• AdWordsの完全一致は語順が変わる検索もあるため検索語句と広告文を確認する

AdWordsの完全一致は語順が変わる検索もあるため検索語句と広告文を確認する

公開日: 執筆:佐藤

AdWordsの完全一致は、登録した語句と一字一句同じ検索だけを扱う設定ではありません。2017年3月17日のGoogle公式発表では、完全一致keywordについて、語順を替えた検索と、意味を変えない機能語を含む検索へclose variantsの対応を広げる予定が案内されました。完全一致keywordを増やして語順の組み合わせを網羅する前に、実際に広告が表示された検索語句を見て、広告文とlink先pageが同じ疑問に答えているかを確認します。

この変更は、完全一致が部分一致と同じになるという意味ではありません。Googleは、元の意味が変わる語順の入れ替えには一致させない例も示しています。また、語順の変更が対象になるのは完全一致keywordであり、phrase match keywordはこの更新に含まれません。マッチタイプの名前だけから表示範囲を決めつけず、対象になるkeyword、検索語句、提供できる内容を分けて判断します。

完全一致で見直すのは文字列ではなく検索した人の目的

Googleの公式発表は、完全一致のclose variantsへ、追加の言い換えと語順の変更を含める予定を示しています。機能語とは、英語の前置詞、接続詞、冠詞など、検索の目的を変えない場合がある語です。Googleは「hotels in new york」のinを無視できる例と、「flights to new york」のtoを無視すると出発地と目的地が変わる例を分けています。

ここで重要なのは、単語を無視してよいかを広告運用者が文字数で決めることではありません。検索した人が、同じ広告文と同じpageで必要な答えを得られるかです。商品名、地域、対象者、利用目的、料金条件が変わるなら、語が近くても同じ意図とは限りません。

説明用の仮例として、「東京都内の事務所清掃」を案内する広告を考えます。「事務所 清掃 東京」と「東京 事務所 清掃」は、同じサービスpageと広告文で答えられる可能性があります。一方で、「事務所 清掃 東京 見積」と「事務所 清掃 東京 求人」は、清掃サービスという語を含んでも、求めている答えが違います。前者では費用や見積依頼の案内が必要になり、後者は採用情報を探す検索かもしれません。

見つけた検索語句 先に確認すること 次の判断
語順だけが違う 同じ広告文とlink先pageで答えられるか 同じkeywordのまま検索語句を記録する候補
意味を変えない機能語が違う 商品、地域、条件、対象者が変わらないか 実際の表示と成果を見て扱う
条件を示す語が加わる 料金、地域、利用目的などの条件へ答えられるか 広告文やpageを分けるか確認する
提供しない内容が加わる 自社の受付範囲から外れるか 除外keywordの候補として記録する

語順が変わった検索を見つけても、すぐに同じ語順の完全一致keywordを追加しません。広告文、link先、入札を変える理由がないなら、登録語だけを増やしても管理する対象が増えるだけです。keywordを分けるのは、別の広告文を使う、別のpageへ送る、別の費用上限を持たせる、といった実務上の理由がある場合です。

2017年3月の発表で確認できる範囲を分ける

この発表は、変更を今後数か月で広げる予定として示しています。また、最初に影響するのは英語とスペイン語のkeywordであり、他の言語は2017年中に続く予定とされています。日本語keywordがいつどのように同じ扱いになるかは、この発表だけでは決められません。日本語の語順や助詞について、英語の例をそのまま当てはめないでください。

そのため、2017年3月の時点で行うべきことは、表示範囲を憶測で広げることではありません。accountの完全一致keywordを一つ選び、検索語句レポートから、語順、条件、対象外の意図を確認します。変更の通知だけを見て、全ての語順違いkeywordを止めたり、追加したりする必要はありません。

Googleは、すでに言い換えや語順違いのkeywordを登録している場合、検索語句と完全に同じkeywordを優先して使い続けると案内しています。したがって、既存keywordを急いで消す理由にもなりません。どのkeywordがどの広告グループにあり、どの広告文とlink先を使っているかを確認してから、重複を残すか整理するかを決めます。

判断 先に残すもの すぐにしないこと
完全一致の対象を確認する campaign、広告グループ、keyword、広告文、link先 keyword名だけで意図を決めること
語順違いを見つける 実際の検索語句、表示日、click、費用 一件のclickだけでkeywordを大量に増やすこと
条件の違いを見つける 地域、商品、料金、対象者、利用目的 文字が似ているだけで同じgroupへ入れること
対象外を止める 除外する語と、止める範囲 自社が受ける検索まで広く除外すること

広告運用を委託している場合も、広告代理店や制作会社だけで受け入れる検索意図を決めることはできません。広告を出す側が、提供しない地域、扱わない商品、受けない依頼を明らかにします。運用担当は、その条件をもとに検索語句と費用を確認し、除外keywordや広告グループの候補を整理します。作業を委託することと、誰を顧客として受けるかを決めることは別です。

検索語句と広告文とlink先を一組で見る

完全一致keywordの変更を確認するとき、検索語句レポートだけを見て終わりにしません。表示された検索語句に対し、広告文が何を約束し、link先pageがその約束を説明しているかを一組で見ます。語順が同じでも、広告文が「即日対応」と書き、pageに地域や受付時間がなければ、必要な条件は伝わりません。

仮例として、「店舗 内装 東京」の完全一致keywordで広告を出す場合を考えます。語順を変えた「東京 店舗 内装」が表示されても、東京で店舗内装を頼みたいという意図へ、同じ広告文とpageで答えられるなら、別keywordを作る理由は薄いでしょう。しかし「店舗 内装 東京 補助金」のように、支援制度を知りたい語句が現れたときは、制度の案内を持たないpageへ送ってよいかを別に考えます。広告のclickを増やすために、答えられない条件まで受け入れてはいけません。

次の順で確認すると、文字列の違いと事業上の判断を混同しにくくなります。

  1. 完全一致keywordを一つ選び、現在の広告文とlink先pageを控える。
  2. 同じ期間の検索語句レポートで、語順違いと条件語を含む検索を分ける。
  3. 検索語句ごとに、同じpageで答えられるか、別の案内が必要か、提供しない内容かを判断する。
  4. 別の広告文やpageが必要なものだけを広告グループやkeywordの見直し候補にする。
  5. 提供しない内容は、除外keywordへ追加する前に、必要な検索まで止めない範囲を確認する。
  6. 変更した場合は、変更日、対象のcampaign、keyword、広告文、link先を記録し、同じ条件で後から検索語句を見直す。

この手順は、全ての検索語句を個別keywordにするためのものではありません。事業が答えられる意図を保ち、答えられない検索へ費用を使い続けないためのものです。語順の変更は、広告を出す相手の意図を判断する材料の一つであり、最終判断そのものではありません。

除外keywordは語順の変更を止める道具ではない

語順違いの検索が出るようになると聞いて、広い語を除外keywordへ入れたくなることがあります。しかし、除外keywordは不要な検索を止めるためのもので、同じ意図の言い換えを一律に止めるためのものではありません。対象外にする理由を、語順ではなく提供条件で書き出します。

たとえば、求人を受けないサービス広告なら「求人」や「採用」は除外候補になります。ただし、会社案内pageに採用情報もある場合、どのcampaignで何を止めるかを分けないと、必要な採用流入まで失う可能性があります。「無料」を除外する場合も、無料サービスを提供しないのか、無料相談は受けるのかで判断が変わります。

変更を加えたあとに見るのは、総clickだけではありません。検索語句、費用、問い合わせや購入など事業で決めた成果、追加した除外keywordを同じ期間で見ます。clickが増えても、受付外の依頼が増えたなら、広告の目的に近づいたとは言えません。反対に、clickが大きく増えなくても、必要な問い合わせへつながる語句を確認できたなら、次の広告文やpageを直す材料になります。

最初の一手は、完全一致keywordを一つだけ選び、その広告文とlink先pageを開くことです。そこから検索語句を見て、語順の違い、必要な条件、対象外の意図を三つに分けます。完全一致という名前に頼らず、実際に広告が約束する内容を守ります。

戻る