Google Analyticsの前年同月比は数字を並べる前に営業日とpageと計測条件をそろえる
公開日: 執筆:佐藤
Google Analyticsで前年同月比を見るときは、増減率を出す前に、営業日、曜日、読まれたpage、計測条件、広告の配信条件をそろえます。前年の一月と今年の一月は、同じ月名でも同じ事業条件とは限りません。数字が増えた理由を広告やSEOへ急いで結び付けず、何が違う期間を比べているのかを先に書き出します。
Google Analyticsでは、reportの期間を指定し、前の期間や前年の期間と比べられます。比較機能は数字を並べるための入口です。比較対象の営業日やsiteの内容が違えば、表示された差だけで施策の成果は決まりません。前年との比較は、今年の方針を決めるための材料として使い、同じ条件でない部分を残します。 Google Analytics Help
月が同じでも事業条件は同じではない
年始の集計では、前年同月のsession、問い合わせ、売上を見たくなります。しかし、営業開始日、休業日、曜日の並び、広告を出した日、価格、在庫、siteのpage構成が変われば、同じ一か月を比べても内容は違います。前年の数字が低いから今年が成功、前年より低いから失敗という結論は早すぎます。
たとえば、前年は1月5日から営業し、今年は1月4日から営業したとします。今年だけ広告を1月1日から配信したなら、sessionが増えても、営業日が一日増えた影響と広告の影響を分ける必要があります。問い合わせが増えても、前年はformを置いていなかったなら、同じ完了を数えていません。数字を読む前に、二期間で違う条件を並べます。
| 比較する条件 | 前年と今年で見ること | 違う場合の扱い |
|---|---|---|
| 営業日 | 開始日、休業日、受付時間 | 同じ日数だけを別に比べる |
| 曜日 | 平日と休日の数 | 月全体と同じ曜日の期間を分ける |
| page | service page、form、記事の有無 | 新設pageの流入を既存pageと混ぜない |
| 計測 | form完了、電話click、tagの変更 | 同じ行動を数えているか確認する |
| 広告 | 配信日、予算、広告文、link先 | 変更日を記録し、影響を決めつけない |
表は、比較をやめるためのものではありません。何が違うかを残したうえで、使える比較を選ぶためのものです。前年と完全に同じ条件になることは少ないでしょう。それでも、違いを知らずに数字だけを比べるより、判断の幅を狭められます。
全体の数字からpageと流入元へ分ける
前年同月比で全体のsessionが変わったら、次に流入元とpageを分けます。検索からの訪問が増えたのか、広告からの訪問が増えたのか、既存顧客が直接開いたのかで、確認する場所が違います。全体だけが増えていても、問い合わせへ近いpageが読まれていなければ、事業に必要な行動が増えたとは決められません。
検索流入を調べるなら、検索語、表示されたpage、クリックの変化を別に見ます。広告流入を調べるなら、広告文、配信日、link先、予算、受付条件を確認します。前年にはなかった記事が検索から読まれているなら、その記事の流入を前年比の改善と呼ぶ前に、今年新しく作った入口だと記録します。新しいpageが働いたことと、既存pageが改善したことは別です。
仮に、今年は会社案内を作り直し、問い合わせpageへ電話番号を追加したとします。sessionが変わらなくても電話clickが増えることがあります。この場合、前年のform送信だけと今年のform送信と電話clickを足して比べると、計測対象が違います。問い合わせという言葉を一つにせず、何を数えたかを分けます。
前年との比較で使うpageも、目的ごとに選びます。会社名で検索した人が最初に開く会社案内、見積もりを考える人が読むservice page、申込みを終えるcontact pageでは、見るべき数字が違います。会社案内では表示回数や検索語を確認する理由があります。service pageでは、説明を読んだあとに詳細へ進んだかを見ます。contact pageでは、送信や電話clickの前に入力を諦めていないかを確認します。全pageの平均だけを見て、どの入口が変わったかを失わないようにします。
比較する期間の途中でprice、service内容、formの項目を替えた場合も記録します。前年と同じ広告文でも、link先の条件が変われば、同じ約束を示してはいません。反対に、今年のpageを読みやすく直しただけで、検索から来る人の数は変わらなくても、問い合わせまで進む人が変わる場合があります。集計の数字を一つ選んだら、その数字の前後で読者が何を見て何を決めたかまで確認します。
比較の目的を次の判断へつなぐ
前年同月比は報告の見出しで終わらせません。数字を見たあとに、何を続けるか、何を確認するかを一つ決めます。検索から重要なpageへの訪問が増え、問い合わせも同じ条件で増えているなら、そのpageの情報を更新して残す理由になります。広告からのclickだけが増え、受付できない問い合わせが増えたなら、広告の約束とlink先を見直す理由になります。
比較で差がない場合も、すぐ設定を替えません。前年と今年の条件が違いすぎるなら、同じ月の比較を補助にし、今年の営業開始前後や広告変更日前後を別に見ます。数字を動かすために新しい施策を足す前に、比較の条件と判断の目的を記録します。
外部へreport作成を頼む場合は、前年の数字を出す人と、事業条件を説明する人を分けます。解析担当者は期間や流入元を集計できます。営業日、価格、在庫、受付、広告で約束する内容は事業側が確認します。数字を作る作業と、数字で何を決めるかを同じ人の推測に任せません。
最初の一手は、前年同月と今年の期間を開き、営業日、page、計測、広告で違う条件を五つ以内に書くことです。そのうえで、比較する数字を一つ選びます。前年同月比は、数字の上下を飾るためのものではありません。次の更新や広告の判断を、同じ条件で検討するための記録です。
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