• AdWordsのEnhanced CPCは手動の上限クリック単価をコンバージョン見込みで調整する

AdWordsのEnhanced CPCは手動の上限クリック単価をコンバージョン見込みで調整する

公開日: 執筆:佐藤

Enhanced CPCは、手動で設定した上限クリック単価をそのまま固定する入札ではありません。AdWordsがコンバージョンの見込みをオークションごとに判断し、上限クリック単価を引き上げるか、引き下げます。

使う前に確認するのは、機能の名称ではなく、コンバージョントラッキングの中身です。誤った完了ページや社内テストをコンバージョンとして数えていれば、その履歴を基に入札が調整されます。

手動入札を基準にオークションごとに上下する

Enhanced CPCは、キャンペーンの過去のコンバージョントラッキングデータを使い、広告がコンバージョンに至る見込みに応じて上限クリック単価を自動調整します。

状況 Enhanced CPCの動き 広告主が決めること
コンバージョンの見込みが高い 手動の上限クリック単価を引き上げる 基準となる上限、許容する獲得単価
コンバージョンの見込みが低い 手動の上限クリック単価を引き下げる 配信量が減った場合の確認方法
判断に使う履歴が不適切 不適切な計測を基に調整される コンバージョンの定義とtagの修正

Enhanced CPCを有効にしても、手動の上限クリック単価を決める責任は残ります。自動で調整されるからといって、元の入札単価を根拠なく高く設定してよいわけではありません。

入力した上限クリック単価を超える場合がある

コンバージョンの見込みが非常に高い場合、Enhanced CPCは手動で入力した上限クリック単価を最大30%上回る入札を行います。反対に、見込みが低い場合は入札を引き下げます。

したがって、手動で入力した金額を「一回のオークションで絶対に超えない上限」として管理したい場合、Enhanced CPCの動きと一致しません。入力値、調整後の入札、実際のクリック単価、平均クリック単価を分けてください。

30%の引き上げは、毎回のクリックに30%を加算するという意味ではありません。コンバージョンの見込みが高いと判断された個別のオークションで、調整できる範囲を示します。実際のクリック単価が常にその上限へ達するとも限りません。

コンバージョントラッキングが入札判断の土台になる

Enhanced CPCを使うには、キャンペーンでConversion Trackingを有効にします。先に、次の三つを区別します。

  • 広告をクリックしたこと
  • 完了ページや指定した行動をコンバージョンとして記録したこと
  • 問い合わせ、受注、入金など、事業上の成果が確定したこと

AdWordsが入札判断に使えるのは、設定したコンバージョンの履歴です。問い合わせフォームの送信を計測している場合、有効な問い合わせか、営業対象外か、重複送信かまでは、広告tagだけでは確定しません。

運用開始前に、コンバージョン名、計測場所、tagの設置先、重複の扱い、社内テストを除く方法、事業側の照合担当を記録します。計測の目的が異なる購入と資料請求を一つにまとめる場合は、同じ価値として入札へ使ってよいかを先に決めます。

何を見て調整するかを広告主は指定できない

Enhanced CPCは、検索語や掲載先の過去のコンバージョン、キーワード内の語、利用者の地域、言語設定、browser、OSなどを考慮できます。

広告主が各要素へ個別の点数を付け、入札式を指定する機能ではありません。どの一件で、どの要素が、いくらの調整につながったかを完全には再現できません。だからこそ、入力と結果を分けて記録します。

記録する値 役割
手動の上限クリック単価 自動調整の基準
Enhanced CPCの有効日 比較条件が変わった日
クリック数と費用 配信量と支出の結果
コンバージョン数と獲得単価 計測上の結果
有効問い合わせ、受注、売上 事業上の結果

管理画面のコンバージョンが増えても、有効問い合わせや利益が増えていなければ、入札の目的を達成したとは言えません。

完全な自動入札と同じものとして扱わない

Flexible bid strategiesでは、Enhanced CPCは、手動入札を基にしながら、コンバージョンの見込みに応じて入札を上下する戦略です。

目標獲得単価を基に入札全体を自動化するTarget CPAとは、広告主が決める基準が違います。Enhanced CPCでは、手動の上限クリック単価が出発点です。機能を選ぶときは「自動か手動か」だけでなく、誰が基準額を決め、何を成果として計測し、どの範囲へ適用するかを確認します。

キャンペーン、広告グループ、キーワードで目的が違う場合、一つの入札方針へまとめる理由はありません。問い合わせ獲得のキャンペーンと、資料閲覧を促すキャンペーンでは、コンバージョンの価値と許容費用を分けます。

有効化した日は成果比較の境界として残す

Enhanced CPCの効果を確認するときは、有効化前後で同じコンバージョン定義を使います。途中でtag、完了ページ、コンバージョン種類を変えた場合、入札機能の差と計測変更の差を分けられません。

一つのキャンペーンから始め、次を一行に残します。

  1. 手動の上限クリック単価とEnhanced CPCを有効にした日
  2. 対象キャンペーンとコンバージョン名
  3. 比較する期間、クリック数、費用、コンバージョン数、獲得単価
  4. 有効問い合わせ、受注、売上を確認する担当者
  5. 継続、修正、停止を判断する日

結果が安定しない短い期間だけで判断せず、同じ曜日構成と事業条件で比べます。季節、価格変更、在庫、サイト改修が重なった場合は、Enhanced CPCだけの効果と断定しません。

最初の一手は、対象キャンペーンのコンバージョンを一件たどることです。広告クリック、tagの発火、管理画面の記録、実際の問い合わせや購入が一続きになっていると確認してから、Enhanced CPCを入札へ使います。

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