるなら、キャンペーン、キーワード、対象地域、広告スケジュール、集計期間をそろえます。設定を変えた場合は、変えた日と内容を記録し、分母が変わった比較であることを残します。

低い理由は予算による損失と広告ランクによる損失へ分ける

インプレッションシェアが低い理由を調べるときは、Lost IS (Budget)とLost IS (Rank)を分けます。

指標 示すもの 最初に確認すること
Lost IS (Budget) 予算の制約によって失った掲載機会の割合 日々の予算上限、費用、コンバージョン、許容獲得費用
Lost IS (Rank) 広告ランクによって失った掲載機会の割合 入札単価、キーワード、広告文、リンク先ページ、品質スコア

予算による損失が大きくても、予算を増やすことが答えとは限りません。コンバージョンを計測できているか、獲得費用を許容できるか、問い合わせや注文が増えたときに対応できるかを先に確認します。採算と対応範囲を確認できるキャンペーンでなければ、掲載機会を買い足す根拠がありません。

広告ランクによる損失が大きい場合も、入札単価だけを上げる前に、キーワード、広告文、リンク先ページの関係を確認します。検索した人の疑問と広告の約束がずれているなら、単価を上げても、そのずれは直りません。

広告グループの順位損失は予算制約を確認してから読む

2012年1月30日から、広告グループ単位のImpr. Share、Lost IS (Rank)、検索ネットワークのExact Match ISが全世界のアカウントへ順次追加されました。Googleの発表では、広告グループのLost IS (Rank)は、確認期間中に予算の制約を受けた日があると表示されない場合があると説明しています。

広告グループの順位損失が見えないからといって、順位による損失がないとは断定できません。まずキャンペーンの予算状態を確認し、そのうえで広告グループの数値を読みます。広告グループ単位の三つの列にLost IS (Budget)は含まれていないため、予算損失と順位損失を同じ階層の列だけで判断しないようにします。

GoogleのAuction insightsに関する発表でも、キャンペーンと広告グループのレポートに、実際の表示回数を掲載可能だった推定回数と比べるインプレッションシェアの列があると説明しています。アカウント全体の印象だけでなく、見直す単位をそろえて確認します。

インプレッションシェアの100%ではなく取り戻す価値を判断する

すべての掲載機会へ広告を出すことが、すべての広告主の目的ではありません。対象を広げれば、費用や運用作業も増える可能性があります。問い合わせを受けられない時間帯、販売できない地域、採算の合わない検索まで含めて100%を目指す必要はありません。

問い合わせや注文の獲得が目的なら、判断の中心は、失った掲載機会を取り戻したときに採算の合う成果が見込めるかどうかです。予算による損失なら、現在の費用とコンバージョンから追加予算を検討します。広告ランクによる損失なら、入札単価と品質のどちらを見直すかを決めます。配信条件を変えた結果なら、事業として受けられる範囲へ戻すか、広げた範囲を別に評価します。

見えている状態 判断する順序
シェアが低く、予算による損失が大きい 計測、許容獲得費用、対応可能件数を確認してから予算を判断する
シェアが低く、広告ランクによる損失が大きい キーワード、広告文、リンク先ページ、入札単価を分けて確認する
表示回数が増え、シェアが下がった 対象地域、曜日、時間帯など、分母を増やした設定を確認する
シェアが上がり、表示回数が減った 配信対象を狭めて機会そのものを減らしていないか確認する

シェアだけでは、売上、利益、問い合わせの質は分かりません。費用とコンバージョンを同じ期間で並べて初めて、取り戻す価値を判断できます。

当日と前日の数値がそろう前に変更しない

インプレッションシェアのデータは1日1回、太平洋時間の正午ごろに更新されます。レポートを確認する時刻によっては当日分が反映されず、前日分も含まれない場合があります。

直近一日だけを見て、予算や入札単価を変更すると、更新途中の数値へ反応することになります。比較する終了日をそろえ、同じ期間の表示回数、費用、コンバージョンと並べます。変更した日は記録し、次の判断までに設定を重ねて変えません。

まず一つのキャンペーンについて、インプレッションシェア、予算による損失、広告ランクによる損失、費用、コンバージョンを同じ期間で記録してください。低い理由を一つ選んでから、予算、広告品質、配信条件のどれを変更するか決めます。

戻る