AdWordsのSmart Display campaignsは広告素材と入札を任せる前にconversion計測を確認する
公開日: 執筆:佐藤
Smart Display campaignsを始める前に、何をconversionとして数えるかを決めます。広告の配信対象、画像やtextを組み合わせた広告、入札を自動で扱うcampaignでも、問い合わせが来たのか、資料請求が完了したのか、注文が確定したのかは、site側で定義しなければ分かりません。自動化は設定を省く仕組みであって、事業の目的を決める仕組みではありません。
Googleの公式発表は、Smart Display campaignsがGoogle Display Networkで、見込み客の選定、image、native、text広告の作成、目標に合わせた入札を自動で行うものとして案内しています。2017年4月20日からadvertiserへ順次提供されます。利用できることと、既存のdisplay campaignをすぐ置き換えることは別です。先に目的、計測、素材、landing pageを確認します。
自動で配信することと目的を決めることは別である
display広告は、検索語を入力した人だけへ出す広告ではありません。記事を読む、動画を見る、appを使うといった場面で表示されます。検索広告と同じようにkeywordだけを増やせば成果が出る、と考えると、広告を見た人がどの段階にいるか、何を知りたがるかを見失います。
Smart Display campaignsは、配信対象、広告の組み合わせ、入札を自動で扱います。しかし、広告を見た人へ何をしてほしいかは自動では決まりません。資料請求を増やしたいのか、見積もりの相談を受けたいのか、商品注文を受けたいのかで、送るpage、広告に使う画像、conversionとして数える行動が変わります。
説明用の仮例として、業務用の機器を扱う会社を考えます。資料請求をconversionにするなら、広告をクリックした人が、製品の説明、利用条件、資料請求formへ進めるpageを用意します。formを開いた回数をconversionにするか、送信完了pageをconversionにするかでも、reportの数字は変わります。見込み客を増やすための広告と、対応できる相談を受けるためのformを同じ設定として扱いません。
日予算も目的から決めます。Googleの発表では、広告主がbusiness goalとしてtarget CPAとdaily budgetを与える例が示されています。daily budgetは、広告を動かせる額の上限を決める条件です。target CPAは、conversion一件にいくらまで使うかを考えるための条件です。数字を入力できるからといって、受けた問い合わせの価値や、その後に対応する時間まで自動で計算されるわけではありません。
問い合わせをconversionにするなら、営業や受付が何件まで対応できるかも確認します。広告費を使ってform送信を増やしても、返信できない、対象外の相談ばかりである、見積もりの条件がpageにない、といった状態では、広告の数字だけで判断できません。広告の運用と、問い合わせを受ける運用を分けて記録します。
conversionは送信前の操作と送信完了を分けて設定する
自動入札は、設定したconversionを材料にします。そのため、誤って数えた行動をconversionにすると、広告の自動化も誤った方向へ寄ります。form pageを開いたこと、送信buttonを押したこと、送信が完了したこと、電話番号を見たことは、同じ行動ではありません。
まず、事業上の目的に近い行動を一つ選びます。問い合わせを受けたいなら、送信後に表示する完了pageをconversionにする方法が候補です。完了pageがなく、同じ画面で送信を処理するformなら、実際に送信が成功したときだけ計測する条件を作ります。clickだけを数える場合は、それを問い合わせ完了と呼ばず、関心を示した補助指標として扱います。
| 数える行動 | 分かること | conversionとして扱う前に確認すること |
|---|---|---|
| 広告のclick | landing pageへ進んだ数 | 問い合わせや注文の完了とは別に見る |
| form pageの表示 | 相談を考えた人の数 | 自動表示や戻る操作を含む可能性を確認する |
| 送信buttonのclick | 送信しようとした数 | 入力errorや通信失敗を含む可能性を確認する |
| 完了pageの表示 | 送信後に進んだ数 | 重複表示と直接アクセスを確認する |
| 注文完了 | 受注に近い行動 | 取消し、返金、在庫の扱いを別に確認する |
この表は、完了pageだけを正しい答えと決めるためのものではありません。siteのformや注文の仕組みに合わせて、事業側が意味を説明できる行動を選ぶためのものです。外部formを使う、電話を受ける、見積もりを個別に返す場合は、送信後のデータがどこへ入り、誰が確認するかまで決めます。
conversionを作ったら、広告を始める前にtestを行います。test用の入力でformを送信し、完了画面へ進むか、受信先へ届くか、AdWordsの計測が一件として記録されるかを別々に確認します。送信できたことだけでは、広告のreportへ記録されたか分かりません。逆にreportへ一件出ても、受信した内容が空なら問い合わせとして役に立ちません。
conversionの定義を変えた場合は、変更前後の数字を同じ意味で比べません。たとえば、buttonのclickから完了pageの表示へ替えれば、report上のconversion数が減ることがあります。それは広告の成果が悪くなったのではなく、数える条件を厳しくした結果かもしれません。変更日、対象campaign、変更理由、前後の定義を残します。
素材は自動で組み合わせても条件を省かない
Googleの発表では、Smart Display campaignsがimage、native、textの広告を作り、Google Display Networkの掲載場所に合わせることを案内しています。広告素材を渡すときは、画像の枚数をそろえるだけで終えません。どの商品またはserviceを案内するのか、広告を見た人がlanding pageで何を確認できるのかをそろえます。
説明用の仮例として、設備点検の相談を受ける会社を考えます。広告に点検作業の写真、点検対象、相談の受付を示す短い文を用意します。landing pageでは、対応する設備、対応地域、相談から見積もりまでの流れ、連絡先を説明します。広告が「無料診断」と伝え、landing pageに条件がなければ、クリックした人が期待した内容と違います。自動でtextを組み合わせても、根拠のない約束を広告素材へ入れません。
画像には、商品やserviceと関係のない飾りを増やしすぎません。小さな表示では、細かい文字を画像へ詰めても読めません。価格、期間、対象地域などの条件が重要なら、landing pageで読める文章として示します。画像の見栄えと、注文や相談に必要な条件を分けます。
複数の商品を扱うなら、一つのcampaignへ異なる目的の素材を混ぜる前に考えます。資料請求を集める広告、既存顧客向けの案内、採用の案内では、訪問後に進むpageとconversionの意味が違います。同じdaily budgetで動かす理由があるか、同じreportで比較できるかを確認します。自動化へ渡す素材の範囲を狭くすれば、結果を見たときに何が影響したかを追いやすくなります。
landing pageは広告の外側にある仕事ではない
広告をクリックした後のlanding pageが読めなければ、配信対象や入札を工夫しても相談へ進みにくくなります。広告運用者がAdWordsを担当し、site制作側がpageを担当する場合でも、広告文、画像、landing page、formの担当を別々に放置しません。広告に書く約束と、pageに書く条件を一緒に確認します。
landing pageでは、最初に広告で案内した商品またはserviceが分かるようにします。次に、読者が判断するための条件を示します。対応地域、対象、費用の考え方、納期、問い合わせ先などです。すべてを広告の中へ入れる必要はありませんが、クリック後に別の商品へ進ませたり、必要な条件を隠したりしません。
phoneで広告から開く場合も確かめます。pageを開いてすぐにformが見つかるか、電話linkを押せるか、長い画像やscriptの読込みで内容が止まらないかを見ます。display広告の画像が正常に出ることと、landing pageのformが使えることは別です。広告の担当者とsiteの担当者が違うなら、公開前に同じ端末で一度通して確認します。
外部へ運用を任せる場合は、target CPAやdaily budgetを入力する権限だけでなく、conversion定義を変える権限、広告素材を承認する人、landing pageを変更する人を決めます。reportは、配信量、広告費、conversion数だけで終えません。問い合わせの内容、受注へ進んだ数、対応できなかった理由を事業側が確認します。広告の最適化を委託しても、費用に見合う相談を受ける判断は自分で持ちます。
最初の一手は、広告で増やしたい行動を一つ選び、その行動が完了したと確認できる画面または記録を決めることです。その後にdaily budget、target CPA、広告素材、landing pageをそろえ、test送信からreportの記録まで確認します。
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