AdWordsのad variationsはまとめて変える前に置換する広告文と比較条件を決める
公開日: 執筆:佐藤
AdWordsのad variationsを使うときは、多数の広告文を一度に替える前に、何を置き換え、何を変えずに比べ、どの結果なら採用するかを決めます。まとめて変更できることは作業を早くします。しかし、変更する文字、対象の広告、link先、入札、期間まで同時に替えれば、結果を見ても何が効いたのか分かりません。広告文を直す作業と、広告運用全体を替える作業は分けます。
Googleは11月16日、new AdWords experienceでad variationsを案内しました。これは、text adsへ加える同じ変更をまとめて試すための機能です。結果が統計的に有意になったあと、良いvariationなら元の広告を新しいvariationへ置き換えられると説明されています。だから、使い始める前に考えるのは、短い文言の候補ではありません。元の広告と比べる条件、置換してよい状態、採用しない場合に残す広告を決めることです。
変更する文と比較する対象を同じ大きさにする
ad variationsで扱う変更は、一つの仮説に絞ります。たとえば、見出しに季節の挨拶を加えると、検索した人が次の行動を理解しやすくなるのかを確かめたい場合があります。このとき、「季節の挨拶を入れる」ことと、価格、対象地域、call to actionまで一緒に替えることは別の変更です。複数の変更を重ねれば、良い結果が出ても、どの言葉を残すべきか決められません。
仮に、複数のtext adsで、見出しの末尾へ「資料請求受付中」を加える場合を考えます。比較する広告は、同じserviceを案内し、同じ問い合わせpageへ進むものに絞ります。広告文の一部を替える一方で、料金、提供地域、受付時間を変えるなら、問い合わせの変化を見ても、見出しの効果とは言えません。これは実在accountの結果ではなく、変数を分けるための仮例です。
最初に、元の広告とvariationの差を一文で書きます。「見出しへ資料請求の案内を加える」のように、誰が見ても同じ変更だと分かる言葉にします。次に、変えない条件を書きます。対象campaign、広告group、keyword、link先page、入札、予算、期間です。すべてを固定できない場合でも、同じ時期に何を替えたかを残せば、結果を読む範囲を狭められます。
| 分けるもの | 先に決めること | 混ぜた場合に起きること |
|---|---|---|
| variation | 広告文のどの語句を替えるか | 良かった理由を一つに絞れない |
| 対象広告 | 同じ目的で比べるtext ads | 異なる商品や地域の差が混じる |
| link先 | 広告と同じ約束を確認するpage | 広告文とpageの変更を分けられない |
| 指標 | 採用を判断する数字と期間 | clickだけで事業上の判断をしてしまう |
広告文をまとめて替えられるからといって、account全体へ同じ語句を入れる必要はありません。商品、地域、検索する人の目的が違えば、同じ言葉でも読まれ方が変わります。「無料相談」の案内が合う人もいれば、価格や納期を先に確かめたい人もいます。広告の数が多いことを理由に、異なる意図の広告まで同じvariationへ入れません。変更する範囲を小さく切る方が、採否を決めたあとに残る知識もはっきりします。
数字を見る前に採用しない条件も決める
Googleの案内は、統計的に有意な結果が出たあとに、良いvariationを元の広告へ置き換えられるとしています。ただし、統計的な差があることと、事業として採用することは同じではありません。clickが増えても、問い合わせの内容が対象外ばかりになるなら、広告文を残す理由は弱くなります。反対に、問い合わせの質を優先するcampaignなら、click率だけで置換を決めません。
variationを作る前に、何を見て採用するかを決めます。資料請求を増やす広告なら、クリック数だけでなく、formの送信、電話、見積もりの依頼など、事業側が受ける行動を確認します。購入を目的とする広告なら、広告の文と商品pageの価格、在庫、配送条件が一致しているかも見ます。広告の成績が良くても、link先が約束を受け止められなければ、置換する意味がありません。
採用しない条件も同時に書きます。たとえば、案内を加えたことで、対象外の問い合わせが増える、営業時間外の連絡を促す、商品pageにない条件を期待させるといった場合です。数字が一部で良く見えても、事業者が対応できない依頼を増やす広告は残しません。広告の機能は、数字を良く見せるためだけに使うものではありません。読者に出す約束と、受ける側が実際に対応できることをそろえるために使います。
外部へ広告運用を頼む場合も、依頼を「広告文をtestする」とだけ渡しません。どの広告を対象にするか、何の言葉を替えるか、比べる期間、見る指標、置換を承認する人を伝えます。運用会社がvariationを作れることと、事業者の代わりに販売条件を決められることは別です。広告を操作する人、商品やserviceの内容を確認する人、置換を承認する人を分けます。
置換の前に元の広告と判断の記録を残す
良いvariationが出ても、すぐに別の変更を重ねません。まず、元の広告文、variationで替えた箇所、対象campaign、見た期間、確認した数字、採用した理由を残します。これがなければ、数か月後に広告文が変わったとき、何のためにその言葉を入れたのか分からなくなります。広告を置き換える操作は短くても、判断の記録まで自動で残るわけではありません。
置換後には、実際の広告とlink先を開いて確認します。ad variationはtext adsの変更を試す機能です。広告文だけが正しく替わっていても、link先のpageに古い案内が残っていれば、読者は広告で見た約束を確かめられません。特に期間限定の言葉、価格、キャンペーン名、連絡方法を加える場合は、広告とpageの両方で読めるかを見ます。
結果が良くない場合も、variationを作ったことを失敗として隠しません。元の広告を残し、何を替え、どの指標を見て採用しなかったかを記録します。次に試す変更を考えるとき、前回と同じ言葉を別の条件で試してしまうことを防げます。広告文を増やし続けるより、比較できた変更と採用しなかった理由を残す方が、accountの運用を引き継ぎやすくします。
最初の一手は、替えたい広告文を一つ選び、元の文と変える箇所を並べることです。その横に、対象広告、変えない条件、採用しない条件、承認する人を書きます。AdWordsのad variationsは、広告文を一斉に替えるためだけの機能ではありません。一つの変更を比較し、置換してよい理由を残すために使います。
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