AdWordsのcall bid adjustmentsは電話を増やす前に対応できる用件と時間を決める
公開日: 執筆:佐藤
AdWordsのcall bid adjustmentsは、検索広告に表示する電話の選択肢を、より多く表示したいときに使う調整です。ただし、電話が多ければ広告がうまくいくわけではありません。電話で受けるべき用件があり、その時間に応対でき、応対後の結果を確かめられる場合に使います。電話を増やす設定と、電話を受ける仕事は別に決めます。
検索している人が今すぐ確認したい内容なら、電話は役に立ちます。料金の条件が人によって変わる、空き状況を確かめる必要がある、申込み前に内容を聞きたい、といった用件です。一方、営業時間外には誰も受けず、受けても案内できる内容が決まっていないなら、電話を目立たせても読者を待たせるだけになります。広告の入札は、会社の受付体制を代わりに作りません。
Googleは7月26日、検索広告でcall optionが現れる頻度を調整するcall bid adjustmentsを案内しました。利用できるのは新しいAdWords experienceです。この機能は、価値のある電話を得るcampaignで入札を上げ、call extensionsをより頻繁に表示するためのものです。画面に新しい項目が見えることと、どの電話に価値があるかを決めたことは同じではありません。
電話の表示回数と電話の価値を分ける
call bid adjustmentsで直接扱うのは、電話の選択肢を表示する機会です。電話に出た回数、相談が成立した回数、受注した回数までを、一つの設定だけで決められるわけではありません。表示、発信、応対、次の手続きは、それぞれ別の段階です。
たとえば、仮に予約制のサービスを考えます。検索広告で「予約 空き」を探した人からの電話なら、空き時間と必要な情報をすぐに案内できるかもしれません。しかし、同じ広告から営業時間外に発信されても、折り返しの担当がいなければ予約には進みません。発信の数が増えたことだけを見て、広告の判断を急がないようにします。
電話を増やす前に、まず「この電話は何のために受けるか」を一文で書きます。予約の空き確認なのか、商品の条件を確かめる相談なのか、見積りの依頼なのかを分けます。目的が違えば、広告文で先に伝える条件、電話を受ける人、必要な記録も変わります。何でも受ける窓口にすると、広告と受付の両方で判断が遅れます。
また、電話が長いことを価値の証拠にしてはいけません。説明が分かりにくくて時間がかかる場合もあれば、受けられない内容を何度も聞いている場合もあります。通話時間、発信数、問い合わせ数は記録の材料になりますが、何をもって対応できたとするかは、事業側が決めます。
campaignの目的と受付時間をそろえる
電話を使うcampaignには、広告の対象と受付の条件をそろえる必要があります。広告が「当日対応」と伝えているのに、電話を受けるのが翌日なら、広告文と実際の案内が食い違います。地域を限定しているのに、電話では対象外の地域ばかり受けているなら、keyword、広告文、対象地域のどこかを見直します。
最初に、受付できる曜日と時間を確認します。これは電話番号を載せるかどうかとは別の確認です。担当者が席にいても、問い合わせ内容を判断できない時間があるかもしれません。予約を受ける人と、専門的な質問へ答える人が違うなら、誰が最初に何を聞き、誰へ渡すかを決めます。
次に、広告から来た電話であることを、応対する側が必要な範囲で分かるようにします。電話の内容をすべて広告の数字へ戻す必要はありません。しかし、広告経由の相談と既存顧客からの電話をまったく区別しなければ、広告を変えたあとに何が変わったかを確かめにくくなります。受付メモへ、発信者の個人情報を不必要に増やさず、用件、対応可否、次に行った案内を残す方法を決めます。
広告を委託している場合も、入札の操作だけを任せて終わりにしません。制作会社や広告運用者は、受付時間、受けられる用件、利用しない時間帯、広告から来た電話をどう判断するかを、事業側へ確認する必要があります。反対に事業側は、電話を受ける体制が変わったら、広告文と設定を見直す依頼を出せるようにします。作業の担当と、受付の方針を決める担当を混同しません。
小さく始めて応対の記録を読む
最初から全campaignの電話を増やす必要はありません。電話で受ける意味がはっきりしているcampaignを一つ選び、広告文、link先page、受付時間を確認します。そのうえで調整を加え、一定期間は電話の記録と広告の表示を同じ期間で見ます。設定を何度も動かすと、どの変更に対応が追いつかなかったのか分からなくなります。
見る順序は、次のように考えると整理しやすくなります。
- 広告に書いた用件を、電話で実際に受けられるかを確認する。
- 電話に出られない時間と、折り返しの方法を決める。
- 受付時に残す用件と対応結果を、必要な範囲で決める。
- 調整後は、発信の数だけでなく、対応できなかった理由も見る。
仮に「見積りの相談」を受ける場合でも、すぐに見積りを出せるとは限りません。必要な条件を聞いてから担当者が確認するなら、広告では即答できるように見せず、電話では何を受け付けるかを明確にします。電話で答えられないことを、広告の勢いで約束しません。
電話が合わない検索はpageへ案内する
すべての検索で電話が最適とは限りません。仕様表を読みたい人、資料をdownloadしたい人、夜間に検討している人には、まずpageで必要な情報を読める方がよい場合があります。電話を選べる広告にしても、link先pageの説明を薄くしてはいけません。
pageへ書く条件と、電話で確認する条件を分けます。価格表、受付地域、必要書類のように変わりにくい情報はpageで示します。個別の空き、数量、見積りの前提のように状況で変わる情報は、電話で確認する理由があります。この区別があれば、電話を急ぐ人にも、先に比較したい人にも次の行動を示せます。
電話を選ぶ人のために、受付時間、連絡先、何を聞けるかを広告とpageで確認できるようにします。Webへの訪問を増やすことと、電話を増やすことは、同じ目標ではありません。どちらを優先するかは、検索した人の用件と、受ける側の体制から決めます。
最初の一手は、電話で受ける用件を一つ選び、受付できない時間を先に書き出すことです。その条件を広告文とlink先pageへ戻して確かめてから、call bid adjustmentsを検討します。電話の表示を増やす前に、受けた電話へどう答えるかを決めます。
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