AdWordsの新しい管理画面へ移るときは広告の変更と画面の変更を同じ日に行わない
公開日: 執筆:佐藤
AdWordsの新しい管理画面を使い始めるときは、画面の移行と広告の変更を同じ日に行いません。表示場所が変わると、以前から使っていたcampaign、budget、keyword、conversion、reportを見つけ直す必要があります。その日に広告文、入札、対象地域まで替えると、数字が変わった理由を後から分けられなくなります。先に同じaccountの主要な数字を新しい画面で読めるようにし、広告を替える作業は別の日に行います。
Googleは5月7日、年内に新しいAdWords experienceをaccount管理の唯一の画面にする予定を案内しました。同じ発表では、remarketing lists for search ads、Google Analytics columns、Keyword Plannerなど、日常の運用に必要な機能が新しい画面で利用できると説明されています。これは、画面を替える準備が必要だという知らせです。campaignを作り直すべきだという知らせではありません。
画面の移行と広告の改善を混ぜない
新しい画面を開くと、目的に合わせたcampaign作成や、見やすくまとめたreportを試したくなります。しかし、今ある広告が何を目標にし、どの数字を確認しているかが分からないまま新しい画面へ合わせると、操作の便利さだけでcampaignを変更してしまいます。画面が新しくなったことと、広告の目的が変わったことは別です。
たとえば、問い合わせを増やすための検索広告を考えます。移行前に見るのは、campaign名、対象地域、日額budget、広告group、keyword、広告文、link先、問い合わせを数えるconversionです。すべてを一覧へ書き写す必要はありません。事業の判断に使っている設定と数字を選び、どこで読んでいたかを残します。新しい画面では、同じcampaignを開き、同じ期間、同じ条件で数字を確認します。この確認が済むまで、入札や広告文を替えません。
画面で表示するcolumnを増やすことも、広告を良くする作業とは別です。Google Analytics columnを出せるようになっても、AdWordsのclickとAnalyticsのsessionを同じ数だと扱いません。どのserviceが出す数字か、いつの期間か、何をconversionと数えるかを分けて記録します。新しい画面に数字があることだけで、以前のreportと同じ意味になるわけではありません。
最初に残すのは操作手順でなく判断の基準
移行前に残すべきなのは、menuを何回clickしたかではありません。広告を続けるか、止めるか、直すかを決めるときに見る基準です。campaignごとに、何を提供し、誰へ見せ、どのpageへ進め、何を成果として確認するかを短く書きます。これがあれば、新しい画面でreportの場所が変わっても、必要な数字を探せます。
説明用の仮例として、二つのcampaignを使うsiteを考えます。一つは地域名を含む検索語から電話またはformへ進ませるcampaign、もう一つは商品の説明pageへ進ませるcampaignです。両方のclick数が同じように見えても、見るべき結果は同じではありません。前者は電話やformの確認方法、後者は商品pageを読んだあとに何をしてほしいかを先に決めます。画面を替える日には、この違いを消して一つの数字にまとめません。
広告運用を制作側へ頼んでいる場合も同じです。制作側が新しい画面の操作に慣れていても、どのcampaignを残すか、予算をどこへ使うか、問い合わせをどう数えるかは、site側の判断です。依頼するときは、accountの利用者、変更してよい範囲、見たいreport、変更前に残す数字、問題が起きたときの連絡先を渡します。管理画面を操作する人と、広告費と受付を決める人を同じ人だと決めつけません。
新しい画面で確認する範囲を決める
移行直後に全campaignを作り直さず、まず重要なcampaignを二つか三つ選びます。新しい画面でaccountを開き、期間を移行前に使っていた期間へ合わせます。次にcampaign、広告group、keyword、広告、link先、conversion columnを順に確認します。数字を見つけたら、以前のreportと同じ期間、同じ対象で読んでいるかを確かめます。画面の名称や配置が違っても、判断の単位を揃えます。
このとき、accountの権限も確認します。担当者が以前の画面でdownloadしていたreportを、新しい画面でも必要な人が見られるかを確認します。担当が替わったときに、個人のloginだけへ頼ると、広告の数字も変更記録も引き継げません。accountの所有者、管理者、日常の確認者を分け、誰がどの変更を承認するかを残します。
画面上で見つからないcolumnやreportがあれば、数値を推測して以前と同じだと決めません。対象campaign、期間、見つからない項目、必要な理由を記録して調べます。reportが使えないことと、広告の配信が止まったことも別です。まず公開画面のlink先、広告の有効状態、問い合わせの受付を確認し、次にreportの読み方を整えます。
変更は一つずつ記録して比較する
画面の確認が終わったあとに広告を改善する場合も、変更をまとめません。広告文を替えるなら、campaignの構造、予算、対象地域、conversion定義はそのままにします。keywordを追加するなら、追加した語と広告group、link先、追加日を残します。複数の変更を同時に行えば、結果が良くても悪くても何が理由か分かりません。
記録は複雑なsheetでなくても構いません。変更日、対象campaign、変更した項目、変更前、変更後、確認する数字、確認日、変更した人を残します。画面移行の確認も同じ記録に入れます。ただし「新しい画面へ移行」と「広告文を変更」は別の行にします。こうしておけば、数週間後に数字を見たとき、操作画面の切替と広告の変更を混同しません。
Googleが新しいexperienceを用意したのは、accountを管理しやすくするためです。しかし、画面を替えただけで、広告の約束、link先の内容、問い合わせの受け方、予算の優先順位まで決まるわけではありません。画面移行を機に広告の整理が必要になることはあります。それでも、先に現状を読めるようにしてから、目的に沿う変更を一つずつ行います。
移行日に確認する順序
| 順序 | 確認すること |
|---|---|
| 所有 | accountの所有者、管理者、日常の確認者 |
| 基準 | campaignごとの目的、link先、確認する成果 |
| 数字 | 同じ期間と対象で読むclick、cost、conversionなどのcolumn |
| 画面 | 新しいexperienceで重要campaignとreportを開けるか |
| 受付 | 広告から進むpage、form、電話の受付が動くか |
| 変更 | 広告文、keyword、入札などを別の日に一つずつ記録する |
最初の一手は、重要campaignを一つ選び、新しい画面で移行前と同じ期間のreportを開くことです。数字が読めたら、link先と問い合わせの受付を確認します。そこで初めて、次に直す広告を一つ選びます。画面を新しくする作業と、広告を良くする作業を分ければ、どちらの判断も曖昧になりません。
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