• AdWordsのConversionsとConverted clicksは同じ数字として扱わず数える行動を確認する

AdWordsのConversionsとConverted clicksは同じ数字として扱わず数える行動を確認する

公開日: 執筆:佐藤

AdWordsのConverted clicksは、広告の一回のclickから何らかの行動が起きたかを数えるための指標です。Conversionsは、複数のconversion eventや複数のclick、attribution model、countingの設定を扱えます。二つの列が近い数字になることがあっても、同じものとしてreportや入札へ使いません。

違いが見えにくいのは、広告をclickした人が一度だけ行動する場合です。問い合わせformを一度送るだけなら、二つの数字が近くなることがあります。しかし、同じ人が資料請求をしてから購入する場合、または購入を複数回行う場合、どの行動を数えたかで数字の意味が変わります。数が増えたか減ったかを見る前に、一件が何を表す列なのかを確かめます。

AdWordsは、Converted clicksを2016年9月以降に使えなくする予定を案内しています。Converted clicksを主なreportやTarget CPA、Enhanced CPCの基準にしている場合は、Conversionsへ移す前に、何を数えるかを確認します。列名を替えるだけでは、同じ評価を続けられるとは限りません。以前のreportで一つに見えていた行動が、Conversionsでは複数のactionとして現れることもあります。

先に数える行動を決める

Conversionsで何を含めるかは、広告のclick数ではなく、事業が評価したい行動から決めます。

確認するもの 決めること 混同しないこと
conversion action 問い合わせ、購入、予約など何を記録するか page表示やbutton clickだけを同じ価値にすること
counting 一回のclick後に一件だけ数えるか、複数回数えるか 一件のclickと一件の行動を常に同じとみなすこと
conversion value 価値を付けるか、同じ重みで扱うか reportの数字と実際の売上を同じにすること
bid metric 入札の基準を何にするか report列を替えただけで入札条件も同じと思うこと

説明用の仮例として、購入と資料請求の両方を記録しているaccountを考えます。Converted clicksでは、同じclickから二つの行動が起きても、clickを基準に見ることになります。Conversionsへ移すなら、購入と資料請求のどちらを含めるか、一回のclick後の複数行動をどう数えるかを確認します。数字が増えたり減ったりしても、広告の需要が変わったとはすぐに決めません。

購入を主な目的にしているsiteで、資料請求を補助的な行動として記録している場合を考えます。二つを同じ重みでConversionsへ入れると、資料請求が多いcampaignほどよく見えることがあります。しかし、資料請求の後に購入へ進む割合が分からなければ、広告費を増やす判断はできません。購入を一件、資料請求を一件と数える設定と、二つを事業上どの程度重く見るかは別に決めます。

反対に、注文ごとに複数の購入があるsiteでは、一回のclickの後に何件を数えるかが重要になります。一回目だけを見たいのか、同じ広告clickから続いた購入も数えたいのかで、countingの設定は変わります。設定名を選ぶ前に、受注の記録で何を一件としているかを確認します。広告のconversionだけが独自の数え方になると、売上や問い合わせの記録と比較しにくくなります。

conversion windowも、数字を並べる前に見る項目です。広告をclickしたその日に問い合わせる人もいれば、数日後に資料を見てから連絡する人もいます。windowを変えると、同じ期間のreportでも含まれる行動が変わります。期間を長くすれば正確になるわけではありません。事業の検討期間と、広告を見た人をどこまで成果として扱うかを、先に決めます。

reportと入札を同時に替えない

移行では、reportの列、conversion actionの設定、入札の基準を一度に替えると、数字が変わった理由を追えません。たとえば、同じ週にconversion actionを追加し、countingを変更し、Target CPAの基準も替えると、結果が動いても原因を切り分けられません。広告文が効いたのか、設定が変わったのか、入札が変わったのかを後から確かめられる順に進めます。

まず、Converted clicksをどこで使っているかを探します。管理画面のreportだけではありません。毎週の報告書、担当者が保存した表、広告費を決める会議の資料、入札戦略の基準にも残っていることがあります。表示列を切り替えた後に「先月より悪くなった」と言わないために、比較している数字の名前と期間を残します。

  1. Converted clicksを使っているreportと入札戦略を一覧にする。
  2. Conversionsに含めるconversion actionを決める。
  3. counting、window、valueを確認する。
  4. 過去のConverted clicksの数字を残す必要があるか決める。
  5. reportを比較してから、入札基準をConversionsへ替える。

AdWordsの案内では、Converted clicksをreport列で使っている場合、残したい過去の統計をdownloadしておくよう示しています。過去の数字と新しい数字をつなげて見るなら、いつ何を替えたかも同じ記録へ残します。列名だけを残すのでは足りません。含めたconversion action、counting、window、value、入札に使った数字を並べておくと、後の報告で差の理由を説明できます。

比較のために、移行前の数字と移行後の数字を無理に足し合わせないことも大切です。数える行動が違えば、連続した一本の折れ線にはなりません。変わった日を境にして、前はConverted clicks、後はConversionsであることを示します。数字をなめらかに見せるより、何が変わったかを分かるようにする方が、次の広告判断に役立ちます。

入札の基準を替えるのは、reportを確認した後です。Conversionsを見て、想定どおりのactionだけが入っているかを確かめます。次に、入札へ使うconversionが事業の目的と合うかを見ます。資料請求を増やすための入札と、購入を増やすための入札は、同じ数字を使う必要はありません。移行を急いで入札まで替えるより、数える行動を説明できる状態を先に作ります。

設定作業と成果の判断を分ける

広告運用会社が移行の設定を行えても、問い合わせと購入を同じconversionとして扱うか、資料請求へどの価値を置くか、入札に使う数字を何にするかは事業側が決めます。設定を切り替えることと、広告の成果が改善したと判断することは別です。運用会社がactionを追加できても、商談につながらない問い合わせを購入と同じ価値にする判断までは代われません。

事業側は、問い合わせ、見積もり、購入、再購入のうち何を広告で増やしたいかを決めます。運用側は、その行動を記録する設定とreportを確認します。経理や営業の記録と照らす必要があるなら、いつ誰が比べるかも決めます。作業を頼んだ相手が管理画面を操作できることと、事業の目的を判断できることは別です。

最初の一手は、現在のConverted clicks reportで使っているcampaignを一つ選び、そこに含まれるconversion action、counting、window、value、入札基準を一枚に書くことです。資料請求、購入、電話などの行動を一行ずつ分け、どれがreportだけの記録で、どれが入札へ使う数字かを示します。五つを説明できてから、Conversionsへ移します。移行の目的は新しい列を使うことではなく、広告で数える行動を曖昧にしないことです。

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